ブランドから考える勝ち組
世間で認識されている高級ブランドは、多少の景気変動に左右されることが
無い、所謂「勝ち組」と思われがちですが、2025年1~6月期決算を確認すると、
実はその中でも「勝ち組」と「負け組」に別れているらしいのです。
最初に結論を書いておきます。
勝ち組…エルメス、プラダ
負け組…LVMH(ルイヴィトン、ディオール、フェンデイ等)
ケリング(グッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ等)
世界規模で展開する高級ブランドの収支決算においては、中国の景気低迷や
アメリカの関税強化などの消費者が財布の紐を締める逆境下での「値上げ戦略」
が明暗を分けたようです。
その値上げによって明暗を分けた理由は、ブランドとしての「底力」、つまり
「本来の顧客層の違い」にあるようです…つまり、最初から抱えている顧客の
レベルが違っていたってことです。
例えばエルメス…職人が手作業で製作し、価格が100万円以上のバッグ「バーキン」
が代表するように、ターゲットは明確に富裕層です。
しかも販路や生産量も厳格に管理して希少性を持たせて所有欲をくすぐり、
多少の値上げでは購買意欲に影響しない層に照準を合わせてきたのです。
一方、ブランドのコングロマリット(複業企業)であるLVMHやケリングは、
高級品に憧れる中所得者層がちょっと背伸びをすれば手が届く商品を多く展開
しています。(そう言えば、近所のスーパーでは、一点豪華主義なのか、昔買った
であろうボロボロのヴィトンの財布を手に、少しでも安い食品を血眼で探す主婦
を見かけますが、エルメスの財布の主婦は見かけません)
ヴィトンやグッチを「ゴール」や「あがり」とするこの層は価格に敏感で、商品が
値上げされると買い控えしやすいのです。
クルマでも一般的な高級車が値上げされると売れ行きは落ちますが、価格帯が
数千万円の超高級車の売れ行きは右肩上がりで、高級腕時計業界でも同様です。
セット料金5000円のスナックが7000円に値上げすれば客足は遠のくでしょうが、
セット料金3万円の高級クラブが4万円に値上げしたところで客足に大した影響
はないでしょう。
いや、こういう店の客は値上げされたことすら気付かないでしょう。
まあ、置き換えるのは難しいですが、マジシャンを含めたエンタメも、ギャラ
を上げても離れることがないクライアントを多く抱えることが成功への一つの
道であることは間違いありません。
その道を辿ることがイコール「勝ち組」とは限りませんが、多くの太客を抱えて
いる人は、また誰かにとっての太客であり、経済は一定の層の中でグルグルと
回っているわけです。
物欲しそうな眼差しで、上を見上げてトリクルダウンを待っているようでは、
人生は変わらないのです。
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