舐められるんだよなあ
少し前の記事です…帰国したパリ五輪のメダリスト一行が首相官邸を表敬訪問
して岸田首相と対面した際に、室伏スポーツ庁長官がブレイキンの初代女王に
輝いたAMI選手に対して「即興が得意ということであれば、ちょっと場を和ますと
いうか(披露するのは)いかがでしょうか」と、その場でダンスを披露することを
促した…。
首相の前でもあり、命令とまではいかないまでもスポーツ庁長官からの依頼に
AMI選手はさぞかし困惑したかと思われたが「すみません…拍手をいただいて恐縮
なんですけど、スーツでは踊れないのでまた機会があれば…すみません…お願い
致します」と断ったとのこと。
この室伏長官の無茶振りに、SNSでは「金メダリストに対してリスペクトがない」
「宴会で上司が部下に一発芸を要求しているみたいでパワハラだ」「ハンマー投げて
みろと言われたらやるのか」等々、非難轟々で炎上したようです。
別に庇うわけではありませんが、室伏長官は内心を察するに、「こんなの競技
じゃなくて遊びだろ、ちょっと踊ってこの場を盛り上げろよ」…てな感じで、
「舐めていた」というのが想像に難くありません。
確かに炎上して当然の事象なのですが、まあ大きな声では言えませんが(小さな
声では聞こえませんので)、昭和生まれの私から見ても、なんで個人が遊びで
やってるようなことが正式な種目になったのだと思う競技が散見されるわけで
…おまけに何故AMIなんて芸名のような名前で登録できるのだろうと思ったりも
するわけで…。(ブレイキンは次回ロス五輪では行われないとのこと)
翻ってマジシャンの場合…こんな扱いは日常茶飯事で、炎上なんて有り得ない
んですよ。
対談番組やクイズ番組で歌手が歌うことを求められなくても、マジシャンであ
れば必ずひとネタやらされるのがお約束ですからね。
爪痕を残すためには当人がオイシイ場合もあるし、ネタを披露しないとアイデ
ンティティが保てないということもあるでしょう。
私も若い頃は目上の人(マジシャンではない)と行動した際には、行く先々で
「ちょっと見せてあげてよ」と無茶振りされることはしょっちゅうで、やれば
やったでその人が「な、面白かっただろ?」と見た客に恩を売ることもあったし、
単なる宴会の出席者のつもりだったのに、突然マジシャンとして紹介されて
「はい、拍手~」と、まるで罠に嵌められたようなこともありましたね。
ここを読んでいるマジシャンの方々であれば、まさに「マジシャンあるある」で
一晩中盛り上がるほどのテーマではないでしょうか?
もうこんなことは自分には降りかからないだろうと思っていたら、つい最近あり
ました。
コロナ以前は個人的に利用していた有名な高級レストランからメッセージが…
「この度25周年のイベントを開催するにあたってZUMAさんを無料で招待します
ので最高の料理を堪能してください…で、お願いと言ってはなんですが、少し
だけマジックをやっていただければ…」
やるわけねーじゃん…やっぱ舐められるんだよなあ。
| 固定リンク
最近のコメント