« 2020年8月 | トップページ | 2020年10月 »

2020年9月

マスクに思う 2

マスク専門店がオープンしたというニュースを観ました。(やはり出ましたね)
今や素材からデザインまで百花繚乱で、マスク選びをしている客も楽しそうで
したが、この専門店が永遠に存続する世の中は決して好ましくないわけで…。

先日、羽田→福岡便に搭乗しましたが、新幹線と違ってかなりの「密」。
なぜなら4連休の前日というのに、このフライトの前後の便が減便対象となった
ために、本来なら3機にばらけていた客が1機にまとめられたから。
しかし搭乗の際には「距離をとってお並び下さい」とアナウンスして、一定の
人数ずつ案内しておきながら、機内は密…何たる矛盾よ。

最近ではマスク拒否の乗客が強制的に降ろされる事案も散発しているようです。
海外ではマスクを嫌がる子供連れが家族ごと降ろされていました。
先日の機内でも多くの子供達が搭乗していましたが、ほとんどの子供がマスク
をせずにワアワアキャアキャア騒いでおりました。
日本はある部分では厳格で規律正しく、別の部分では緩いという感じがします。
とにかく強制ではなく、自発的に良き方向へ向かう方策はないもんですかねえ。
例えば立ち小便が絶たない場所に「神社」のマーク(鳥居)を記すと、心理的な
圧を感じるのか、立ち小便が激減したというエピソードのように。
違法駐輪が絶たない場所があるとしたら、私なら(法に触れなければ)「ご自由に
お持ち帰り下さい」という看板をドーンと立てますけどね。

前回、ドルチェ&ガッパーナのマスクを紹介しましたが、全国的にほぼ完売の
ようです。
他にもバーバリー等、有名ブランドも次々に市場に参入しているようですが、
ついにファッション業界の巨人、ルイ・ヴィトンがフェイスシールドを発表。
ルイ・ヴィトン フェイスシールド (予価10万円とか)
自分で使う気にはなれないけれど、シールドを装着して感染防止に腐心しな
がら頑張っているクラブのママにプレゼントすると喜ばれるかも。

例えば、車や時計は「便利な道具」ですが「好きになる」ものだとも思います。
同じ道具でもリモコンや文房具にはそこまでの思い入れはありません。
これまでの人生、とにかく「便利」や「必需品」ではない「好きな」車や時計を
選んできました。

マスクも「必需品」ではありながらも「好きな」マスクを選ぶ時代になったの
でしょう。
それはついに「医療品」が「衣料品」として認知されるという、まさにフェーズが
変わったと言っても過言ではありませんね。



|

マジシャンのスタンス

一言でマジシャンと言っても、そのスタンス(ここでは立ち位置や働き方の意)
は様々なはず。
現在の自分のスタンスに満足している人もいれば、自分に適したスタンスが見
つからずに、右往左往している若手もいることでしょうね。
ここではかなりざっくりですが、マジシャンそのものをレストランに例えて
考察してみます。
シェフをマジシャンに置き換えると、その拘りや営業方針が理解しやすいかも
しれません。
料理人の腕はマジシャンのテクニックそのものだし、食器や厨房機器は道具や
イリュージョンそのものです。
最高の食材を使っても腕が悪ければ料理は不味いのと同様に、どんなに優れた
ギミックを使っても、テクニックとセンスがなければ不思議さは伝わらないし、
逆にテクニックがあればリカバリーも可能なわけです。
レストランであれば、最高の食材で最高の料理を提供できればそれに越したこ
はありませんが、スタンスによって様々な形態があって当然でしょう。
ドレスコードが必要なセレブ向けの店もあれば、サンダル履きで気軽に家族で
訪れる店もある…結局は「何を目指すか」なのです。

大雑把ですが、レストランを以下のようなスタンスに分けてみました。
自分がマジシャンであるならば、どのスタンスに最も近いのでしょうか?

・ シェフがメディアで頻繁に紹介されて知名度が高い店
・ 最高の食材と腕で極上の料理を提供する要予約制の最高級店
・ 最高を求められていないが、チェーン店で安価で安定した味を提供する店
・ 辺鄙な立地でも、オンリーワンの料理を出す知る人ぞ知る隠れ家的店
・ 特に理由はなく、近くて夜遅くまで開いてるからなんとなく行く店

まあ、どの店でも繁盛する可能性はあるわけですが、マジシャンのスタンスを
当てはめてみると、自ずと方向性は見えてくるのではないでしょうか。
街の定食屋さんが、あえてミシュラン掲載店に対抗する必要はないし、地域で
愛される店を目指せばいいのです。(野心があれば別ですが…)
三つ星シェフはメディアやプロからの評価が下がれば死活問題ですから、常に
緊張感に苛まれてピリピリしています。
マジシャンも同様に多様性があるので、スタンスが違っても当然として受け入
れるべきなのでしょうが、有名店だから必ず美味しいとは限らないように、
コンテストで受賞したからといって世間に受け入れられたり、ましてやプロと
しての将来が約束されるとは限らないのです。

