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収益効率 7 [日用品と嗜好品]

最終回です…

スーパーカーも高級腕時計も宝飾品も一流ブランドの服も、言ってしまえば
生きていくためにはこの世に無くても困らない不要不急の嗜好品です。
だからこそWTP(支払い意思額)の考え方に沿って付加価値を高めて収益効率
を上げることが当然のビジネスモデルとして確立されています。

たとえスーパーカーを購入する層であっても、例えばトイレットペーパーの
1巻が1万円だとしたらバカ高いと感じるように、日用品であれば常識的な
価格設定があらゆる層に認識されていますが、嗜好品の価格はそれが欲しい
人次第では青天井なのです。
興味がない人から、「あんなものに金を使うなんて考えられない」と思われても
本人の「支払い意思額」は強固です。(マジック道具に金をつぎ込む人達の多くは
家族の理解すら得られておらず、本人が亡くなった後はゴミ扱いです)

嗜好品を買う時はワクワクするのに日用品を買う時はワクワクしません。
不要不急の嗜好品には「ワクワク感という付加価値」があり、そこに重きを置く人
はそれに対しての出費は厭わないものです。
つまりワクワク感はプライスレスとも言えるでしょう。

では、見る人をワクワクさせるマジックショーも不要不急のもの(嗜好品)である
以上、WTPの考え方が当てはまるはずですから、マジシャンの側からわざわざ
「マジックを身近で気軽に楽しめる世の中にしたい」などと大義名分を掲げて
大衆化路線(日用品)に向かうことには私は大反対です。
投げ銭目的の路上パフォーマーならともかく、本音では安売りをしてでも生活
費を稼ぎたいだけであって、それではカッコがつかないから何かと大義名分を
を掲げようとするのです。(本音をパームしてもフラッシュしています)

マジックを始めようと思った時点で、少なからず「目立ちたくてええかっこしい」
という部分を内包しているのですから、それを糊塗して「お客様の笑顔のために」
とか「社会貢献」などと臆面もなく口にする人間を簡単に信用するべきではあり
ません。
安直なパクリ屋、虚言癖のある者、経歴詐称をする者、情けない罪状による
前科者など、魑魅魍魎が何事もなかったかのように平然と跳梁跋扈している
のがマジック村なのです。

マジックを好き過ぎる人は、その濃厚な曇りガラスに視力と洞察力を阻まれ、
大げさに言えば「マジックが好きな人に悪人はいない、皆友達」という具合に
「お人好しなクルクルパー」になってしまい、「マジック大好き」とか「あなたを
尊敬しています」と押印されたパスポートを提示されただけで、心の税関を
開放して入国させて、その挙句に簡単に秘密を搾取されたり裏切られたり
するのです。(かくいう私も人を見る目がなかったのか、過去幾人かを入国さ
せて後悔している一人です)

つい愚痴ってしまいましたが、閑話休題…マジシャンの社会的地位を向上
させようという意識さえあれば、「このマジシャンならここまでのギャラを
払っても構わない」というWTPを成立させることをビジネスモデルの一つと
して頭の片隅に置いておくべきであるし、せっかくマジックを生で観るので
あれば、それなりの場所でそれなりの対価を払う「特別な体験」であるべき
だと思います。

そもそもマジックが日用品ではなく嗜好品であることは、収益効率を上げる
ための大きなアドバンテージであるし、マジシャンはそれを誇りに思うべき
なのです。

収益効率…終わり

真摯なご意見、ご質問がある方はこちらまで…drzuma@mac.com

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