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2020年6月

再起動

STAY HOMEも一段落、6月からは世の中もそろりと再起動して、日常が戻り
つつありますね。
私はこの2ヶ月間の巣ごもり生活中に、すっかり早寝早起きの習慣が身に付い
てしまい、先日のエントリーに書いた通りしっかりと朝食を摂るようになった
ために、せっかくなら美味しいトーストを食べようと注文したBALMUDAの
オーダー色がようやく届きました。
噂に違わず、いつものパンとは思えないほど美味しく焼きあがるので、これは
食べ過ぎに注意ですな。

さて、再起動とはいってもエンタメ業界の動きは鈍く、マジックのオファーも
12月の案件がちらほらという程度ですが、これもコロナの第2波次第ではどう
なるかわかったものではありません。
どう考えてもこのままではマズいということなのか、真っ赤な「自分アラート」
が発動したので、複業(副業ではなく、複数の本業)を全てこなすべく、東京、
大阪、名古屋の大都市圏を慌ただしく飛び回っております。
飛び回るとはいっても、各地のホテルが休館だったり、何よりも空の路線が約
8割の減便で不便なことこの上ないわけですが、そうなると移動手段は新幹線
が中心となるわけです。(6月は22回乗ります)
結果、時間を有効に使おうと読書量が増えるかと思えば、疲れでウトウトして
思ったほど読了できませんね。(カミュ著の「ペスト」は結構眠くなります)
気分転換に久しぶりに某週刊誌を買ってみると、人気芸人の不倫問題や、小池
都知事の学歴詐称問題等、世間は実に喧しい。
都知事は本当にカイロ大学を首席で卒業したのか?…まあ、都知事選を見越し
てのネガティブキャンペーンの一つなのでしょうが、公人である以上、はっきり
させないとモヤモヤしますねえ。
卒業証書を見せれば済むことですから。

一方、公人ではないマジシャンの場合は、ホント言ったもん勝ちみたいに詐称
がゴロゴロと転がっています。
詐称なんて無関係という程で飄々と生きているベテランだって「〇〇で優勝」と
虚構の過去を引きずって生きていますからね。
優勝カップを見せれば済むことなのに…衣で大きく見せたエビフライの正体
は、カツラがバレるよりもみっともないのです。
この事象についても2年前のエントリーでしっかりと書いていますので、お暇
ならご一読を→「詐称」

さて、自粛明けで飲む方はというと、現在は仕事の後に宿泊先のホテルのバー
で軽く飲む程度で、本格的なクラブ活動の再起動はまだ先になりそうです。
いや、今の生活リズムでは、同伴→クラブ活動→アフターで朝までコースは
もう無理かも。(健康や財布のことを考えれば、その方がいいいんですけどね)

日経新聞によりますと、プロフェッショナル&パラレルキャリアフリーランス
協会の調べでは、コロナの影響で収入が減ったと答えた割合は会社員32.1%
に対し、フリーランスは74.4%ということなので、状況は深刻で一本足打法
の危うさを改めて認識させられます。
そしてこれも記事の一部ですが、アパレル業界は自粛で春夏物を売り逃して、
在庫の山が企業の重荷になっているのだとか…それを裏付けるかのように、
絶対に値引きセールなどしないと断言していた某一流ブランドの担当者から、
VIP客だけを対象にしたセールを開催するので是非!という電話がありました。
急にお誘いを受けても、その手の服は飲みに出かける時かショーの時にしか
着ないので、今の状況では残念ながら不要不急の服としか言えないのですよ。
演じる機会がなければマジック道具も不要不急の代表のようなもの。
ブイブイいわせていたマジックショップもシュリンクする一方です。
(「小さくなるカード」は実演しづらいかもなあ…考え過ぎか)

