変化を恐れない 2
自ら変化しようとする場合もあれば、変化を望んでいなくても変化せざるを
得ない状況もあるわけで、いずれの場合でも「備えあれば憂いなし」…新しい
環境に適応するには周到な準備と覚悟が必要であることは論を俟ちません。
その後の生活のクオリティは助走で決まると言ってもいいでしょう。
「昔取った杵柄」…餅つきの技になぞらえて、若い時に身につけた技術は年齢を
重ねても通用するという意味です。
一定のキャリアのあるベテランマジシャンならば、現在仕事で駆使している
テクニックの多くが若い頃に身につけたものであることを自覚しているはず
です。
一般的には、このことわざ通り、人生の後半戦に経験の技が活かせる場面も
あるに違いありません。
しかし現代社会においては、しばしば自分の杵柄(スキル)を駆使しても全く
役に立たないという事態が生じます。
わざわざ餅をつかなくても美味しい切り餅が売られているし、近い将来には
誰も餅を食べなくなる時代が来るかもしれません。
全てが自動運転の時代になったら、二種免許はおろか普通免許を持つメリット
すら無くなって、免許証は単なる身分証明書になるのかもしれません。
ただマジックに関しては、その醍醐味は、やはり長年の修練によって身に付く
アナログ的なテクニックにあるのであって、科学技術の発達によって生まれた
最新のデバイスやスマホのアプリを使ったマジックは、総じて一時的に流行る
だけですぐに陳腐化し、そこに拘泥しても永遠に演じ続けられるものではあり
ません。
観客も一応は驚きはするものの、心のどこかでは「このマジシャンは他力本願の
マジックをやっている」と感じているに違いありません。
観客はタネは見破れなくても、そのマジシャンが醸し出すアナログの「凄味」は
敏感に感じ取ります。
先日、20代のホッピングマジシャンのマジックを見る機会が何度かありました
が、やはり横並びで似たり寄ったりの演目が多く、レパートリーのストックの
少なさが垣間見えました。
そこそこ食べていけるからこれでいいのだ…というワンパターンで抑揚の無い
生き方をしていても面白くないはずです。
できれば毎回出演記録ノートを書き留めて、変化を恐れずにアップデートする
ことが肝要です。
参照:2009年12月27日のコラム「出演記録ノート」…コチラ
還暦を過ぎた私でさえ「あなた自身が最高の演技と思うのはいつ、どこのステージ
でしたか?」という質問をされたなら、こう答えるようにしています…「たぶん次の
ステージ」
次回3に続く…
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