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2025年9月

シン 「プロ・アマ論」

現在の私自身が二刀流、時には三刀流で働いていることもあって、改めてプロ
マジシャンとアマチュアの違いとは何なのかと考えることが増えました。

そこで14年も前に当コラムで3回に渡って書いた「プロ・アマ論」を読み返した
ところ、まあ当時は若い分、かなり尖った書き方をしているものの、基本的な
考え方は現在とほとんど変わっていませんでした。

興味のある方はバックナンバーからどうぞ。
「プロ・アマ論」 (2011年5月6日)
「プロ・アマ論 2」 (2011年10月15日)
「プロ・アマ論 3」 (2012年7月10日)

遠い昔、私が大学病院を辞してプロマジシャンとして活動を始めた矢先に感じ
たのは、マジシャンという職業が市井においては、まともな仕事として認知
されていないということでした。
プロ活動のために大学病院を辞めたと告げると「わあ、勿体ない」と言う人が
ほとんどでしたが、大学病院の勤務医の収入など知れたもので、マジシャンに
転職した方が遥かに稼げるという自信と確信を持っていたし、実際にその通り
になりました。
活躍の幅が広がるにつれて、口さがない一部のマジシャンは「どうせ医者で稼い
でいるに違いない」と陰口を叩いていましたが…。
また「マジックをやってます」と言うと「良い趣味をお持ちですねえ」…「いや、
収入源がマジックなのです」と言うと「え、マジックで食えるんですか?!」等
のやりとりは日常茶飯事でした。
それもこれも資格不要の職業であることに起因しているという結論に落ち着き
がちなのですが、
お笑い芸人も歌手も資格不要であることに鑑みれば、やはり
マジックというのは、芸能の中でもマイナーで、れっきとした職業としてすん
なりと認知させるのは難しい方だと言えるでしょう。

アマチュアの場合は履歴書の「趣味欄」にマジックと書き、プロならば「職業欄」
にマジシャンと書くはずです。
ところが、クレジットカードやパスポートの申請や重要書類の職業欄に堂々と
「マジシャン」とか「奇術師」と書くプロはほとんどいません。
いざとなると何か引け目でもあるのか、手続きを万事支障無く運ぶためなのか、
多くは「自営業」とか「飲食店経営」などと書いてお茶を濁しているのが現実です。

そのくせ、古い考えに拘泥している「自称プロマジシャン」の中には、マジック
関連以外の収入がある人を断固として「純粋なプロ」として認めたがらず、あえて
差別化して「セミプロ」とか「パートタイムプロ」と呼ぶ人もいます。
若手お笑い芸人の多くは芸能では食えないために、収入のほとんどはお笑い
とは関係のないバイト頼みのはずですが、それでは彼らのこともプロではない
と言い切っていいのでしょうか。

著名な画家、フィンセント・ファン・ゴッホの場合はどうだったのか…ゴッホは
死ぬまで絵を描き続けたのですが、その生涯で売れた絵はたったの1点だけ
でした。
自らの作品ではまともに稼げなかったわけで、それをあえて職業と言っていい
のかどうか?
では絵を描くことは、彼にとっては好きでやっているだけの趣味だったのか?
「我こそが本物のプロだ!」と自認する方々に問うてみたいものです。

結局、世間がマジシャンを見る目の多くは「趣味以上、職業未満の仕事」ということ
でしょう。

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雑感 その40

・ この秋はアストンとマクラーレンの合同ツーリング…残念ながら不参加
・ 昨今の大雨に竜巻…せめて移動先で遭遇しないことを願うばかり
・ Netflixで観た「最悪の選択」…確かに最悪の選択をしたもんだ…憂鬱
・ 頻回に代わる総理の名は忘れても就任を断った伊東正義は覚えている
・ 中2日で夜のクラブ活動をしたらさすがに疲れた…財布の充電も必須
・ 休日はボーっと過ごすより知識のインプットに使った方が疲れない
・ そもそもアウトプットのためのインプットでなければ意味は無い
・ 自分はメールの返信は早いと思う…遅い時は移動中か、あえての無視
・ デュポン×フランクのライター時計…100万超えかと思ったら1千万超え
・ フランクの新作トートバッグ…ある限定時計のノベルティだった…残念
・ タンス預金が減少とか…金利の上昇と強盗のリスクを考えると当然
・ エンゲル係数が歴史的高水準…これだけ食品の値上げが続けば当然
・ 民放各社がBS4K撤退を検討…コスト高騰で費用対効果を考えると当然
・ JAL機長の飲酒禁止令破り…JAL派の身としては不信感が募る
・ 機内で通路側に座る人の肩に荷物をぶつけながら進むガサツな人がいる
・ 抱っこされた子供のズックが肩に当たると最悪…親は注意を払うべし
・ 機内で靴を脱いだおじさんの足から香ばしい臭いが漂うと生き地獄
・ 羽田空港のラウンジで食す崎陽軒のシウマイ弁当もなかなか美味い
・ 「成功の反対語はやらないこと」か…なかなか説得力あるなあ
・ 孤独になれない人は精神的にも経済的にも安定していない
・ ベースの価値観が違う人の相談を受けても答えを見出せる訳が無い
・ 自身の考えが正しいなどとエコーチェンバー現象で補強された人は厄介
・ デキる人って仕事でもプライベートでも常に声がかかり続けるもの
・ 他人に刺激を与える立場の人は自身の毒の濃度を把握しておくべき
・ 不愉快な人と距離を置けば脳内オキシトシンが分泌されて幸福度は増す
・ 遠目には美しい山も近づけばゴミだらけ…人にもそのまま当てはまる
・ 贈られてきた冷蔵の生鮮品は置き配にできないから受け取りに難儀する
・ 師匠ホッピングをする輩からの「下心てんこ盛り」の贈り物は不愉快
・ 「只者ではない雰囲気を纏った常識人」がマジシャンの理想像
・ 「面倒臭いジジイだなあ」と思われないのがマジシャンの晩年の理想像

