文化か 虐待か
5月27日に放送されたNHKクローズアップ現代…テーマは、動物を扱う伝統
行事が全国で刑事告発されているという内容でした。
告発しているのは、動物や自然環境保護を訴えている団体です。
団体によると「命の尊厳に関わる問題で、動物虐待でしかない」とのこと。
告発されているのは北海道の「ばんえい競馬」、青森や岩手の「馬力大会」、宮城の
「ばん馬大会」、三重の「上げ馬神事」、熊本の「神幸行列」、沖縄の「アヒル取り競争」
など。
岩手県遠野の「馬力大会」は馬に大量の錘を引かせ、手綱捌きや馬の力を競わせる
というものですが、馬を殴打するなどの虐待行為が動物愛護法に違反の疑いが
あるとして、市長を始め、大会関係者10人以上が刑事告発されて、今年は中止
に追い込まれています。
ちなみに中央競馬(JRA)の取り組みとしては、ムチの連続使用は5回までとして、
獣医師を複数人配置しているとか。
この潮流は日本だけに留まらず、世界でも様々な行事や祭りが論争になっています。
アメリカの「ロデオ」、メキシコやスペインの「闘牛」、トルコの「ラクダ相撲」、インドの
「牛追いまつり」、ネパールの「ガディマイ祭り(生贄)」、イギリスの「障害物競馬」など。
今年3月メキシコシティーでは「暴力のない闘牛」の実現に向けての条例が可決され
ました。
これは牛を傷つけないことはもちろん、闘牛士の安全のために角を保護して、格闘
時間も15分以内とすること。
500年の伝統があるとは言え、大観衆の眼前で牛をジワジワと傷つけながら殺傷
するのは残酷過ぎますからね。
元々メキシコ国民の72%が闘牛自体に反対をしているものの、貴重な観光資源と
して闘牛で食べている人も多く、すぐに廃止することも難しいようです。
廃止ではなく改革するしかないのでしょう。
妥協とは負けではなく前進することでもありますからね。
まあ「文化」という大義名分がある歴史的伝統行事であればこそ、その存続の是非
について談論風発がなされるのであって、近代の「エンタメ」としてショーで動物を
使うことは益々肩身が狭くなるであろうことは想像に難くありません。
マジックショーで使う鳩は?、イルカやアシカのショーは?、多くの動物が登場
するサーカスは?、猿回しは?…
エンタメに登場する動物はあくまでも「パートナー」であって、ショーは「虐待」ではなく
「調教」による信頼関係で成立しているのですが、そのようには見てくれない世の中
になりつつあるのでしょう。(調教することを虐待と定義すれば身も蓋もありません)
過去何度も当コラムに書きましたが、私がバードマジックをフェードアウトして
きたのは自身や鳥達の老化だけではなく、それを取り巻く社会の視線を鑑みれば、
必然だったのでしょうね。
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