書籍・雑誌

読書の秋

早いものでもう11月…晩夏〜初秋にかけて読んだ本をつらつらと…

・ 「言ってはいけない 残酷すぎる真実」 橘玲 著 (新潮社)

すでにベストセラーとなっていますが、その内容がいかに刺激的なのかは
「まえがき」のこの一文が全てを物語っています…「最初に断っておくが、
これは不愉快な本だ。だから気分よく一日を終わりたいひとは読むのをや
めたほうがいい」
いかにも挑発的な書き出しですが、決してハッタリではありません。
「努力は遺伝に勝てないのか」、「馬鹿や精神病や犯罪は遺伝するのか」、
「美人とブスの経済格差は」、「人種によるIQ差は」…それこそ「努力すれ
ば夢は叶う」とか「人間は皆平等」と照れもなく説くことができる理想主義
者が読めば、頭が沸騰するような内容でしょう。
脳科学や進化論の最前線から豊富なエビデンスを示しながら、聞こえの良
い世間の良識にかなり大胆に切り込んでいます。
実は誰もが心の奥底で感じていた普遍性のある知見に光を当てたのですか
ら、たとえ不愉快でもタブーに触れることで良い未来を実現する一歩にな
ればそれでいいのではないでしょうか。
個人的には「あとがき」のこの一文が響きました…「不愉快なものにこそ
語るべき価値があると考えている。きれいごとをいうひとは、いくらでも
いるのだから」…だからマジック界ではSpeakersが評判になっている
のかも。

・ 「ウソはバレる」 サイモンソン E. ローゼン 著 (ダイヤモンド社)

原題の邦訳は「絶対価値」、対局の概念は「相対価値」ですが、そう難しく
解釈せずにざっくり言えば、昔はメーカーやブランド側にあった購買の主
導権が、現在ではネット等のツールを利用する消費者側に移っているとい
うもの。
これまでの消費者は、購入時の不確実性を小さくしたり不安感を払拭する
ためにメーカーのネームバリューやブランド力をあてにしてきました。
ところが最近はレビューサイトで口コミの情報が溢れかえり、その情報を
元に選ぶ消費者が増えていますよね。
そうなると老舗ブランドは歴史にあぐらをかいた殿様商売はできなくなり、
無名ブランドにとっては大きなチャンスがある時代になったということ。
つまり今後の企業は、最新テクノロジーに目を向けて消費者の動向を緻密
に追いながら迅速に軌道修正できるかが肝となるのでしょう。
ただ個人的にはこれらの考え方は電化製品を始めとする「日用品」にあて
はまることで、宝飾品や腕時計、外車等のどちらかと言うと「嗜好品」に
近いものには関係ないことなのかなとも感じました。
そのうちマジシャンのレビューサイトが作られて星の数で比較される時代
が来るかも…プロフィールの「ウソはバレる」よね。

・ 「総理」  山口敬之 著  (幻冬舎)

本書はTBSの政治記者として最も近くで16年も安倍晋三総理を見つめ続
けた著者による、安倍氏と彼を取り巻く人間模様を緻密な描写で書き下ろ
したものです。
2007年の電撃辞任、総理の座を投げ出した敗残者との酷評からの復活、
再出馬の決断、消費税をめぐる攻防、そして現在進行形で予断を許さぬ
外交問題…まさに一国の宰相とはいかにあるべきかを考えさせられるし、
政治のダイナミズムを感じさせてくれる著者渾身の一冊です。
私が政治関連の本を好んで読む傾向があるからでしょうか、面白さでは
今年読んだ本のベスト1ですな。
政治関連と言えば今年の大ベストセラー、石原慎太郎氏が田中角栄の
生き様を一人称で書いた「天才」(幻冬舎)も面白かったですね。
それと「YKK秘録」 山崎拓 著(講談社)もオススメです…なぜ小泉は
首相になれたのか? なぜ加藤は時局を見誤ったのか?…等、権力闘争の
実態を実名で生々しく書き下ろしています。
そして本書のまさに「加藤の乱」の真相の章を読んでいる最中に、その
加藤紘一氏の訃報のニュースが飛び込んで来て驚きました。
ご冥福をお祈りします。

・「税務署は3年泳がせる」  飯田真弓 著  (日本経済新聞出版社)

私が何年泳がされたのかは不明ですが、優秀な顧問税理士に任せて完璧
かつ真面目に申告していたのに、この9月、ちょっとコワ〜イ目に遭って
しまいましたよ。(10年ぶりかなあ)
本書は元国税調査官の著者が税務署と税務調査の実態を赤裸々に書き綴っ
たものです。
まあ様々なエピソードから構成されていますが、各話の最後にまとめとし
ての「川柳」が書き添えられていますので、そのいくつかを紹介します。
それだけでも税務調査のツボが思い描けるはずです。

・ マイナンバー 田舎の口座も 把握済み
・ 還付金 源泉以上は 戻らない
・ プチ整形 医療費控除は できません
・ FX 儲かったなら 申告を
・ 経営を 続けていくなら 青色で
・ 抜いた金 ここ掘れワンワン 土の中
・ 消費税 1,000万が 分かれ道
・ 税務署は あなたのブログも 覗いてる

ありゃあ、覗かれてたのねぇ〜!

