巷の老後本
巷には、いかに充実した老後を過ごすかについて書かれた本が目立つように
なりました。
実に薄っぺらい当たり前のことしか書いていない本が多い中で、突出して
歯切れの良い本を見つけました。
・ 60代を自由に生きるための誰も教えてくれなかった「お金と仕事」の話
榊原正幸 著 (PHPビジネス新書)
内容の一部を紹介すると…
「老後本」の対策を信じてはいけない
巷にあふれる「老後本」を私も山ほど読みました。その老後対策として、ボラ
ンティアをする、旅行をする、読書やテレビ三昧などが「あるある」なのです
が、私はどれもイマイチだと思います。なぜなら、どれも「飽きるから」です。
はっきり申しまして、マネタライズされていないもの(お金が絡んでいない
もの)は、やり甲斐が少ないです。俗な言葉で言えば、ちゃんと稼げることで
ないと面白みも少ないし、責任感もないし、飽きやすいのです。
…まさにその通りだと思いました。
長年ビジネスとしてのマジックをやってきた自分が、いつかアマチュアに
戻った時…ボランティアでやってあげてるんだから、この程度でいいだろう
などと、責任感も面白みもなくなるであろうことは容易に想像できました。
さらに紹介すると…
ヒマをもてあましてしまうという問題について提言します。「ヒマをもてあま
してしまう」ことを、私は「ヒマだ病に罹患する」と定義づけています。
「ヒマすぎてイヤになる状態」は、軽い精神疾患だと思うからです。仕事が
なくなると最初のうちは解放感に浸れるかもしれませんが、半年か一年も
すると、多くの方が大なり小なり、「ヒマだ病」に罹患します。これは実に
深刻な問題なのです。ここではその深刻な問題に対する対策(「ヒマだ病」対策)
について論じますが、結論をひと言で言ってしまいます。本業をやっている
間に、「一生やることができる副業」を見つけてください。これに尽きます。
…これはあくまでも一般的な老後の「ヒマだ病」についてのことですが、老後
とは関係なく多くの現役マジシャン(特に中高年)も罹患しています。
景気やコロナ禍とは関係なく、一部のスターマジシャンを除けば加齢と共に
仕事は否応なく漸減していくものです。
世界的コンテストで受賞という「魔法のふりかけ」をかけても、収入という
料理の味を激変できないことは認めざる得ないところです。(賞は足裏に付い
たご飯粒…とらないと気持ち悪いけど、とっても食えない)
あるお笑い芸人が友人達を巻き込んで、7億を超える資金をFXと不動産投資
の専門家と名乗る知人に預けて蒸発させてしまった事件は記憶に新しいとこ
ろです。
釈明会見においてその芸人は投資を始めた理由として、「50歳前後になると
今後もこのまま仕事を得ることができるのだろうかと不安になった」と吐露
していました。
事程左様にフリーランスの老後資金の不安感は深刻なのです。
インボイス制度が始まれば、1000万以下の収入でもきちんと消費税を納めな
ければならなくなります。
働き盛りの人間が、朝起きてすることがないなんて寂しいものです。
それでいてSNSでは忙しそうなリア充自慢…そのコントラストの痛々しいこと。
やはり仕事が順調なうちに、他の収入の柱を立てることが焦眉の急なのです。
これについては私も2018年以降何度も書いてきましたので、過去のエントリー
からご一読頂ければ幸甚です。
2018年 複業のススメ 1〜3
2020年 私見…複業
複業社会はもはやスタンダード 1&2
2021年 マルチワーカー 1〜3
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