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持ち家派? 賃貸派? 2

前回からの続きです…

前回は「持ち家」と「賃貸」それぞれのメリットとデメリットについて書きまし
たが、今回はマジシャンとしての私が「持ち家派」である理由を吐露します。

高校卒業後2浪した後の1983年、大学入学を機に福岡に住み始めてすぐに気づ
いたのは、宮崎の田舎出身の私にとっては圧倒的な都会なのに、私がイメージ
する「本格的なマジシャン」が皆無であったこと。(この頃はサコー氏は福岡を
離れて上京していました)
福岡ですらそんな状態だったので、九州全体を見渡しても、腹話術を兼ねた
泥臭いプロや地方都市にありがちな水商売(現在のマジックバー)が主戦場の
セミプロ程度の人しかいませんでした。

そんな大都市なのに未開拓に等しい市場でアルバイト感覚で営業活動を始める
と、有り難いことに学生マジシャンにすぎない私に頻繁に声がかかるようになり、
数年で営業シェアをほぼ独占できたことで、これを手放すのはもったいないと
思い始めて、大学卒業後もシェアを維持するために福岡に居を構える決心が
つきました。(この時点では持ち家か賃貸かは決めておらず、福岡に住み続ける
ことを決心しただけです)

ちょっと話題は逸れますが、その結果、縄張りに拘泥する九州の諸先輩方から
「大学を卒業したらプロなんかならずに、さっさと故郷に帰って家業を継げよ」
とか「もしプロ活動を続けるなら俺たちと出し物やギャラを合わせろよ」などと
強要されたりもしましたが、なんとさもしい考え方なのだろうと呆れた記憶
があります。
保身に必死で切磋琢磨しようという気概も皆無なのです。

閑話休題…少々無理をして20代後半で家を建てたのは「複数の大型鳥を飼って
バードアクトを完成させたい」という明確な目標を設定したからです。
一時は分譲マンションも考えて何軒か内見まで行ったのですが、「資産形成」を
考慮すると、土地のある一戸建てという結論に落ち着きました。
また大型鳥は鳴き声もハンパないため、分譲であっても集合住宅では飼いづ
らいことは容易に想像できたので、最終的には一戸建て以外の選択肢はあり
ませんでした。
鳥の数が増えたことでリフォームして、8畳の鳥専用ルームを造れたのも持ち
家ならではのメリットでした。

住宅は「買いたい」と思った時が「買い時」だと思います。
重要なのは目先の損得勘定で買うのではなく、自身の人生の中で「買い時」を
見極めることです。
一般的な「買い時」としてよく言われるのが「結婚した時」、「子供ができた時」
などで、これらは家族が増えることでそれまでの住まいが手狭になった時と
言えるでしょう。
私の場合は「バードアクトをやる!」(大型鳥という家族が増える)と決めた時
というわけです。

住宅は生活拠点ですから、人生の大きな分岐点で決断することは悪くないと
思いますが、必ずしも「買う」という選択に縛られる必要はないと思います。
富裕層は別として、大抵は住宅ローンを組んで毎月の元利金(元金+利子)返済
が長期に渡って重くのしかかることになります。
若くして住宅を買うことは、早く資産を手に入れて、のちの人生が楽になると
考えがちですが、一方では今の生き方を変えたいと思う時が来てもローン返済
が足枷となって動きがとれなくなる恐れもあります。

これからの時代はたとえ正社員であっても一つの会社で定年まで勤め上げる
人生モデルではなくなってきています。
転職等の人生の分岐点においてはローンという足枷は決断を躊躇させます。
マジシャンを含むフリーランスにおいては、日常的に不安定な上にさらに
大きな紆余曲折が待ち構えていることが多いので、楽観的に考えたり一時の
勢いに任せて突っ走ることがないようにすることが肝要でしょうね。

次回3に続く…

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