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年末年始に読んだ本

今回は年末年始に読んだ本の中から、4冊を紹介します。
 
・ 最後はなぜかうまくいくイタリア人 宮島勲 著(日本経済新聞出版社)
 
年に15回もイタリアに行く著者によるイタリア人に関するレビューとでも
言えるのでしょうか。
もちろん、北部や南部など地方によって大きな県民性のような違いはある
ものの、ざっくりとした国民性を面白おかしく伝えています。
チャプタータイトルだけでも全体像が見えて、充分に興味深いのです…
「ルーズなのになぜか結果は出る秘密」、「好きなことだけ楽しみ、嫌い
なことは先延ばす」、「対人関係を支配する、義理・絆・コネ」などなど。
まあ総じて、本当に困った人だといつも思いながらも、なぜか「憎めない
愛すべきやつ」と感じてしまうのでしょう。
過激な言動や振る舞いで失脚したベルルスコーニ元首相が、いまだに根強
い人気を保っているのも「機転が利いて、うまく世渡りするやつ」と羨ま
しがられ、ある意味尊敬されているからのようです。
また、南イタリアには、何もしないでじっと待ち、チャンスが来たら掴む
「Attendismo(待機主義)」というメンタリティーがあり、これがイタリ
ア人とサッカーの好相性の理由であるとも分析しています。
私が興味を持ったのは、ファッションから車まで、独自のセンスと哲学で
一流品を生み出す秘密です。
イタリア人は直感を非常に重視する国民で、好きか嫌いか、美しいか醜い
かで物事を判断するのが常なので、「好き嫌いを言うことは、ワガママで
いけないことです」と言われて育った日本人は、この直感を磨くチャンス
を多く失ってきたらしいのです。
電車も正確に動き、何もかも清潔で、ホスピタリティーが充実している国
に住む日本人が疲れて余裕がなく見える一方、交通機関の発着もルーズで
、駅や空港もゴミだらけでサービスも最悪とされる国に住むイタリア人は、
のんびりとして楽しそうで、やたらと時間と精神的余裕がありそうです…
どこで生まれ、どんな文化に育まれながら生きるのが幸せなのかを考えさ
せられた一冊でした。
 
 
・ 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話
                    佐藤治彦 著 (扶養社新書)
 
人生の折り返し地点を迎えた者にとっては、避けては通れないテーマです。
本書は年収300〜700万という人に向けてのものですが、中心は公務員や
サラリーマンでしょう。
本来は私自身のレビューを書くべきなのですが、某週刊誌に落語家・立川
談四櫻さんが実に明快なレビューを書かれていたので、一部を紹介します。
「老後のことを今更考えるには取り返しのつかない私(64)にとっては、
無駄とも思われた読書でしたが、いやいやまだ間に合うのだと意を強くし
ました。先頃亡くなった人間国宝・桂米朝の師匠・先代桂米治は、『芸人
、末路哀れは覚悟の前やで』と言い、多くの落語家はそれを頼りに生きま
した。一方、その言に反発し、『売れて大金持ちになる。年金などアテに
するかい』と豪語する者もいて、しかしそれを実現するのはほんのわずか
で、多くは末路哀れの道を辿ったのです。近年、落語家の意識は大きく変
わりました。国民年金や国民健康保険にしっかり手当し、老後に備えてい
る者が大半なのです。私とその上の団塊の世代には無頼派の生き残りがわ
ずかにいて、私もその一人なのですが、強気を装っても日々老後への不安
は募るのです…著者は『老後のために現役時代の楽しいことはガマンする
人生はつまらないです』と言い、ところが老後も楽しむという本が少ない
…『だから、書いてみたのです』と宣言。(中略) さて、本書によって
無頼派を脱した私の老後ですが、どうやら末路哀れだけは避けられるよう
です」
破天荒を気取りながらも、実は不安を抱きながら生きているマジシャンに
とっても有益な本ですね。
 
 
・ シリコンバレー式 自分を変える最強の食事
             デイヴ・アスプリー 著 (ダイヤモンド社)
 
理論面としては多数の研究を参照総合し、最新の知見を反映させています。
例えば、すでに日本でも流行っているケトン式食事法と同様の原理…炭水
化物の摂取を減らして中鎖脂肪酸を多く摂取することによって、糖の代わ
りに脂肪を燃焼させてエネルギーに変換するというもの。
もう一つ著者が重視しているのが断食(ファスティング)ですが、仕事の
パフォーマンスが落ちないように、朝、一杯のバターコーヒーを飲むとい
う方法で、良質の脂肪を充分に摂っている限り、脳はむやみに空腹感を起
こさず、ファスティングの状態が持続するので、腹を空かさずに断食のメ
リットが得られるというもの。
他にも様々な知見を与えてくれますが、この本の通りに厳格に食材は入手
できそうにありませんから、私はこれまで同様平常運転でいくつもりです。
 
