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2021年3月

SNSとの親和性

流行りのクラブハウス…何度か招待されたことはあるものの、結局やらず
じまい。
テレビでよく取り上げられていたので、どんなものかは大体理解できたの
ですが、何しろSNS音痴なので、今一つメリットとデメリットが整理でき
ないのです…使い方がよくわからない調理器具みたいな感じですかね。
(下手したら大火傷しそう)
問題は、どのSNSが自分に親和性があるかどうかでしょうね。

マジシャンとしての私は10年以上、当お知らせブログでしか発信していない
わけですが、これすらも本当に親和性があるのかは定かではありません。
ただ、どうせ書くなら自己責任で、自らのスタンスや考察がどう思われよう
と、できるだけ誤解や齟齬がないように表現するには、長文が書けるこの
方法が自分には向いているのかなと思っています。
こんな私ですから、FacebookやTwitterやInstagramはもちろん、LINEも
やっていません。(最近、LINEの利用者の情報が中国で覗かれていたという
ニュースを知って、余計に懐疑的になりました)

Twitterで一日中小刻みに短文をアップしているのも見かけますが、何の事を
呟いているのか意味不明の時もあるし(思わせぶりに曖昧にすることが狙い
の場合もあるのでしょう)、考えの一部だけを切り取るかのように中途半端
な意見を発信して、結果として誤解や批判をされることもあるでしょうね。

もちろん自分も含めてですが、そもそも各個人がSNSでわざわざ個人情報
(あれを食べただの、これを買っただの)を発信するのは何故なのでしょう?
…それは仕事におけるイベントの「宣伝」であったり世間に対する「生存確認」
の意味もありますが、主には「承認欲求」を満たすためのものであるわけです。
そうであれば、あえて自らの恥を晒すような「ネガティブ情報」を日々発信
するはずはなく、大部分はポジティブな「リア充アピール」のために発信して
いることに他ならないのです。

そんなこと当たり前なのに、他人の記事をパトロールして周っては、「リア充
自慢しやがって」と非難する人もいるようですが、その人もSNSで発信して
いるということは、己も承認欲求の塊であることを何故理解できていないのか
が不思議。
マジシャンで言えば…「他人と比べることなんて無意味だから、自分の価値観
を持とう」と宣う人に限って、比較されることの象徴であるコンテスト大好き
人間だったりするわけですよ。
そして賞を獲ろうものなら、自慢げにプロフィールに載せるのです。

まあ、SNSには功罪があることは論を俟ちませんが、現代社会では必要不可欠
なものになってしまった以上、それによって有意義な日々が送れているのか、
健全な承認欲求を満たすことができているのか、デメリットによってストレス
は溜まっていないのか…今一度、どの薬が自分の体質に合っているのかと同様
に、どのSNSが自分と親和性があるのか、そもそもSNS自体と親和性があるの
かを確認することが肝要でしょうね。

SNSという武器をブンブン振り回す、かろうじて意思疎通ができるゴリラを
観察する分には面白いのですが、ターゲットになる距離には近づきたくはない
ものです…時々ウンコ投げますから。

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ハーフムーン 再び…

カパーフィールドやペン&テラーも訪れた、あの伝説のマジックバー…
ハーフムーンが東京青山で復活。

私は昨年6月、当コーナーにおいて、「THANK YOU HIDE」のタイトルで、
ハーフムーンの閉店についてお知らせをし、マスターのヒデにエールを送り
ました。
閉店の理由は御多分に洩れず、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の
余波…夜の銀座がゴーストタウン化したのであれば、それは致し方ないこ
とであったわけです。
26年も過ごした銀座を離れ、新天地として、当初は安全と思われた温暖な
沖縄を選んだものの、物件を決めて施工を開始した直後から沖縄でも感染
が蔓延し始めたために、移住を断念。
その後、全国各地で緊急事態宣言が発出されるなど、この狭い日本において
全くコロナの影響を受けずにエンタメを提供できる場所などないのであれば、
長年支えてくれたファンや支援者がいる都内で、心機一転の再スタートを
してみようという心境に至ったのだとか。

齢60となるヒデにとっての新たな挑戦というのは、並大抵のことではない
と思いますが、若い頃は夫婦で屋台を引きながら食いつないできたほどで
すから、どこで何をしようが生き延びることができる生命力に溢れた逞しい
漢なのです。

2月中旬、オープンに向けて内装工事中のお店に伺いました。
ネタバレになるので多くは書きませんが、居抜きではなく全てをゼロベース
から作り上げ、特にカウンター越しの映像や音響には彼のこだわりが随所
に窺われます。
ただ一つ不安なのは、とりあえずは彼のみのワンオペでの営業だということ。
同世代なので、瞬発力や記憶力の衰えは身に沁みて感じるために、アシスタ
ント不在の状態で軌道に乗るまでの紆余曲折を心配していますが、彼の愛さ
れるキャラクターは、少々のミスでも加点に変換してしまう特異な面もある
ので、楽観しているのもまた事実。

