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複業社会は もはやスタンダード 2

前回からの続きです…

私の世代やそれ以上の世代では、勤め人としての本業でせっかくそれなりの
安定収入を得られていたのに、プロマジシャンへの夢が諦めきれずに退職
するという人が多々見受けられました。
海外のコンテストにチャレンジしたいという大義名分があるとしても、単に
趣味であるマジックが理由で会社に長期休暇を申請しづらいという理由で
退職する人もいたほどです。(当時から、いや今以上にコンベンションは人生
を狂わせていたのです)
辞める会社の大きさや辞めた時のポジションが高いほどプロ転身の覚悟の
強固さが垣間見えて、退路を断つことが美徳にすら感じることもありました。

しかしそれはせっかく高い山に登っていながらその山を降りて、隣の山に
麓から登り直すようなものです。
必ずしもそんなリスクを負う必要はなく、隣の山に架け橋を作ればいいわ
けだし、近隣の山々に複数の橋があればなお安泰でしょう。
復職が法律で禁じられている公務員以外であれば、色々な方策があるはず。

近年は医学部の学生の中にも医療界での出世には興味がなく、「医師免許は
人生の保険」と公言して、「医療ベンチャーを起業したい」とか「アプリを開発
してIT企業に売った」というような学生が増えています。
実際に医学部生が起業した「メトリカ」や「メドメイン」等、医療×IT分野で
注目すべき企業も誕生しています。

私自身が体感していますが、肩書きや役割を増やして、それぞれのエリアを
移動&越境しながら様々な人に会って多方面で動いていると、それまでには
見えていなかったものが見えてきて、人生が多面化します。
全ての分野の共通点を見つけて近接させれば、全てのスキルが生かしやすく
一般からかけ離れた分野であれば、絶対的なオンリーワンの立場となるのも
あながち夢ではないでしょう。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは、19世紀ドイツの宰相であった
ビスマルクの言葉です。
人は自分で失敗して痛い目に合わないと懲りないものですが、先人の失敗を
学んでおけば無駄な苦労は避けられるのです。

長寿社会を迎えて巷間「人生100年」とは言うものの、健康で長生きできたと
しても収入を得られる実働期間は長くて50年程度、体力勝負のアスリート
であれば数年〜20年程度でしょうし、一生暮らせるほどの収入を得られる
のは、ほんの一握りです。

もともと不安定なマジシャンという職業は、このコロナ禍でますます不安定
になっています。
レギュラー出演を生活の基盤として頼ってきたマジックバーが閉店しよう
ものなら、「お客様を笑顔に!」なんてとてもそんな余裕はないはずです。
マジックをライフワークにすると決心したのであれば尚更の事、安定して
それをやり続けるためにも、フルタイムプロという一本足打法に固執せず、
複業社会を素直に受け入れる柔軟な考え方が必要な時代になってしまった
のではないでしょうか。
リスクを負うのか負わないのか、人の先を行くのか人に倣うのか、どんな
人生を選択するのか…そういう生き方が可能になるのが複業社会であるの
ならば、それがスタンダードになっていくのは当然の帰結でしょう。

今後は、「普段はマジックやってるけど、週2日は友人のスタートアップの
手伝いをして、株の取り引きもやりつつ余暇を利用して動画配信したら
バズったので、オンラインサロンの講師も始めました」…みたいな生き方が
普通になりますよ…てか、もうなってますよ。

生き方は人それぞれなので、このエントリー自体が余計なお世話かもしれ
ませんが、今更無理だと決めつけずに、まずは重い腰を上げて動いてみる
ことが肝要かなと思います。

今後の人生を考えた時、今の自分が一番若いのですから。

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