 
・ 仁義なき宅配 ヤマトvs佐川vs日本郵便vsアマゾン
                     横田増生 著 (小学館)
 
この本は、著者自ら宅配の軽トラに横乗りしてドライバーを密着取材した
り、取材依頼を何度も断られたあげく、ヤマトの心臓部である羽田クロノ
ゲートにアルバイトとして潜入して目撃した事実を内部告発したとも言え
るものです。
クリックしただけで翌日には商品が届くネット通販の利便性を当然のよう
に享受している我々ですが、その裏側を覗くと、実は宅配業者の壮絶とも
言える競争とドライバー達の過酷な労働の上に成り立っているのです。
一日平均3時間のサービス残業を甘受しながら、大卒初任給が20万円前半、
年収は額面300万円以下という現実は、「佐川で三年間働くと家が建つ」
と業界で云われていた時代を思うと、隔世の感があります。
私自身も、定期的に購入する大量の炭酸水やドリップコーヒー、重たい猫
の砂などは、すっかり通販に頼るようになっています。
本書の統計によると、現在の宅配業務を最も難しくしているのが再配達と
時間指定サービスで、一回目の配達で不在となるのは約二割、不在が三回
以上も全体の1%近くあるそうです。
そもそも通販業者が謳う「送料無料」なんて有り得ないし、そのしわ寄せ
は全て宅配業者に押しつけられているわけで、ネット通販を利用する顧客
自身が配達時間を指定しておきながら不在の場合は、追加料金を徴収する
べきなんですよ。
佐川急便がアマゾンとの契約を打ち切り、ヤマトがその業務を引き受けた
両社のビジネス構造上の違いとは?
ヤマトはいかにして「覇者」となったのか?
日通のペリカン便を取り込んだ日本郵便の「逆転の独り勝ち」の真相は?
…とにかく日々の生活に密着している業界だけに、興味津々で読み終わり
ました。(実はこの本、すでに購入していることを失念していて、二冊目
を買ってしまいました…まあ、たまにあることですが)
 
それはそうと、最近知ったのですが、アマゾンのサイトを通じてお坊さん
が「出品」されているとのこと…その名も「お坊さん便」。
さっそく覗いてみると、確かにありました。
僧侶を手配して自宅やお墓に派遣してくれるサービスのようです。
戒名の授与は別料金で、全国一律3万5千円。
画面の「在庫」とか「返品について」等の言葉がなんともシュール。
 
そのうち、「格安マジシャン」が出品されることも有り得そうで、冗談と
して笑えない時代が来るかも…ああ、在庫過多、さらに返品の山が…。

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いろいろと読んでみた

最近読んだ本の中から、いくつかレビューをざっくりと…。
 
 
・ 火花  又吉直樹 著  (文藝春秋)
 
今一番の話題作なので、時流に乗って芥川賞受賞の翌日に購入しました。
普段読むのは実用書、ビジネス書、医学書、投資関連本、たまにマジック
関連本というラインナップなので、小説の論評は面白いか否かだけでしか
判断できませんが…面白い!
特に芸人が読めば、様々な切ない想いが交錯することでしょうね。
多くの書評にも書いてありますが、その文学的表現は秀逸で、情景が頭の
中にカラーで出て来ます。
それだけに映画化しやすい小説で、配役も色んな芸人に当てはめて想像
してみると、面白さも倍増です。
 
・ 絶歌  元少年A 著  (太田出版)
 
話題作というより問題作ですね。
前半は自身の生い立ちからあの事件を起こして逮捕されるまで、後半は
再び社会に出てから現在までという二部構成になっていますが、肝心の
医療少年院に収監されていた期間の出来事は、完全スルー状態。
ここでどのような更生教育を受けて社会に出て来たかが重要なのに…。
その教育の成果がなかったからこそ、遺族感情を無視して出版すること
ができるのでしょう。
まあ、文体からも感じるように、小説家気取りのナルシストですな。
あの事件当時、マジックショーの出し物から、切断系イリュージョンを
全て封印したことを思い出しました。
 
 
・ 読んだら忘れない読書術  樺沢紫苑 著  (サンマーク出版)
 
