アンチの本質 2
前回からの続きです…
職業柄、マジックの情報が入ってくるのは当然のこととして、他にも興味
がある事象にはアンテナを張っているので、特にクルマや腕時計の情報が
よく入ってきます。
まあどの分野にもアンチは存在するもので(常在菌のようなもの)、クルマ
の世界でアンチが口にすることといえば…このエンジンは他社から供給を
受けているから純血ではないだの、プラットホームは他の車種と共有して
いるからオリジナルではないだの…。
腕時計の世界のアンチはもっと細かい一言居士がいて…ブランドの歴史が
どうのこうの、ムーブメントやエボーシュがどうのこうの、資産価値や
リセールバリューがどうのこうのと…ホントうっせえなあ。
まずはアンチの対象を所有してから言えって話ですよ。
アンチの大半は往々にしてマニア歴も浅く、ネットの受け売りをさも自分
の考えのように、したり顔で語っているに過ぎないのです。
そもそもリセールバリューを最優先したり投資目的で所有して、丑三つ時
に一人眺めてニタ〜としている人達と、将来の価値など度外視して心底惚
れ込み、ガシガシ日常使いするために所有している人達とが「嗜好品の議論」
で噛み合うはずがないのですよ。
クルマでも時計でも自分の所有物のリセールバリューの優位性を語る時点
で、心底惚れ込むどころか、買う時から手放す時のことを考えている証左
だし、クルマのボディカラーも本当は好きな色があるのにリセールバリュー
優先で無難な色を選ぶ人から「偽りのクルマ愛や時計愛」を語られたところ
で、真剣に耳を傾ける気にはならないのです。
でもまあ、これらのアンチはその分野に興味が有り過ぎて、自分の知識
や拘りを披瀝したいという欲望の結果なので、まだ傾聴に値する余地は
あるのかも知れません。
タチが悪いのは、世の中を斜に構えてみることがカッコいいと思っている
のか、本当は欲しいのにそれが叶わないからなのか「くだらない、そんな物
に拘るのは自分に自信がない証拠だ」と頭から否定や批判を展開する人種
です。
そして「どうせ仮想通貨とか怪しげな稼ぎ方をしているに違いない」などと
根拠なき決めつけをしがちです。
高額品購入を自慢げに見せつける一部のYouTuberの動画を観過ぎたため
に同一視して、苛立っているのではないかと思ってしまうほどです。
ひたすら地道に働いて、悩みに悩んで購入した人を偏見の目で見るべきで
はありません。
あぶく銭ではなく努力の結果でやっと入手した時の喜びは格別なものです。
山に例えるなら、麓から自力で登った時に見える景色と、ヘリコプターで
頂上に降り立った時の景色では、全く同じ景色なのに見え方や彩度が全然
違ってくるものです。
軽々しい批判をしてくる人達は、それをやったことがないし所有したこと
がない場合が殆どです。
自分の仕事や趣味が批判された時、それが論理的なものではなくて、ただ
「くだらない」だの「意味がない」だのって批判は、「ああ、やったことも持った
こともないんだな」と冷めた目で見ておけばいいでしょう。
ただこうした人達の内面を観察していくと、実は心の中に気に食わない誰
かが先にいて、その気に食わない人がやっていることや持っている物が
記憶と紐づけられて、間接的に嫌いになったり否定したくなる…という
心理が働いているようです。
要するに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ってことです。
そうなると、もはや「アンチ」ではなく「ルサンチマン」なので論外です。
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