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2023年8月

5年ぶりの共演

久しぶりにステージで使う道具のチェックとメンテナンスを行いました。
近年の猛暑で屋外の倉庫に保管してある道具のコンディションが危惧され
ましたが、特に劣化していることもなく安堵しました。

最も危惧するのが、道具そのものよりも、その道具を保護するATAケース内
の緩衝材(スポンジやウレタン)の加水分解です。(古い靴の靴底やスニーカー
のラバー部分が崩壊するあの現象です)
緩衝材がボロボロになって道具にこびりつくと厄介なのです。
また屋外・屋内に関係なく、ラバー製のギミックの劣化は防ぎようがあり
ません。(一度も使っていないノームニールセン製のラバーボトルの表面が
ベタベタになっていたので、泣く泣く処分しました…高かったのになあ)

それと、最後に使ったのがいつだったか失念したちょっとした小ネタ…
いざ探すと、まあ見つからないこと。
あちこちのATAケースを開けてようやく見つけました。

道具のチェックの後はサイレントアクトはBGMに合わせての練習、トーク
マジックはセリフの確認を行いました。
何か大切なワードがあったはずだけどな…と疑問を感じたら、ビデオライ
ブラリーの中からそのマジックを演じまくっていた頃の映像を確認して、
完全に思い出すことができたので、やはり資料映像として撮っておくこと
は大事ですね。
ただ久しぶりに引っ張り出してきた道具やイリュージョンが、まあ重く
感じること。
頻繁に演じて運搬していた頃はなんともなかったのに…やはりコロナ禍の
ブランクで体力が減衰しているのでしょう。

さて、道具のチェックと練習を済ませての8月19日、福岡市内のホテルで
実に5年ぶりにふじいあきらと共演。
このパーティー自体も4年ぶりの開催でしたから、コロナ禍さえなければ
共演の機会はもっと早かったかもしれません。
毎年恒例のパーティーだったので、これまで私が単独でやったり、ゲスト
マジシャンと共演したり、弟子のRintaroとテーブルホッピングをしたり、
節目の年にはマリックさんにも出演していただきました。

5年ぶりの共演であっても、彼とは東京や福岡で頻繁に会ってコミュニ
ケーションは取れているし、何よりお互いにそれなりの経験値はあるし、
「昔取った杵柄」というのか、特にコラボのパートは楽しく演じることが
できました。
もし来年以降も声がかかるようであれば、共演してみたいパフォーマーを
積極的に招聘しようと思っております。(体力的に自分の負担を軽くしたい
という思惑もありますが…)

さて、撤収が終わったら中洲のクラブ活動へGO!(なぜかこちらの体力は
衰えませんな)
美女達に囲まれて、アメリカ帰りのふじいあきらのお土産話を酒の肴にし
ながら、夜は更けていきましたとさ…。

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えっ、それ訊く? インバウンド編

現在ですら観光業界の人手不足でオーバーツーリズムの弊害が指摘されて
いる最中に、中国が団体客旅行を解禁しました。
またコロナ禍以前のように中国人観光客が大挙して来日することになるの
でしょうか。
経済効果に期待する向きはあるものの、移動が多い私としては、宿泊費や
航空チケットの高騰、何よりも予約そのものが取りづらくなっているので、
これは個人的には有り難いことではありません。

ところで、最近のインバウンド復活で外国人観光客が急増している報道を
見る度に「日本人て、こうだったかな?」と違和感を覚えることがあります。
それはレポーターが外国人観光客に「旅行中にいくら使う予定ですか?」と
無遠慮に質問していること。
コロナ禍で長らく閑古鳥が鳴いていたので爆買いに期待する気持ちは理解
できますが、逆に自分が海外旅行に出かけた時に、いきなり面識のない
外国人からマイクを向けられて、カメラの前で財布の中味を訊かれること
は平気なのですかね。