今年のビジネス書のベストセラーです。
現在の日本人の平均読書量は一ヶ月に1冊でしかなく、月に7冊読めば、
日本人の上位4%に入ることになるようです。
まず、なぜ読書は必要なのか? 読書によって得られる8つのことについ
て書かれています…例えば、読書量と収入は比例しているという事実、
膨大な他人の経験や知識を1500円程度で買えるのは、自分で一から
スタートするよりは、はるかに時間短縮になって有益だということ。
「インプット量」で勝ち、「アウトプット量」で勝ち、自己成長のスピ
ードで勝てばライバルに圧倒的に差をつけることができる…そのための
第一歩が読書量を増やすこと。
そして読んだ内容を忘れないためには、脳科学研究のエビデンスとして
最初のインプットから7〜10日以内に3〜4回アウトプットすること。
(私もそのアウトプットの一つとして、レビューを書いているわけです)
私は、月平均10冊程度読みますが、著者の樺沢先生は30冊とのこと…
凄いなあ。
 
 
・ 「爆買い」中国人に売る方法  徐 向東 著 (日本経済新聞出版社)
 
私も都内での常宿が銀座なので、もうすっかりおなじみの光景となった
中国人観光客による爆買い…実は、日本人の中国人観光客対応は間違い
だらけで、大きなビジネスチャンスを逃しているという内容の本。
今後のインバウンド消費攻略のためには、必読書と言っても過言では
ないでしょう。
 
 
・ 日韓対立の真相  武藤正敏 著  (悟空出版)
 
近年の反日・嫌韓の世論の中で、多くのいわゆる「嫌韓本」(悪韓論、
恥韓論、呆韓論…)が出版され、大手の書店では平積みのコーナーが
できるほど売れているようです。
私もほとんど読みましたが、いずれもエキセントリックで、かの隣国
の日本に対する難癖や嫌がらせに辟易している諸氏にとっては、溜飲
が下がる思いでしょう。
しかし今回の本は、日韓外交戦の舞台裏で苦悩した、前・在韓国特命
大使が初めて沈黙を破っただけに、鬼気迫る史実が綴られています。
結局、韓国の歴史観は「自分が正しいこと」が前提であり、日本人は
アタマで考え、韓国人はハートで考えるから理解し合えないんです。
感情を揺さぶる大きな悲しみに直面した時、多くの日本人は黙って涙
を流し、韓国人は地面を叩いて転げ回り、大声で泣き喚く…こんなに
感情表現の違う人種を相手に、慰安婦問題や竹島問題を冷静に話し合
いで解決しようなんて、無理な話だなと感じるのは私だけでしょうか。
 
 
・ 笑韓でいきましょう  高 信太郎 著  (悟空出版)
 
韓国に対していちいち憤慨するのではなく、もう笑い飛ばしましょう
という主旨の本です。
爆笑エピソードが満載なのですが、二つ紹介しましょう。
ある日本人がなにげなく「韓国人は怒りっぽいからな」と言った途端
隣にいた韓国人が「ウソつくな! 我々は怒りっぽくない!!」と怒鳴
ったとか。
日本人がよく使う「すいません」は韓国では「ミアナムニダ」ですが、
ほとんど使われません…なぜなら彼等は謝らないからです。

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本の紹介

・「服を買うなら、捨てなさい」 地曵いく子 著 (宝島社)
 
煩悩多くして物欲が強く(買い物依存症に近いかも)、断捨離してもすぐ
に服が増えてしまう私に対して警鐘を鳴らしてくれる有り難い本でした。
 
どうせ今年の上半期ベストセラー第一位の「フランス人は10着しか服を
持たない」のパクリ本だろうと思って読んでみたところ、ワードロープ論
に特化した専門書でしたね。
「フランス人…」の方は、どちらかというと「シンプルライフ」の推奨に
重心を置いていますしね。
 
この本には「これさえ買えばいい」という項目はありません。
その代わり、捨てる服、残す服、買っていい服、ダメな服を具体的に説明
しています。
 
つまり、自分のスタイルを考えて作るという方法ですね。
メインターゲットは40〜50代の女性のようですが、予想外に男性にも読
まれているそうです…衣装で悩んでいるマジシャンにもオススメです。
 
 
・「女医の花道」 おおたわ史絵 著 (朝日文庫)
 
テレビのコメンテーターとしても露出が多いおおたわ医師…実は東京女子
医大で私の妹と同期で、私の噂も聞いていたらしく、私の生き様について
ちょっとだけ触れています。
 
 
・「肩書き捨てたら地獄だった」 宇佐美典也 著 (中公新書ラクレ)
 
元経済産業省の官僚が書いた本で、安易に独立や起業を奨励する風潮に、
警鐘を鳴らす内容です。
前半は、著者が官僚という肩書きを失ってから、何とか生計を立てるよう
になるまでの体験談、後半は、普通の団塊ジュニア世代のサラリーマンは
どのように生き抜くべきかを論じています。
 
官僚時代は「宜しくお願いします」と頭を下げていた人達が、一転「お前
は本当にどうしようもない奴だな〜」と蔑むような目で見られたエピソード
などは、まさに「地獄」と呼ぶにふさわしいものであったようです。
 
