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ターゲットを定める 1

2024年11月16日に「相応しい現場を選ぶ」というタイトルのコラムを書きました…
あるマジックがウケるためには、それに相応しい現場で演じることが肝要である
という内容でした。
このコラムはアクセス数も多く、現役でプロ活動をしているマジシャンからも
一定の賛同を得たようです。
もちろん例外もあります…パフォーマーがメジャーであれば、現場がホテルで
あろうが、ホールであろうが、ショッピングモールであろうが、その知名度と
求心力でどんな演目でも観客の集中力や理解力を増幅させてウケることは可能
だということです。(言うなれば力業もできるということですね)

今回は「ターゲットを定める」として自身が最も見せたい演目で評価を得たければ、
それに相応しいターゲットを選ぶことが重要だとする考察です。
一定の経験値があるマジシャンならば、「この客にはこの演目」「今夜のパーティーなら
この演出」という具合に本能的にそれを理解し実行しているはずです。

まず理解しておかなければならないのは、先に述べたように、メジャーならその
知名度で集客できるので、最大公約数的な演目でどんな場所や客層でも通用する
のですが、そうでなければ、ある程度は自分がどんなタイプでどんなターゲット
に相応しいマジシャンであるかを自覚する必要があるのです。

夜職で酒席にどっぷりと浸かったマジシャンの中には、素面の客に酔客と同様の
馴れ馴れしい接客をしたり、場違いな下ネタでドン引きさせたり、嫌がる女性客の
心情を度外視して薄汚れたスポンジボールを握らせたり、昭和の駄洒落を連発
して客が苦笑いするしかない場面等を多く目撃して来ました。(もちろん私も数多の
失敗をやらかしています)
現在ではコンプライアンスでアウトなものも多いのですが、それぞれの演目が
ダメなわけではなく(不潔は論外です)、これらの事象はその武器がターゲットに
刺さらなかった…と言うよりも、そもそも定めたターゲットが間違っていたと
いうことです。

またテレビ番組においては、どんなに寒いマジシャンでもそのターゲットである
ゲストタレントが気を遣って大げさに盛り上げてくれる傾向があることから(それが
タレントの仕事ですからね)、テレビ慣れしていないマジシャンは本気でウケている
と勘違いすることもあるでしょう。

まずは生活していくことが最優先で、どんな客層でもどんな現場でも引き受け
ざる得ないという現実もあるとは思いますが、一度立ち止まって、自分という
マジシャンはどんな主戦場に相応しいマジシャンなのか、どんな客層や現場を
ターゲットとするべきなのかを見つめ直す時間は必要だと思います。
自己分析の後、所謂正統派スタイルのマジシャンには向いていないことを自覚
したのか、潔く燕尾服を脱いで、園児をターゲットにしたパフォーマーに鞍替え
して成功した人も知っています。

自分にとって生きやすい生態系…魚に例えるなら、せめて自分が海水魚なのか
淡水魚なのかくらいは自己診断しておいた方がよろしいかと…

次回2へ続く…

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