現在は緊急事態宣言が解除されても予断を許さない状況なため、当面の営業
は、19〜21時までの1回公演ですが、昼間でも予約があれば受け付けるそう
なので、何はともあれ、ファンにとっては朗報ですよね。

看板ではなく、映像上のお店の新ロゴマークが、私には月ではなくて枝豆に
見えてしまうことが密かにツボでした。
以下、マジックバー枝豆…ではなくてハーフムーンの新所在地です。

東京都港区北青山3-2-1 村上ビルB1
TEL  03-6721-0840




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BEAUTIFUL IS RELENTLESS

検討していた車の買い替え…乗り降りが楽で視界の広いSUVを軸に、
各メーカーの主力車をチェックしたところ、SUV全盛期とあって百花繚乱
の呈です。
かなり逡巡するだろうと懸念していましたが、あっさりと決定しました。
試乗してみると…比べることが無意味なほど、あらゆるものが別次元。

ASTON MARTIN DBX

エクステリアはこのPVと同様のオニキスブラックと迷いましたが、ここは
英国車らしく、オプションで、ミノタウルスグリーンのボディカラーに、
サテンブラック&ブロンズのホイール、インテリアはサハラタンのレザーと
ブラックアルカンターラを選択しました。

キャッチコピーはエントリーのタイトル通り…「美しさには容赦がない」

契約も終了して、納車は年末の予定…楽しみです。

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逃げ切り世代

マジシャンとして、コロナ禍以前から近年のコンプライアンスの厳しさを
ひしひしと感じていました。
規制のゆる〜い昭和から平成初期の感覚で生きてきた私としては、昨今の
マジックを取り巻く環境には辟易しているわけです。

BGMに関してはJASRAC絡みの面倒さや、動物愛護の観点からの動物マジック
のやりづらさ…世界中の多くの国では、サーカスでの動物を調教した芸は
NGとなっているため、日本におけるイルカやアシカの曲芸ショーや猿回し
も、実は海外からは冷たい視線で見られています。
ヨーロッパでは鳩出しを演じるマジシャンはめっきり減ったのだとか。
(ドイツではペットショップそのものがなくなっています)
かなり以前から、火や煙の使用をNGとするホールやホテルも増えていたし、
近未来ではキャッシュレスの社会になるのは既定路線なので、お札やコイン
のマジックは廃れていく可能性が高いでしょう。
嫌煙社会とも相まって、数十年後にシガースルーコインを演じたとしたら、
何に何を貫通させているのか理解できない客もいるかもしれませんね。

自分が好きな分野のマジックが次々と封じられていく様は、ホント笑い事
では済まされません。
今後、動物や火やタバコを使ったマジックがさらに廃れていくのは明らか
なので、若い世代のマジシャンが、これらの素材をメインで使用するのは
決してオススメはできません。
でも、時代を味方に付けて、これらの素材を好き放題に使い倒して荒稼ぎ
をさせてもらった自分としては、やり残したことも後悔もないラッキーな
逃げ切り世代のマジシャンだったのだなあと回顧しています。

これは自動車にも共通することで、昨今のニュースによれば、ジャガーや
ボルボは2025年までに全ての生産車をEVに切り替えると宣言しました。
脱炭素社会を目指す世界の潮流の中で、中国では2030年、ヨーロッパ
では2035年までには全ての車がEVに変わることになるのです。

それが現実であれば、V8エンジンを積んだモンスターカーなんて今のうち
でないと乗れなくなるわけですよね。
見かけはマッチョなくせに、ウィーンという音で走る車は受け入れられない
自分がいます。
厳つい顔のオヤジが、声変わり前の小学生の声で怒鳴っているようなもので
はありませんか。
自分の年齢を考えると、せめてあと5〜6年はブイブイいわせる車に乗って、
その後にEV、もしかすると運転自体が辛くなって、自動運転車を切望して
いる自分がいるかもしれません。

これまでのマジシャン人生を車に置き換えたなら、燃費の悪い大型エンジン
を積んで、排気ガスを撒き散らしながら走る、一昔前のアメ車だったような
気がします。

そう考えると、時代の変化におけるコンプライアンスに左右されるマジックや、
環境問題に起因する法改正に影響を受ける自動車業界と違って、我が道
を行く高級機械式時計の世界は凄いなあと、改めて感じます。
安くて正確な電波時計やスマートウォッチが登場しても、メンテナンスも
面倒な機械式時計が売れ続けるその理由はいったい何なのか…若い頃から
ずっとマジシャンとしてのブランディングを訴求し続けてきた私にとっては
大いに参考になる事象です。

自分がどう考えるかが人生の基本であり、自分を楽しませるために自分は
生きているのだから、他人様に迷惑さえかけなければ、素直に自分の思う
通りに自由に生きればいいのだ…と自らに言い聞かせている昨今です。
ですからマジックにおいても時計においても、これから買い替え予定の車
においても、自分のできる範囲で好き放題にやれるところまではやって、
逃げ切り世代としての人生を謳歌するつもりです。


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