なんだかんだ言っても、いまだに肩書き次第で人生が翻弄される社会なの
ですから、世間ウケする肩書きを欲しがる風潮が蔓延するのも納得です。
 
しかし、中身はともかく肩書きだけを手に入れるなら、色々な裏技がある
のも事実ですよ。
例えば、どうしても「一流大卒」という肩書きが欲しいだけなら、本人の
向き不向きに関係なく、比較的競争率と偏差値が低い学部を狙えば可能性
は高くなるわけですよ。
 
マジック業界の昔話ですが、どうしてもコンテスト入賞の肩書きが欲しか
ったのでしょう…本来自身がウリとしているはずなのに、競争率が高い
そのカテゴリーを避けて、競争率の低い(たった数人)カテゴリーにエン
トリーしてギリギリ入賞という裏技もありましたからね。
まあ、それでも入賞は入賞…色々な知恵があるものです。
そんなこんなで資格が要らないこの業界は、チャンピオンだらけになって
いく…平和です。
 
 

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プロフェッショナル・コンセプター

                                    
 
久しぶりに、本の紹介です。
 
先日、超高級腕時計ブランド、リシャール・ミルのオーナーズイベント
「リシャール・ミル ミーティング in FUKUOKA 2015」(ヒルトン福岡
シーホーク)に招聘されて、クロースアップマジックを演じました。
 
なにしろ「腕時計業界にライバルはいない、競合はフェラーリやランボ
ルギーニ」と云われるほどのブランド…もちろんこのブランドにちなんだ
オリジナルマジックも用意してそれなりに喜んで頂いたのですが、男性客
の一人が、写真でしか見たことがない世界30本限定の驚愕モデルである
RM52-01を実際に着けていることに驚いて、演技中に思わず見入ってし
まいました。
パーティーの最中、私と同じRM023を着けている仲間を探したところ、
スタッフの一人が色違いのWGモデルを着けているのを発見しました。
そんなこんなで話も弾み、最高のフルコースディナーも味わいながらの
素敵な一夜となりました。
 
このパーティー、実は創業者であるリシャール・ミル氏の肩書きを題した
出版を記念してのイベントだったので、購入して予習として読み込んだ
ところ、VIPやセレブリティを主な顧客とするラグジュアリービジネスの
哲学について、色々と考えさせられました。
 
その内容を簡潔に言えば、ラグジュアリービジネスにおいては「ブレない
明確なコンセプト」があれば、次第に賛同者が増えてブランディング化の
成功に通じるということ。
 
一部を抜粋すると…
 
私が作っているのは、「誰もが欲しくなるような腕時計」であり、「誰も
が買うことが出来る腕時計」ではない。最近、ブランドの認知度がかなり
上がってきた。そうすると、もっと買いやすいエントリー価格のモデルを
出すべきだとアドバイスしてくる人が出てくる。もし利益だけを追求する
ならば、その考え方は正解かもしれない。100万円で買えるようなモデル
があれば、今なら数千本という単位で売れるだろう。だが、私自身がそん
な腕時計を欲しいとは思わない。もしそんなモデルを出してしまったら、
これまで愛してくれた多くの顧客が失望し、ブランドから離れていってし
まう。私は高価な腕時計を作りたいわけではない。理想の腕時計を追い求
めてきただけだ。それぞれの時計には唯一無二のコンセプトがあり、そこ
に世界でも最高水準のテクニックが加わる。その実現のためにかかったコ
ストが価格に反映される。一切の妥協をせず、理想を追い求めた結果、必
然的に価格が高くなってしまうのだ。(リシャール・ミル 談)
 
ラグジュアリーブランドの世界では、付加価値という要素がとても大きな
意味を持ちます。付加価値という言葉は、顧客満足度と言い換えてもいい
かもしれません。顧客が満足できれば、それこそが「価値」であり、世間
で常識とされているものとしての相場に関係なく、人はそこにお金を払う
のです。(リシャールミルジャパン代表取締役 川崎圭太 談)
 
 
またリシャール・ミル氏は「好きなことだけして、作りたいものだけを作
っている」とも述べていますが、そこには「ブレない明確なコンセプト」
が前提としてあるわけです。
これをこのままマジック業界に置き換えることには無理があると思いつつ
…誤解を恐れずに言えば、マジシャンの場合、趣味感覚の延長でスタート
して、「大好きなマジックで生きていけるだけで幸せ」という人も多いせ
いか、コンセプトの有無どころか、まあとにかく「キャラ」も「ギャラ」
もブレまくりですからね。
 
同じスプーン曲げやアンビシャスカードや鳩出しでも、なぜ演者によって
説得力や重みに差があるのか、なぜギャラに雲泥の差があるのか、古い車
でも中古車とクラシックカーとに区別されるのは、どこに差があるのか…
結局はコンセプトの質によるブランディングの差に行き着くのですね。
 