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雑感 その39

・ ジョルジオ・アルマーニ逝去か…思い出深い服は大切に着続けよう
・ 大雨の日に雨漏り発生…屋根の断熱防水シートの保証期間内で一安心
・ 平屋にも憧れるけど、大規模水害の際には垂直避難ができないよなあ
・ 暑さで食欲と行動量が減って猛暑フレイルになりがちだから要注意
・ 日頃の日焼けには気を付けているが、中洲のネオン焼けには油断しがち
・ ホント「人間万事塞翁が馬」だと感じることが多くなった
・ 「幸せを追求することが不幸の原因」と言う哲学者もいるなあ
・ 人は生きてきたように死んでいくし、生きてきたようにしか死ねない
・ 「人生は冥土までの暇潰し」と思えば好きなことを優先できる
・ 思い出を沢山持っている人が勝ち組…お金は思い出作りに使うべし
・ 働き続けるアリよりも遊びすぎて餓死するキリギリスの方が幸せなのかも
・ 人生における最大の普遍性は「今が一番若い」だよね
・ 人生100年時代であれば余計に二刀流や三刀流で生きないと飽きるでしょ
・ 人生100年時代であればこそ、一つの職業に拘泥するのは危険過ぎる
・ 「安定=退屈」「不安定=刺激的」…どちらも求めてしまう矛盾
・ 「こうなりたい」「あれをやりたい」が次々に叶う人生は間違いなく楽しい
・ やりたいことって探しても見つからない…出会うしかない
・ 自身にとって都合の良い天職なんてそうそうあるものではない
・ 天職っていきなり見つかるものではなく次第に天職になっていくもの
・ いきなり「マジックが天職」という安直な考え方はしない方がいい
・ 他人の夢や欲望を自分の夢や欲望と勘違いする人は行動を起こさない
・ コラム「やりがい搾取」を読んでの賛同者は多かったなあ
・ トップアスリートの「お金じゃない、やりがいなんだ」という説得力よ
・ 逆に稼げない者も「お金じゃない、やりがいなんだ」って言うなあ
・ やりがいだけに拘泥せずに数十年後の自分の姿を想像した方がいい
・ 近い将来、マジックは「ブルシット・ジョブ」の一つになる可能性は大
・ 自主公演やリサイタルはやらない…そもそも必要性を感じたことがない
・ 自ら売り込まない、安売りはしない…幸い出演依頼が途切れることはない
・ 火や動物は使わない、イリュージョンもやらない…幸い出し物に困らない
・ LINEはやらない、交通系ICカードも持たない…幸い生活上不便を感じない

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ブランドから考える勝ち組

世間で認識されている高級ブランドは、多少の景気変動に左右されることが
無い、所謂「勝ち組」と思われがちですが、2025年1~6月期決算を確認すると、
実はその中でも「勝ち組」と「負け組」に別れているらしいのです。
最初に結論を書いておきます。

勝ち組…エルメス、プラダ

負け組…LVMH(ルイヴィトン、ディオール、フェンデイ等)
      ケリング(グッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ等)

世界規模で展開する高級ブランドの収支決算においては、中国の景気低迷や
アメリカの関税強化などの消費者が財布の紐を締める逆境下での「値上げ戦略」
が明暗を分けたようです。
その値上げによって明暗を分けた理由は、ブランドとしての「底力」、つまり
「本来の顧客層の違い」にあるようです…つまり、最初から抱えている顧客の
レベルが違っていたってことです。

例えばエルメス…職人が手作業で製作し、価格が100万円以上のバッグ「バーキン」
が代表するように、ターゲットは明確に富裕層です。
しかも販路や生産量も厳格に管理して希少性を持たせて所有欲をくすぐり、
多少の値上げでは購買意欲に影響しない層に照準を合わせてきたのです。

一方、ブランドのコングロマリット(複業企業)であるLVMHやケリングは、
高級品に憧れる中所得者層がちょっと背伸びをすれば手が届く商品を多く展開
しています。(そう言えば、近所のスーパーでは、一点豪華主義なのか、昔買った
であろうボロボロのヴィトンの財布を手に、少しでも安い食品を血眼で探す主婦
を見かけますが、エルメスの財布の主婦は見かけません)
ヴィトンやグッチを「ゴール」や「あがり」とするこの層は価格に敏感で、商品が
値上げされると買い控えしやすいのです。

クルマでも一般的な高級車が値上げされると売れ行きは落ちますが、価格帯が
数千万円の超高級車の売れ行きは右肩上がりで、高級腕時計業界でも同様です。

セット料金5000円のスナックが7000円に値上げすれば客足は遠のくでしょうが、
セット料金
3万円の高級クラブが4万円に値上げしたところで客足に大した影響
はないでしょう。
いや、こういう店の客は値上げされたことすら気付かないでしょう。

まあ、置き換えるのは難しいですが、マジシャンを含めたエンタメも、ギャラ
を上げても離れることがないクライアントを多く抱えることが成功への一つの
道であることは間違いありません。
その道を辿ることがイコール「勝ち組」とは限りませんが、多くの太客を抱えて
いる人は、また誰かにとっての太客であり、経済は一定の層の中でグルグルと
回っているわけです。

物欲しそうな眼差しで、上を見上げてトリクルダウンを待っているようでは、
人生は変わらないのです。



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