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2025年1月

重たい一冊

透析…腎不全などの疾患で腎臓の機能が著しく低下したり廃絶した患者の身体
から、過剰な水分や毒素などの老廃物を取り除いて、血液を浄化する治療です。
(現在日本での透析患者は約35万人とされています)
通常一日おきに4時間程度の治療ですから、水分制限はもちろんかなりの行動
制限によってQOLは著しく低下します。(旅行する際は、旅先で透析を受けられ
る医療機関を確保しなければなりません)
この透析のおかげで、多くの腎不全患者が命を長らえることができるように
なったわけですが、治療とはいえ腎臓が再生することはなく、腎臓移植をし
ない限り透析は一生続くのです。
もし透析を止めれば、数日から数週間で死に至ってしまいます。

ここで一冊の本を紹介します…

「透析を止めた日」 堀川恵子 著 (講談社)

これは12年にも及ぶ透析の後に腎臓移植をして透析の鎖から解き放たれた9年、
そして移植した腎臓が寿命で尽き果てると同時に、再び透析に戻って1年余で
旅立った夫と、二人三脚で闘った妻が書き下ろした本です。

私は一般人よりは医学知識があるせいか興味本意で読み進めたところ、透析
患者がどのような最期を迎えるのかを詳しく知って衝撃を受けました。
(正直ここまでは知らなかったというか、知ろうとしなかった部分もあります)
透析医療は入り口の間口は広いので、始めることを決断すれば容易に受ける
ことが可能です。
しかし透析を止めるという選択肢の先には、まともな出口が用意されていない
ことが問題なのです。(4車線の入り口から入ったものの、出口は歩くことさえ難
しい畦道のように細いのです)
透析の中止によって引き起こされる症状は、尿毒症をはじめとして多岐に渡り、
体内の水分を除去できないことによる苦痛は「溺れるような苦しみ」とも言われ、
筆舌に尽くし難い苦しみを伴うそうです。

では最期はホスピスに入って、できるだけ痛みや苦しみを取り除いてもらう
「緩和ケア」を受ければいいのでは…と思ったところ、実は日本の緩和ケアの対象
は保健診療上「がん患者」に限定されているのです。
(専門外とはいえ、恥ずかしながら私はこの事実を知りませんでした)
 WHO(世界保健機関)は、病の種類を問わず、終末期のあらゆる患者に緩和ケア
を受ける権利を説いていますが、残念ながら日本ではそうなっていないのが現実
です。
ある意味「がんで死ねるのは幸せだ」と言われる所以ですね。

先日の深夜番組で、自身も透析治療をしているというお笑い芸人のハチミツ二郎
さんが闘病生活について赤裸々に語っていました。
「海外での腎臓移植には3500万かかるが、円安で5000万になっている」
「移植のドナーは16年待ちの状態だが、透析患者の平均余命は16年」
「透析は一日おきだから一話完結の時代劇を観ている。連続ドラマは不可」

お笑い芸人だけに明るく語って笑いを誘っていましたが、この本を読了した直後
の番組だっただけに、その表情の裏側にある悲壮感や焦燥感はヒシヒシと伝わっ
て来ました。

一日も早く末期の透析患者が保険診療で緩和ケアを受けられる時代となることを
願うばかりです。

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雑感 その24

・ 普段から綺麗にしておけば大掃除なんてしなくて済むのになあ
・ リビングの吹き抜けの網戸掃除でハシゴに登るのが怖くなる年齢
・ やっぱり紅白よりも年忘れ日本の歌の方がしっくりくる年齢
・ 油断するとすぐに正月太りしてしまう年齢
・ この時期、ヒートショックに気をつけなきゃならない年齢
・ 風呂の設定温度を1℃上げるだけでかなり熱く感じる年齢
・ 休み続きで部屋着で過ごすと体幹が緩みがち…ちゃんと着替えよう
・ 元旦に歯ブラシとT字剃刀の刃を新調すると気分はスッキリ
・ 寒いけど洗車をすると良い運動になって気分も晴れ晴れ
・ やはり純水器は凄い…洗車後の水滴が乾いても水垢として残らない
・ 年末年始は田宮二郎版「白い巨塔」全話を一気に観た…凄い俳優陣
・ 動物たちを見ていると大晦日も正月も関係ないんだなと改めて思う
・ 昨年下半期に読んだ本のレビューが書けずじまいだったなあ
・ 年末は海外で航空機事故続き…搭乗機会が多いからゾッとする
・ 1985年JAL123便墜落事件…実は撃墜されたとする陰謀論の本が喧しい
・ そう言えばJAL123便墜落のニュースを知った時はアメリカにいた
・ 隣国の果てしない政争…あそこは歴史的に「恨」の国だから仕方ない
・ 医師の偏在問題…勤務地や診療分野を制限する施策が弱いので仕方ない
・ 歯科医師数が減少傾向…歯科医院がコンビニより増えたなら仕方ない
・ 賃貸物件を契約できない単身高齢者…緊急連絡先がなければ仕方ない
・ 仕方ないばかり言ってても仕方ない
・ コラボブーツ…履き心地は良いけど保安検査場での脱着が大変そう
・ どんなに高価な靴でも履き心地が悪かったり痛いと履かなくなる
・ どんなに好きなマジックでも時代やコンプライアンスで演れなくなる
・ どんな名作マジックでも演じるマジシャン次第で一瞬でゴミになる
・ 凡庸なマジックでも盛り上げるゲストタレントの姿勢はプロだと思う
・ それまで興味なかったマジックでも一旦ウケると好きになってしまう
・ 苦手なマジックは色々あるが得意なマジックは自分ではよく解らない
・ 観客からリクエストされる演目が自身の代表芸なのかも知れない
・ 昔の映像で確信した…自身最も下手くそなマジックはフラワーリング

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2025年 始動

2025年、明けましておめでとうございます。

昨年は元旦にコラムをアップした直後に能登の震災、翌日には羽田空港での
JAL機と海保機の
衝突事故と相次いで、この一年はどうなることやらと懸念
していましたが、個人的には充実した2024年であったことは前回のコラムに
書きました。

今年も混沌とした世界情勢の行く末が心配ですが、穏やかな一年となること
を願っております。

個人的な予定としては昨年のような外構工事等の大きなイベントは現時点で
はありません。(昨年の外構工事も3月に突発的に思いついたので、先のことは
分かりませんが…)
まあ昨年も年齢の割にはよく働いて久しぶりの腰痛が再発するなどしたので、
身体のオーバーホールも必要かと思っていたところ、幸いにも12月中旬~1月
下旬までの40日間は出張で動くことはないので福岡でゆっくり過ごしています。
この間に愛車を走らせたり洗車をしたり、録画しておいた番組を一気に観たり、
読書をしたり、ウォーキングをしたりと、平穏でまったりとした日常です。

ただ今月下旬から再び多忙な日々が始まるので、飲んだ翌日でも早起きの習慣
は維持しております。

マジックビジネスに関してはスキミング戦略を続けて「不思議でゴージャスで爆笑
できるショー」をコンセプトに、それに相応しい現場と客層に向けてエネルギー
を傾注していく所存です。

今月下旬には銀座に出没しますし、今年は久しぶりに新緑の季節の北海道での
出演が決まるかも知れません。
できれば今回も共演したい後輩を指名してお願いしようかなと画策しています。

そんなこんなで今年も宜しくお願いします!

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