鳥の話 23
一般的にマジックに用いる鳥の足を観察してみると、鳩の場合は前方に3本
、後方に1本の指があります。
インコ・オウム類は物をしっかり掴むためなのでしょうか、前方と後方に
それぞれ2本の指があります。
私のバードマジックレパートリーの一つで、スケッチブックに描いたオウム
の絵が本物に変化して飛び立つというのを時々演じるのですが、ある時オウ
ムの指を鳩のように前方に3本、後方に1本描いた(自分ではそんな意識は
なく、ついうっかりなのでしょう)ことがありました。
後日、その時の演技を見ていたという鳥マニアの方から、オウムの指は前後
にそれぞれ2本ですよと指摘されました。(マニアは見逃しませんね。)
今回は鳥の指の先端…爪のケアの必要性について書きたいと思います。
人と同様に鳥の爪もいつの間にか結構伸びるもので、定期的に切る必要が
あります。
伸び過ぎると色んな物に引っかかって怪我をする恐れがあるからです。
鳩の場合は、ほとんど止まり木や餌箱の上で過ごしていますが、インコや
オウムは物を掴んだり、鳥かご全体をジャングルジムのように動き回る習性
があるので、爪の定期的なケアは鳩以上に欠かせません。
定期的とは言っても、どのくらいおきに切ればいいのかという明確な指針は
ありませんが、日頃から手乗りとしてコミュニケーションをとっている習慣
があるならば乗せた指先に痛みを感じたら切り時だと判断してよいでしょう。
ただし大型鳥は握力が強いせいか、爪を切った後でも多少の痛みを感じるか
もしれません。
鳥かごの中で飼いっぱなしという鳥は、爪が伸びっぱなしになりがちなので、
特に注意が必要です。
マジシャンという立場からの理由としては、爪のケアをしていないと、演技
に多大な支障をきたすことがあるからです。
鳩出しの演技で、爪にシルクが引っかかったり、あるいは絶対に見えてはな
らないハーネスまでもがぶら下がって慌てるマジシャンを見てきました。
ほとんどのケースが爪のケアさえしていれば防げたミスのはずです。
専門的になりますが、爪が伸びているとベアハンドプロダクションの際にも、
衣装が大きく動くなどスマートな出現の支障となります。
爪の切り方や長さについては、書店に並んでいる専門誌に記載されているので
詳述はしませんが、爪の途中までは血管が走っているので深爪は禁物です。
近年のクロースアップを中心としたマジックブームに伴い、副産物のように
ブームになったのがマジシャンの手(特に爪)のケアではないでしょうか。
解像度が大幅に向上した大型テレビが普及し、マジシャン達の手が容赦なく
アップで映される現代においては良い習慣でしょう。(この習慣の元祖は間違
いなくマリック氏だと思います。)
一般の方々からも時々「テレビを観てて思ったんですけど、マジシャンの手
ってきれいで爪がピカピカですよね。」という声を耳にします。
私もテレビ出演やクロースアップショーの前は、一応のマナーとして手や爪の
ケアをするように心掛けていますが、いかんせんバードマジシャンの宿命で
生傷が絶えません。
日々の調教に加えてバードマジックのステージが続いた後は、それはそれは
酷いものです。先日も練習中にコンゴウインコにおもいっきり噛み付かれて
大出血してしまいました。
銀座のクラブに出演していた頃、私の手の生傷を見た酔客から「ねぇマジシ
ャン、猫飼ってるでしょ?」と何度尋ねられたことか…確かに猫も飼ってる
んだけどなあ、でも違うんだよなあ…と思いつつも、真相を話して長引くの
を避けるために、猫のせいにしたのは言うまでもありません。
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