名刺 1
ビジネスシーンにおいて何かを「無料」で提供する際には、より「手間と費用」が
かかっていないとインパクトや感動は生まれない、そしてそれがあってこそ
未来のビジネスに繋がる…という考え方があります。
例えばボランティアでマジックショーを行う時、ノーギャラだからこの程度
でいいだろうと手抜きをすると、事情を知らない観客はそれが本気の演技だ
と思うわけで、評価は言わずもがな…引き受けたからには精一杯やればそれ
なりに評価されるはずだし、その後の正式なオファーに繋がるかもしれない
のです。
無料でも(無料だからこそ)費用がかかっている最たるものは、ホスピタリティ
の頂点に位置するハイブランドのノベルティでしょう。(フランクミュラーの
ノベルティにはいつも感動させられます…特に毎年のカレンダーは楽しみです)
手抜きをすれば築き上げたブランドイメージを毀損しかねませんし、もしも
有料であれば不要な人は見向きもしないし、それが金額に見合っているかを
値踏みする感情に支配されてしまいます。
メルカリではハイブランドのノベルティは言うに及ばず、カタログや紙袋まで
が取引されています。
顧客に「これ凝ってるよなあ、えっ無料なの?」と思わせてこそ、ビジネスとして
は「損して得取れ」となるのです。
どうせタダで配るのだから、この程度のものでいいだろうと舐めた考えで製作
したノベルティ、またフライヤーや名刺などは、そのセコさが透けて見えます。
名刺一枚からでもプロファイリングはある程度は可能なのです。
名刺の片隅に小さく「この名刺は再生紙を使用しています」と印字されているのを
たまに見かけますが、サラリーマンの名刺なら会社の方針なので何とも思いま
せんが、もしマジシャンが自らの意思でわざわざ印字した名刺だったとしたら、
「SDGsにも配慮した常識のある良い人なのかもしれないけど、豪華なショー
は期待できないかなあ」と想像してしまいます。(あくまでも私の偏見ですよ)
会社から支給された名刺であれば、本人の意思が介入する余地はありませんが、
フリーランスであれば名刺はその人の分身と言っても過言ではありません。
手渡した相手の元にずっと残るかもしれませんから、素材からデザイン、どの
程度の費用をかけたのか…センスの発露として捉えられます。
私は学生マジシャンとして活動していた時代から、自分なりに凝った名刺を
作ってきました。
デザインも様々で、鳩をモチーフにしたもの、眼をモチーフにしたもの、また
マジシャンのシルエットをモチーフにしたもの、キャッチコピーを強調した
もの…今でも名刺ホルダーに保存しています。(当時ですからもちろん本名です)
一番尖っていた頃のキャッチコピーは…「疑うことの無意味さを教えてあげよう」
(学生マジシャンなのに、とんでもない上から目線!)
実は1983年(二浪の末に大学に入学した年)の日産フェアレディZのテレビCM
…「比べることの無意味さを教えてあげよう」にインスパイアされたものでした。
そのCMは…コチラ (あー、今見てもシビれます)
次回2へ続く…
| 固定リンク
« 7月…ちょっと大阪へ | トップページ | 名刺 2 »
「マジック」カテゴリの記事
- 人は比べてしまうもの(2025.02.01)
- 相応しい現場を選ぶ(2024.11.16)
- 都内でショー(2024.10.04)
- 舐められるんだよなあ(2024.08.30)
- 持ち家派? 賃貸派? 3(2024.06.01)
最近のコメント