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FIRE

FIREとはFinancial Independence Retire Earlyの略で、「経済的自立と
早期退職」という意味です。
巷にはFIRE関連本が溢れ(2年間で8倍増)、先日のNHK「クロースアップ
現代+」でも「私たちはなぜ働くのか 投資&倹約で生きるFIRE生活」
というタイトルで特集番組が放送されました。
FIREを達成した数人が取材に応じていましたが、皆さん不動産投資や株式
投資で数千万〜1億程度の資産を形成して勤め先を辞めて、家賃収入や配当
という不労所得での生活を実現しています。

そう聞くと、「きっと贅沢な暮らしをしながら遊んでばかりいるのだろう」と
羨ましく感じるかもしれませんが、富豪になったわけではありませんから、
利子を生む元手を取り崩さない倹約生活をしている人が多いようです。
例えば5千万を貯めて投資をしたとして年利4%では200万円、1億投資した
としても400万円ですから、利子だけでの生活は年収200〜400万円レベル
の暮らしということです。

各々のFIREを目指した理由としては、パワハラを受けたり、一定額以上の
昇給は見込めなかったり、やりたいことをやる時間と余裕がなかったり、
このまま働き続けることに疑問を抱いたり…等々ですが、共通しているのは
贅沢がしたかったわけではなく、「働くことに疲れた、絶望した」というどち
らかというとネガティブな理由が多いように感じました。
裏を返せば、そこそこの収入があって将来性とやりがいのある仕事に恵ま
れていたなら、辞めることはなかった人が多いのではないでしょうか。

番組の中ではFIREを達成した後の生活も紹介されていましたが、まさに人
それぞれでした。
平日からレジャーや旅行を楽しむなど、家族と過ごせる時間が増えて実に
生き生きとしている人もいれば、上司のパワハラから逃れたい一心で念願
のFIREを達成していながら、いざ働かなくなると、テレビや読書の日々を
送るうちに他人と関わることもなくなり、奥さんから「いつまでリビング
にいるの!」と邪険に扱われ、成長しない自分にも嫌気がさして、再び働き
始める人もいました。
やはり社会との繋がりを持って、ある程度は承認欲求を満たさないと生き
がいを感じられないものなのでしょう。

生活レベルとは関係なく楽しそうにしているマジシャンは(そう見えている
だけかもしれませんが)、やはり好きなことを仕事にしているという事実
が幸福度の高さの要因となっているのは間違いないでしょう。
「大好きなマジックで生活できるだけで幸せです」と公言する人、決して
珍しくありませんから。

しかしFIREを達成して働かずに生きることは意外とお金がかかるはずです。
テレビや読書やゲームをずっと続けるわけにはいかないので、刺激を求め
て外出すれば何かと出費をするし、時間があるだけにお金がかかる趣味
(例えばギャンブル)を持つと湯水のように浪費をしかねません。

番組を観終わって自分に置き換えて考えてみましたが、私は私自身をよく
理解しているつもりなので、もしFIREをやったとしたら暇を持て余して
夜な夜な中洲のクラブに繰り出しそうだし、物欲を満たし続けてあっと
いう間に元手の資産まで失う恐れがあるので、生涯に渡って可能な限り
働き続けるつもりです。(退職金もないし年金もあてになりませんしね)

お正月に今年の運勢を占う番組を観たのですが、それは星座と血液型と
の組み合わせで運勢を占うもので、自分の「牡羊座のA型」が発表される
まで待っていました。
そしていよいよ発表の時が…「次は牡羊座のA型です。やり残したことが
あるならば、今年再トライすればきっと上手くいくでしょう!」

しばらく考えました…今後読みたい本や尽きる事のない物欲はありますが、
正直言ってこれまでの人生で「やり残したこと」は一つもないのです。
ではやはりFIRE?…いや、やり残したことではないし、仕事が充実して
いればやる意味を見い出せないし、今のところはFIRE達成した人たちが
憧れの対象でないことは確かですね。


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