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リユースの時代

春は引越しシーズンなので、家電や家具を処分する人が多く、買い取り業者
の大忙しの様子がニュースで流れていました。
処分するだけでも費用がかかる物を、たとえ安くても買い取ってもらえれば
有り難いことですし、誰かがリユースしてくれると思えば、手放す罪悪感も
薄れるというものです。

近年ではメーカー自体が自社商品の中古品販売に乗り出しています。
買い取った中古品を修理したり真贋(しんがん)保証をして再販売しています。
COACHは自社の中古品を回収し、修繕して「COACH Re Loved」という事業
を始めました。
顧客が持ち込む鞄を査定して引き取り、自社サイトで再販売したり、新品
を購入する際に査定金額分の割引を受けられるというシステムです。

セイコーグループも銀座の和光本店で中古時計の再販売を始めたようです。
プレミアが付いた自社製品をオーバーホールして証明書を付け、ブランドの
価値を損なわない価格水準で販売しています。

自社による中古時計の販売は以前からフランクミュラーが「正規認定中古時計」
(Premium Approved Watch)として実施しており、私も利用したことが
あります。
特に生産終了モデルやレアモデルを探しているなら、サイトを頻繁にチェック
していると掘り出し物を見つけることができます。

従来、メーカーやハイブランドは、新品の売れ行きを妨げかねないという
理由から、中古品の販売には積極的ではなかった印象がありますが、市場の
成長力は無視できない上に、放置すれば偽物が出回るリスクもありますから
リユース時代に合致したビジネスモデルではないでしょうか。

さらに売り切り型から脱却して、販売後も顧客との接点を維持できるという
利点もあると思います。
時計でもクルマでもハイブランドであればあるほど、顧客とその担当者との
密接な人間関係の構築こそが、その後のアフターサービスにおける信頼感を
醸成し、将来の売り上げを大きく左右することになるのだと思います。

何を買いたいかも重要ですが、あの人から買いたいと思われることの方が
さらに重要なのです。
マジシャンも、あの人のマジックが見たい、さらにあのマジシャンに会い
たいと思わせた方が勝機がありますからね。

ところで、近い将来に必ず訪れる私の膨大なマジック道具のリユース問題
だけは、どうしたものやらです。(クセの強い道具が多いが故に同業者でも
扱いづらい上に、一般人にとっては粗大ゴミ同然ですからね)

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