時間を確認するだけなら安価な腕時計で充分だし、スマホがあれば腕時計
すら必要ないこのご時世に、超高級腕時計がなぜ必然なのか…この本には
作る側、売る側、買う側それぞれからの必然性が明確に書かれています。
 
同様にマジックそのものは生活必需品ではない以上、マジックを提供する
という仕事が本来贅沢な時間を売っているという一つの考えに鑑みれば、
マジックを創る側、演じる側、観る側それぞれに必然性があって然るべき
でしょう。
 
この本は、マジシャンを含めた「ラグジュアリービジネスとして贅沢品を
提供しているという自覚がある人」ならば必読です。
逆にラグジュアリービジネスを否定したり、マジックをボランティアで演
じたり、せっかく苦労して完成させた自身の芸を安価でお気軽に提供する
ことをコンセプトとするマジシャンには、全く必要のない本です。
 
で、この本の価格はというと、腕時計と違ってごく普通に1200円なので、
amazonでお気軽にどうぞ。
 
表紙の帯に書いてある言葉…「妥協=自分に嘘をつくこと」…納得!
 
 

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本の紹介

・ 「頭がよくなる算数マジック&パズル」
        庄司タカヒト著 はやふみ監修 (中公新書ラクレ)
 
先日、都内での仕事の際に、庄司氏本人からプレゼントして頂きました。
最近はリケジョが話題になっているようですが、私の場合、本来文系頭
なのに無理を承知で理系に進んだものですから、受験期の思い出は嫌な
ことばかりで、今でも数学と聞くだけで蕁麻疹が出るくらい、ましてや
物理に至っては吐き気やめまいに襲われるほどです。
そんな「算数マジック食わず嫌い」の私が恐る恐るこの本を読んでみる
と、意外や意外、非常に理解し易く、過去の数理トリックもかなりシン
プルに改良されており、即戦力のマジックやパズルが満載…もちろん、
蕁麻疹は出ませんでした。
 
即戦力と言われれば、覚えたてのマジックはすぐに披露したくなるもの
ですが、何の脈絡もなく唐突に演じると、特に算数マジックの場合は、
ややもすると「段取り通りにやれば誰でもできるんでしょ」と突っ込ま
れがち…そうならないように演者の雰囲気や演出が重要ですね。
せっかく準備したマジックなんだから今すぐ演じたいという衝動をグッ
と抑えて、話の流れの中でそれにふさわしい話題になったら、思い出し
たように演じるのが効果的だし、そういう話題にならなければあえて演
じない…これが潔いですよね。
 
さて、この本の総括ですが、その丁寧な解説やコラムを読めば納得でき
ますが、私のような算数マジックアレルギーの人には…苦い錠剤が糖衣
をまとったように甘く、また算数マジックは胃がもたれるという人には
…おかゆのように優しい…そんな本なのです。
 
 
・ 「銀座ミーティング」 高木久子 (駒草出版)
 
銀座の有名一流クラブ「ベルベ」の高木久子ママによるチームマネジメ
ントの解説本です。
私も十数年多くの銀座のクラブで演じてきたので、銀座というタイトル
に反応して書店でふと手に取りました。
最初は自叙伝か自己啓発本の類いかなと思いながら読み進めると、タイ
トル通り、営業の前後にママがホステスさん達にダメ出しや叱咤激励を
するミーティングの様子やママの人生論が口語調で綴られていました。
プロローグには「銀座の女は、常に美しく、気風よく、インテリジェン
スがあり、そしてエレガントであるべきと思う」とありますが、内容は
というと、せっかくのそのイメージをひっくり返すような強烈さです。
はっきり言えば、いかにして客を引っ張り、気分良く高い飲み代を払わ
せて売り上げを上げるかのノウハウが赤裸々(えげつないくらい)に
書かれており、客の立場で読むと、その生々しさにかなり引いてしまい
ました。
一部を抜粋すると…「男の見栄をくすぐりましょう」、「同伴もしない
でお店でお弁当を食べているのは恥だと思ってください」、「笑顔で接
するのが私達の仕事…お金儲けは我慢代です」といった具合。
昨年末に中洲のクラブでこの本のことを話題にしたら、すでに読んだと
いうホステスさんが二人いて、いずれも「私達には参考になるかもしれ
ないけど、これをお客さんに読まれることには抵抗がある、接客の全て
がこのような考えや動機によってなされていると思われたら仕事がしづ
らい」という感じのことを言ってましたね。
そりゃそうですよね、客は垣間見ることがない(知るべきではない)
楽屋裏のミーティングの内容なんだから。
 