料理人業界では、長く厳しい修行を経て、いつかは有名店の厨房で腕をふるう
のが目標ですという話を聞くと、王道のストーリーとしてストンと落ちるので
すが、一方マジック業界では、マジックで稼ぐのなんてチョロイとばかりに、
ほぼ素人レベルの若者が夜の店を入り口に参入して、目も当てられない演技を
(それも客からお金を取って)垂れ流しながらワイワイ騒いでいるケースがある
のも事実。
またコロナの影響なのか(実はコロナ以前からですが)、自称一流マジシャンや
世界大会で入賞といった肩書きが売りなのに、そんな偉い人がなんでそんな
場所でそんなギャラでやってんの?というケースも散見します。
生きていくためには背に腹は…ってことなんでしょうが、ミシュランと違って
一般人には全く訴求しない肩書きが返って邪魔をしているような気がしますが…。
(しかしマジシャンてホント同業者に認められたがりだもんなあ、モンドセレ
クション金賞受賞の方がインパクトがありそうなんだけど…あ、独り言です)

コロナ禍で飲食業界も大変なようですが、追い詰められたミシュランの三つ星
シェフだったら、牛丼チェーン店の厨房に立つことはあるのでしょうか?
あって欲しくはありませんが、もしその時が訪れたら潔く辞めるでしょうね。
先が見えないから辞めるのか、先が見えたから辞めるのか…。
いずれにしても、ここはマジシャンとは大きく違うような気がします。

失いたくないスタンスがあるということは、即ち矜持と覚悟があることの「証」
なのかもしれません。

|

マスクに思う

マスクを着ける日常にもすっかり慣れた感があって、外出時に着け忘れる
こともなくなりました。
しかしまあ、マスクを着けなくても冷たい視線を向けられずに済む時代に
戻るのでしょうか?
今暫くは着衣の一部として必須のアイテムであり続けるのでしょうね。

それを裏付けるように、市場には様々なマスクが出回っており、一時期の
マスク争奪戦の頃からすると隔世の感があります。
あの頃ストックしていた中国製を使ってみたところ、ゴムがマスクの接着
面からブッチブチと外れます…安かろう悪かろうならまだ諦めもつきます
が、高かろう悪かろうなので忸怩たるものがありますな。
(マスクからイリュージョンまで…クオリティーの低さは一事が万事)

市場では…機能性重視のマスク、デザイン優先のマスク、アベノマスクに
ホカノマスク、以前から飲食店で使用されていたマウスシールドも見かけ
るようになりましたが、麻生副総理がマウスシールドを着けているのを見
た時、最初はなんでインカム着けてんだろと思いましたよ。
政治家のマスクを見ていて、あえてそれを自分で選択したとしたら、個性
が出るものだなあと感じます。
小池都知事はマスクにはかなり拘っているようですね。
その日の服の素材に合わせてレース柄だったり、ジャケットと同色の淡い
グリーンだったり…。

最初はコロナ感染防止の観点だけでマスクを着用していたので、見かけや
ファッション性には一切関心はなかったのですが、最近は気になります。
出かける前にそれなりの服でビシッとキメても、そこに白い不織布マスク
を着けると、ちょっとがっかり。
洗って使えるタイプの黒マスクなら、あまりファッションの邪魔をしない
気もしますが、何か妙な威圧感とか輩感とかありますよねえ。
デザイン優先で手にしたマスクの中には、ほとんど通気性がなくて、少し
早歩きをしただけで窒息しそうなものまで…もう水がすくえるレベル。

で、先日ドルチェ&ガッパーナのブティックに秋冬の新作を見に行ったと
ころ、そこに斬新で素敵なマスクの数々が…5種類の中から早速2枚購入。
オウム柄のもありましたが、私が着けるとベタ過ぎるので却下。
さらには、マスクとネクタイの同柄のセットアップも展開しています。
あれだけの被害者が出たコロナ禍の負の側面をも、ファッションとして
楽しんでしまおうとするイタリア人デザイナーの明るさとセンスと矜持を
感じるわけですが、今後はマスクコーデも楽しみの一つとするくらいの
前向きな考え方をしないと、コロナ禍を明るく生き抜くことは難しいかも
しれませんね。
ドルチェ&ガッパーナのマスクのサイトは…コチラ

某シティホテルに宿泊後、満足度調査のアンケートがメールで送信されて
きたので、多くの設問に真面目に回答してみたのですが、その最後の設問
が「笑顔が素敵だなと感じたスタッフがおりましたらお知らせください」…
全員マスクしてるからわかんないでしょうに。
設問も時代に合わせてアップデートしなきゃ。

|

« 2020年8月 | トップページ | 2020年10月 »