久しぶりの読書レビュー
飛行機や新幹線での移動中は極力インプットの時間に充てることを心がけて
いるので昨年も多くの本を読了したのですが、レビューを書こうにも時間が
経ってしまうと記憶が薄れてしまうもので…。
そこで記憶に新しい昨年末〜年始にかけて読んだ本の中から数冊抜粋してみ
ると、今年が自身の節目の年になるせいか、やはり老後に向けての生き方や
老後資金について深堀りする内容の本を選んでしまっていることに気づきま
した。
・ 「ジェイソン流 お金の増やし方」 厚切りジェイソン著 (ぴあ株式会社)
芸人、IT企業の取締役、投資家とマルチワーカーとして活躍する著者は、15年
間の資産運用で家族全員が安心して一生暮らせる資産を築いたそうです。
いわゆるFIRE(経済的自立と早期リタイア)がすでに可能だということですが、
そのゴールとする資産規模も質素な暮らしか贅沢三昧の暮らしををするのか
で大きく違ってくるところです。
著者は服は基本買わない主義だし、家で作ったコーヒーを持ち歩くことで、
外ではコーヒーを買わないなどの極端な節約術も実践しているようで、物欲
が強い私には到底理解しがたくて参考にならない部分も多々あるわけですが、
「長期・分散・積立」という投資の基本は私と全く同じです。
違いは著者の投資先が「インデックスファンド」、私は「アクティブファンド」で
あるということ。
それと私は金(ゴールド)に投資していますが、著者は金を始めとするコモデ
ティ投資や暗号資産には手を出さないということ。
考え方や生き様によって様々な選択肢がある投資の世界ですが、指南書とし
ては実に解りやすいので、今後投資を始める方には買いの一冊です。
・ 「還暦からの人生戦略」 佐藤 優 著 (青春出版社)
在ロシア連邦日本国大使館に勤務後、主任分析官としてロシア外交の最前線
で活躍し、2002年には背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴されるという
波乱万丈の人生を歩んできた著者…私とは同世代で、昔からずっと注目して
きた人物です。
これまでは主にインテリジェンスとしての外交問題に関する著作が多かった
のですが、今回の著作では「還暦後」の生き方、具体的には還暦からの孤独と
不安、人間関係とメンタル、働くことの意味、お金との付き合い方、学びと
教養、死との向き合い方について「人生戦略」として深く考察されています。
「教養は孤独を跳ね返す武器になる」と喝破する著者…巻末の池上彰氏との対談
も興味深いものがありました。
・ 「シンプル思考」 里崎智也 著 (集英社新書)
現役時代は千葉ロッテマーリンズの正捕手として、引退後はマルチワーカー
として活躍する著者…「人生の一丁目一番地を決めて行動する」ために必要な
「シンプル思考」を「お金」「趣味」「仕事」「言葉」「人間関係」「失敗」という六つの
視点から説いています。
第一章のタイトルは「マネーのすすめ」…恥ずかしがらずに「お金が大事」と
言いましょう…というもの。
「お金よりも大事なものがあるという概念もひっくるめて、僕にとってはお金
が一番大事。生活が保障されてある程度のものが買えるし、より多くの不幸
を回避できる」と喝破しています。
弱小球団のロッテを逆指名したのも著者の人生における最優先事項「お金」に
直結したから…つまり強い球団では優秀なライバルが多くて出番が少なく
なるし、試合に出てなんぼという戦略上、早い時期から試合に出られそうな
球団をあえて選んだわけです。
日本人は往々にしてお金の話題を避けたがる傾向があるわけですが、「お金
じゃない、夢と感動を届けるのだ」というマジック界の一部に蔓延る大義名分
に拘泥する人には必読の書です。
稼げないプロからは夢も感動も滲み出てきません…プロは稼いでなんぼなの
です。
またユーチューバーとしても有名な著者ですが、「コラボをしない理由」も非常
に説得力のあるものでした。
他には…
・ 「伝説のホテルマンが教える 大人のためのホテルの使い方」
窪山哲雄 著 (SB新書)
・ 「変な家」 雨穴 著 (飛鳥新書)
・ 「堂々と老いる」 田原総一朗 著 (毎日新聞社出版)
・ 「あなたが投資で儲からない理由」 大江英樹 (日経BP)
今年もまた多くの本との出会いが楽しみです。
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