えっ、それ訊く? インバウンド編
現在ですら観光業界の人手不足でオーバーツーリズムの弊害が指摘されて
いる最中に、中国が団体客旅行を解禁しました。
またコロナ禍以前のように中国人観光客が大挙して来日することになるの
でしょうか。
経済効果に期待する向きはあるものの、移動が多い私としては、宿泊費や
航空チケットの高騰、何よりも予約そのものが取りづらくなっているので、
これは個人的には有り難いことではありません。
ところで、最近のインバウンド復活で外国人観光客が急増している報道を
見る度に「日本人て、こうだったかな?」と違和感を覚えることがあります。
それはレポーターが外国人観光客に「旅行中にいくら使う予定ですか?」と
無遠慮に質問していること。
コロナ禍で長らく閑古鳥が鳴いていたので爆買いに期待する気持ちは理解
できますが、逆に自分が海外旅行に出かけた時に、いきなり面識のない
外国人からマイクを向けられて、カメラの前で財布の中味を訊かれること
は平気なのですかね。
こんな失礼なことをやっているのは日本人だけではないのか…そう思って
いた矢先にそれを裏付ける記事を見つけました。
観光ビジネス誌「週刊トラベルジャーナル」のコラムです。
それによると、訪日旅行を控えた中国人が情報交換する交流サイトでは、
日本到着時に、取材で買い物の予算を訊かれた時の対応の仕方が話題の
中心なのだとか。
「100万円と答えると喜ばれるから、間違っても正直に10万円と言う必要は
ない」などという情報が飛び交っているのです。
要するにリップサービスなのですが、中には「気分が良くない」「何とも失礼
な質問だ」と感じている旅行者も大勢いると報告されています。
この事実を知ってからというもの、テレビで予算額を訊いては大げさに
はしゃぐレポーターを見ると、こっ恥ずかしくなります。
やっと日本に到着して気分が高揚しているのに、まず問われるのは予算額…
この風潮はなんとかしないと民度すら疑われかねないさもしい話です。
前回、隣国の図々しいメンタリティーのマジシャンのことを書きましたが、
日本人も他山の石として襟を正すべきことは少なくありませんね。
マジックの秘密を訊くのも他人の財布の中味を訊くのも、いきなり女性に
年齢と体重を訊くのと同レベルに失礼なことであることを自覚するべきで
しょう。
「親しき仲にも礼儀あり」なのですから、特に親しくもなければ言わずもがな
です。
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