こんな失礼なことをやっているのは日本人だけではないのか…そう思って
いた矢先にそれを裏付ける記事を見つけました。
観光ビジネス誌「週刊トラベルジャーナル」のコラムです。
それによると、訪日旅行を控えた中国人が情報交換する交流サイトでは、
日本到着時に、取材で買い物の予算を訊かれた時の対応の仕方が話題の
中心なのだとか。
「100万円と答えると喜ばれるから、間違っても正直に10万円と言う必要は
ない」などという情報が飛び交っているのです。
要するにリップサービスなのですが、中には「気分が良くない」「何とも失礼
な質問だ」と感じている旅行者も大勢いると報告されています。
この事実を知ってからというもの、テレビで予算額を訊いては大げさに
はしゃぐレポーターを見ると、こっ恥ずかしくなります。

やっと日本に到着して気分が高揚しているのに、まず問われるのは予算額…
この風潮はなんとかしないと民度すら疑われかねないさもしい話です。
前回、隣国の図々しいメンタリティーのマジシャンのことを書きましたが、
日本人も他山の石として襟を正すべきことは少なくありませんね。

マジックの秘密を訊くのも他人の財布の中味を訊くのも、いきなり女性に
年齢と体重を訊くのと同レベルに失礼なことであることを自覚するべきで
しょう。

「親しき仲にも礼儀あり」なのですから、特に親しくもなければ言わずもがな
です。

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えっ、それ訊く? マジシャン編

一般客にマジックを見せると…「なんで?どうやったの?」と訊かれることは
マジシャンであれば日常茶飯事。
「他のマジシャンがやっているマジックのタネは解るの?」などと少々答え辛い
質問もされますが、これもマジシャンあるあるでしょう。
またマジシャン同士で朝まで見せ合い質問し合うことは珍しいことではあり
ません。
私も経験してきたので、切磋琢磨することで成長することは理解できます。

私がちょっとモヤっとするのは、最近でこそ滅多にありませんが、仕事で演
じているマジックに関して、初対面やそれに近い同業者が、「それどうやって
やるんですか?」「あれ売ってるんですか?」「その演出やってもいいっすか?」
「あのBGMのタイトルは何ですか?」などとシレッと訊いてきた時。
その調子の良さに「まず距離感ってものがあるだろう…他人のテリトリーに
土足で踏み込めるパスポートでも持っているのか?」と、つい思ってしまう
わけで…一応、心の防空識別圏が設定されているので、そこを侵犯されると
2機程度のスクランブル発進が発動されます。

「俺マジシャンだから」という妙な特権意識でもあるのか、「見てしまった
マジックや耳にしたギャグは自動的に自分のレパートリーにして構わない」と
いう考えの人が少なからず存在していて(特に夜のお店)、お手軽にパクった
マジックやギャグを嬉々として披露する刹那的な日々を送っているのです…
ホント「お気を確かに!」と言いたくなります。

前回の記事「盛夏の諸々 6題」の中のコーナータイトル[歴史の無知]で書いた
問題…未読の方のために簡潔に説明すると、元々は私が所有していたマジック
道具を1996年にあるマジシャン(故人)に譲渡したところ、そのマジックが
故人のオリジナルだと信じた隣国の若手が、故人の配偶者に演技権料を支払い、
すでに故人からその道具を買い取っている私の後輩に、「金を払ったのだから
仕掛けを教えろ」と理不尽なメールを送りつけてきたので、ド正論で返信した
ところ「納得した」とのことで一件落着となりました。

ところが解決したと思った矢先に、その隣国のマジシャンが再び後輩に論理
が破綻した自分勝手なメールを送ってきたのです。
「私もお金を払いました。多くは望まないので、あなたの道具の仕掛けを撮影
して送ってくれるだけでいいのです。それを演じていた他界した人の遺志を
継ぎたいのです。あなたもマジシャンでしょう?他の多くのマジシャン達に
大いに役立つことになります。お願いします」…ですと。

「遺志を継ぎたい」という大義名分を利用して、なんとかコピーしたいという
我欲が見え見えです。
ド正論で論破されたらこのように切り口を変えて「情に訴える」面倒くさい
論難を仕掛けてくるのです。
日本人は大人しいから、強気で押し通せば折れると思って舐めてるんですよ。
まずは金を受け取る権利など1ミリもない故人の配偶者に返金を求めるのが
筋というものでしょう。
なんで面識もないマジシャンに大切な仕掛けを撮影までして教えなければな
らないのか…後輩と相談して再びド正論の文面を送りました。
あとは徹底して無視を決め込むしかありませんね。