これをマジック本に置き換えたら、いかに自分を「客想いの素晴らしい
マジシャン」に見せかけて、ギャラやチップを巻き上げるかが主な内容
となるのですから、一般書店で売られるとなると、マジシャンの人間像
のイメージダウンとなり、ある意味トリックの暴露本よりもダメージが
ありそうな気がします。
マジック業界ではトリックの解説本は星の数ほどあれど、この本の如く
赤裸々にパフォーマーとしての金儲けの仕方について指南したビジネス
本は、私の知る限り見たことがありません。
何故か?…まずは趣味の延長線上で商売にして「好きなことで食えれば
とりあえず幸せ」という程度のモチベーションのプロが多く、ビジネス
モデルを確立している人がほとんど存在していないこと、そして売れた
マジシャンも成功のいきさつや人生観がそれぞれ違うので、「マジック
の王道」は提示できても最大公約数的な「マジシャンとしての王道」を
上から目線で提示しづらいということでしょう。
それに世間から見たらどうなのか分かりませんが、そもそも「それほど
儲かる業態ではない」イメージだからでしょうね。
 
 
・ 「100万円超えの高級時計を買う男ってバカなの?」
      マチヒロチ作画 広田雅将監修 (シムサム・メディア)
 
表紙の帯には「そうです、バカです、時計バカ。でもバカほど楽しい
人生はない」とありますが、この本(漫画)は日本一高級な時計専門
誌「クロノス」に連載中のもので、内容は極めて真面目なものです。
目次を読んだだけでも…「オーバーホールは高くない!!」、「エナ
メル文字盤はなぜ高い?」、「サファイヤクリスタルってどうやって
作るの?」、「トゥールビヨンって何がエライの?」等、マニアック
な内容で、機械式高級腕時計がなぜ高級なのか、具体的にその魅力を
解説しているのですが…やはり興味の無い人から見ればバカと思われ
ても仕方ありませんな。
 
それはそうと、まもなく危険な祭りがやって来ます。
そう、「世界の腕時計展」(通常春と秋の2回開催)…例年は4月の
開催なのに、今年は消費税アップ前の駆け込み購入を狙って3月開催
ってわけですね。
高額になればなるほど3%アップするだけで相当な差額ですしね。
このイベント、昨秋は3億円の売り上げだったようですから、今回は
それを上回る盛況となるでしょう…ホント景気いいんだなあ。
張り切って行って来ます…そうです、バカなのです!

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続・とんがってる

とんがってる男・北原禎人氏から新書「HUMINT」を献本してもらい
ました。
送付元のスクリプト・マヌーヴァ社の滝沢氏が私へのメールで、これ
までのマジック関連本では扱ってこなかった内容に踏み込み、北原氏
本人をそのまま映したような本です…と紹介されていましたが、まさ
にそんな感じです。
 
ここで注意!…単に何かいいネタが載ってるんなら買おうかなっとい
う軽い気持ちでこの本に齧りつくと、胡桃のような硬い殻に阻まれて、
前歯が数本欠けるかもしれません。
 
読解力が高い人でも何度か読み返さないと理解し難い彼独自の表現や
言い回し、哲学が満載なので初心者向きではありません。
また理解した直後に、自分に当てはめた情景が瞬時に、かつ条件反射
的(梅干しを見たら唾液が出るように)にイメージできるまで脳内筋
力を高めておく必要があります。
 
医学的に例えるならば、この本はオペの術式解説をしている外科学で
はなく、あえて言えば病理学、生理学、精神医学に近く、さらに神経
や血管の走行を始めとする解剖学を熟知した上で読み進まないと、お
そらくちんぷんかんぷんになることでしょう。
税抜きで6200円の本ですから、初心者はお手軽なグッズやDVDでも
購入することをお薦めします。
 
内容は、過去の書籍で発表した作品に補足的に加えた考察や、近年の
マジックブームについて実名を挙げての考察、失敗した際のリスクマ
ネージメント、そしてプロマジシャンとしてのあるべきスタンス等、
多岐に渡ります。
 
その文章や表現、考え方には賛否両論あることでしょう。
私が気に入った一部を抜粋してみると…
 
・ 夢を与えたいだとか、他人を幸せにしたいなどというのは演技を
  するのであれば演技に埋め込めばいいものであって、埋め込めな
  い者が口で言って補足する為のものではない。口にすれば演技者
  としては蛇足でしかないのだ。夢を与えたければ与えればいい、
  他人を幸せにしたければすればいい。何か違うだろうか。
  何故それを叫び続けなければならない状態を健常としてしまえる
  のかと言えば、演技がクルクルパアなのである。
 
・ Derren Brown を見て、彼のアプローチを表面的に捉えて憧れ、
  彼の他人の体験へのアプローチをDB本人がそうではないと断じて
  いる「コントロール」という言葉で誤解しながら真似事をしている
  連中は、ただ「能力」というものの響きにシビれているのだ…
  (中略)劣化コピーが生産される根源に常にあるのは、オリジナル
  の表面だけを対象に採用する処にある。
 
・ 変な集まりに何かのおこぼれを期待して顔を出すのではなく、自分
  がダメだと思った社会には背を向けて安易に馴染まなければ、貴方
  は健康でいられるだろう。
 
まだまだ紹介したい一文があるのですが、これから読む人のことを考慮
して、ここまでにしておきましょう。(因みに私の事は、辛口の機関銃
と表現しています…まっいいか)
 
このような内容の本を29歳の人間が出版すれば風当たりが強いであろう
ことは容易に想像できますが、アスリート(サッカーの本田とか)に置
き換えれば、この世代がとんがっていても私は何の違和感も感じません。
(実力も仕事も無い年長者の非難や愚痴は傾聴に値しないので、自分の
経験上無視するに限ります)
 
確かにその表現は時に過激で辛辣(お前が言うなって?)なので、万人
に受け入れられるのは難しいかもしれませんが、彼には絶対的な強みが
あります…それは正直であること。
自らの思考を正直に吐露すれば、何も恐れるものは無いはずです。
 
どうしようもない悪人が、感謝感謝と卑屈な笑顔で揉み手をしながら
善人ぶったり、低レベルの仲良し互助会的な組織や新興宗教的グループ
に自分の意志で出入りしておきながら、陰では愚痴をこぼす輩が多い中
で、正直であることは強固なステータスを構築する上では必要十分条件
でしょう。
 
この本を読み終えた時に、北原という男が誤解されなきゃいいなと心配
しましたが、どうやらそれは杞憂でしょう。
なぜなら彼は確信犯的にこの本を世の中に投下しているし、この本を読
んだ人間が今後初めて彼に遭遇することがあれば、すでにどんな考え方
をしている男なのかを理解した上でのことなので、そこに誤解が生じる
ことは起こり得ないでしょう。
 
そう考えると、この本は彼の「名刺」…いや、とんがってる北原という
マジシャンの「取り扱い説明書」なのかもしれません。

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本の紹介

飛行機移動が多いせいか、必然的に読書量が増えています。
置き場に困るので基本的には読んだら捨てる派なのですが、最近読んだ
本の中で、本棚に残して何度も読み返したい3冊を紹介します。


「生命の未来を変えた男 山中伸弥 IPS細胞革命」
            NHKスペシャル取材班 編著 文藝春秋 刊

京都大学の山中教授の研究によって、いまやメディアにその言葉が登場
しない日はないほど注目されている「人工多能性幹細胞」について、
決して平坦ではなかった道のりと共に詳しく解説されている本です。
最もノーベル賞に近いと云われる山中教授がなぜ医者を目指したのか、
そして整形外科医になったものの、不器用であまりの手術の下手さに
病院内で「ジャマ中」と揶揄され挫折した等の意外なエピソードも盛り
込まれています。
またNHK「クローズアップ現代」キャスターの国谷裕子氏、「知の巨人」
ことジャーナリストの立花隆氏との対談も大変興味深い内容です。
私自身が勉強している美容・再生医療分野でも、幹細胞を用いた治療が
脚光を浴びています。
この分野の研究内容が本格的に実用化されたら、それはまさにリアルな
マジックそのものです。


「腕時計のこだわり」 並木浩一 著 ソフトバンク新書

世界のメジャーブランドの紹介や、SEIKOによる正確で安価なクオーツ
式時計の攻勢で、一時期は絶滅しかけたスイスの機械式時計が、手間が
かかって高価にもかかわらず、なぜ復興して世界的なブームに至ったの
かという歴史的考察等、対象は腕時計初心者からムーブメントに詳しい
マニアまであまねく網羅しています。(クオーツ式マジシャンと機械式
マジシャンに置き換えて読むとまた面白い)
また私がなぜ腕時計にシンパシーを抱くのか、他人に上手く説明出来ず
にモヤモヤしていたものが実に的確に表現されており「あー、そうそう
これなんだよ」って感じでスッキリしました。


「ウケる手品」 ゆうきとも 著 ちくま新書

著者は改めて紹介するまでもない「日本マジック界の知の巨人」ゆうき
とも氏です。
マジックに詳しい方がこの本をなにげにパラパラと見ただけならば、おそ
らくただの入門書かと思うことでしょう。
ゆるいタイトル(本人は不本意だそうですが…)とは裏腹に著者の意図
を汲み取れば、そこに紹介されているトリックという武器が決して木刀
ではなく、切れ味鋭い日本刀であることを再認識するはずです。
これまでの入門書との最大の相違点は、単に日本刀(トリック)を羅列
するだけではなく、その危険な刃物の特徴、用途、安全な取り扱い方や
効果的なぶった切り方の解説に重心を置いている点でしょう。
長年マジックをやっている人ほど、殺傷能力のある武器の危険性を忘れて
ややもすると玩具のように扱いがちです。
その強力な武器を扱う立場であるマジシャンならば、プロ・アマ問わず
必読の一冊です。


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