と、この記事を書いている最中に「理解しました、他の方法を考えます」との
返信が来たようですが、油断は禁物です。
政治における隣国との外交交渉では、都合よくゴールポストを動かすことが
悪名高いわけですが、この図々しいメンタリティーというか国民性というのは
マジシャンでもおそらく同じでしょうから。

 

 

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盛夏の諸々 6題

[マイナンバーカード]

ようやくマイナンバーカードを取得しました。
しかしまあ、こんなにトラブルのニュースが続くと、使ってみることに躊躇
しますねえ(特に保険証としては)
でも住民票や印鑑証明がコンビニで取得できるようなので、それは便利かも。

[エコキュート]

6月のエントリーで書いたエコキュートの取り換えが完了しました。
本来は7月上旬にも完了しているはずが、屋外の工事なので梅雨の雷雨のせい
で3回も延期になったのでした。
新型はリモコンのアナウンスが親切で「お湯はりをします」に続いて「お風呂の
栓はしましたか?」と確認を促します。
思えば過去何度かやらかしました…栓をするのを忘れてひたすらお湯を垂れ
流してしまったこと。
やらかした時はホント自己嫌悪に陥ります。

[コレクション]

幼少時代に集めた大量の某コレクション…まとめて後輩に贈りました。
このままうちに保管していても日の目を見ることもないし、不要になった
マジック道具や服と一緒にいつの間にか断捨離されてしまう恐れもありま
すからね。
オークションや査定に出せばそれなりの金額になるのでしょうが、思い出
を売って手にしたお金は使いづらいし、貴重なコレクションの類はそれを
今一番愛している人が所有するべきだと思います。

[歴史の無知]

あるマジックを演じたい海外のマジシャンが、考案者ではない人(故人)を
考案者だと勘違いをして、故人の代わりに配偶者に演技権料を払って許可を
取るという、とんでもない事象が発生。
受け取る配偶者も問題ですが(故人が考案者だと信じていたのでしょうか?)、
さらに問題なのはその配偶者が「道具はあるマジシャンに売ってしまったので、
彼から教えてもらって」と勝手に丸投げしたこと。
その結果、面識もない海外のマジシャンから「考案者に権利料を払って許可を
得たから、あなたが所有している道具のギミックやセットの仕方を撮影して、
サイズ等の詳細を教えろ」と唐突に要求されたマジシャンは最大の被害者。
その被害者であるマジシャンから相談を受けました。
実はこの道具は元々は私が所有者で、1996年に故人に譲渡した物だったので、
事態の収拾に動いて解決しました。
しかしまあ、歴史の無知って怖いなあと思った次第。
真面目に生きていても、「理不尽な案件」は突然宅配便で届くようなもの。
それも着払いで届くことが多いから腹が立つんですよ。
代引きだと殺意を覚えます。

[小芝居]

当然のことですが、歳を重ねると先輩は減って後輩が増えます。(もはや同期の
旧友を除いては誰も奢ってくれなくなりました)
自分のポリシーとして後輩と会食した際は全て自分が支払うし、終電を逃し
た後輩にはタクシー代を手渡すようにしています。
それでも支払いの時に「え、よろしいんですか?」と言いながら財布を出す後輩
がいますが、それをやると同席した他の後輩も払わなきゃならない空気になる
ことくらい理解できないのかな…と思うことが度々あって…。
同人物が毎回やると、これは「払う気はさらさらないけど、払うポーズを見せて
礼儀正しいやつだと思わせたい」だけなのかと邪推するのも悪いなと、性善説を
信じていたのに…豈図らんや、ポーズであったことが判明。
人を舐めているし、もうそのダサい小芝居見てられないわあ。

[セカンドカー]

大阪で暗礁に乗り上げた「ワクワクするセカンドカー」探しの旅がついに終焉
を迎えました。
ちょい乗りにぴったりの小さくて素敵なクルマが見つかりました。
今月末〜9月初旬には納車されると思います。
実はこうして待っている間が一番ワクワクするんですよね。

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