近頃の移動が多い日常を少しでも楽にしようと、今絶対に必要なものとして、
新しいキャリーを購入しました。
これまではマジックの営業出演やプライベートな旅行で必ず携行していたのは
RIMOWA…何しろ軽くて丈夫なので、大小合わせて7個保有しています。
30年以上使用しているものでも、ボコボコですがまだまだ使えます。
ただ、あまりにもコモディティ化し過ぎて、空港のターンテーブルでも他人の
と間違えそうになるし、少々飽きてきたのも事実。
で、今回購入したのがZUCA(なんか芸名にも似てるし…そういえばZIMAと
いう飲み物もありますね)…その最大の特徴はキャリーに座れること。
新幹線のホームで座っていると、ガン見されます。
また内部は付属のコンパートメントで種類別に仕分け出来、キャリーを立てた
状態で必要な物だけを取り出すことができます。
ホテルの部屋の床やベッドの上でキャリーを広げることに抵抗があったので、
実に快適です。
キャスターも大きくて動きもスムース、転がす音もほとんどしません。
そして何よりもスタイリッシュ!(私はシルバーフレームを選択しました)
機内持ち込み可能サイズなのですが、唯一の欠点は少々重たいこと…でも
RIMOWAとの比較ですから許容範囲でしょう…オススメです。

ところで皆さんの手元には、特別給付金の申し込み書類は届きましたか?
うちにもようやく届いたので送付しましたが、このエントリーを書いている
時点ではまだ振り込まれておりません。
こういうのってホント日本は遅いですよね。
欧米はまずお金を配り、事後に不正をただすのに対して、日本の役所は不正
受給の責任を取らされるのを恐れて、労働、税、法務の多くの分野に専門家
を挟み、プロでなければ使えないシステムをがんじがらめで作って、それが
デジタル化を遅らせて改革を阻むのでしょうね…う〜ん、困ったものです。

で、10万円振り込まれたらどうするのかって?
カード決済したGRAFFの腕時計のオーバーホール代は、9万9千円でした。
…そういうことです。


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THANK YOU HIDE

伝説のマジックバー、銀座「ハーフムーン」が6月6日をもって閉店しました。
5日と6日のファイナルショーは多くのファンで賑わったようです。
私も参加したかったのですが、両日ともに大阪と名古屋で所用が入っており、
残念ながら希望は叶いませんでした。
閉店に伴い、縁のあったマジシャン達の映像メッセージをお願いしている
ので、私にも宜しくとヒデから電話をもらったのですが、お互いが認める
ように、マジック界ではダントツに付き合いが深くて長い間柄であるため、
「短い映像ではとても想いは語れないから、ブログに書くよ」ということに
なりました。
従って今回のエントリーは映像メッセージに代わるものとして、またヒデ
本人に読んでもらうことを前提に書いています。

ヒデとの出会いの詳細は、SPEAKERS Part6の終盤で語っているので、ご覧
ください。

ヒデとは同世代で、出会ってから約30年の付き合いになります。
豪華客船「飛鳥」での出会いから8年の間をおいて、ハーフムーンの前身と
なる「かりん」という店で再会し、以降は東京や福岡で会ったり、全国の
ホテルで共演したり、一緒にラスベガスツアーに行ったり…ハーフムーンが
オープンした2000年代初頭は、私も銀座のクラブでブイブイいわせていた
ので、仕事終わりにはお店に寄って色々と語り合ったものです。

二人は性格も違えばマジシャンとしてのスタンスもまるで違うし、得意と
する演目もリスペクトするマジシャンも全く違ったのですが、唯一の共通
点は短気であること(T-faL並み)…なので、怒鳴り合いの喧嘩も何度か
しましたかね。
まあ、長所も短所も知り尽くしているわけですが(ヒデの奥さんからは、
第二夫人と呼ばれて、絶対にヒデとは別れないでねとお願いされる始末)、
彼の最大の短所は、すぐに人を信じて裏切られること(もう伝統芸能です)…
その速度には呆れ返るばかりなのですが、さらに罪作りなのは、一旦親しく
なると、どんな素性の人物かを吟味することもなく「良い人なんだよ〜」と
紹介して回って繋ごうとする人の良さと軽佻浮薄さ。
猜疑心が強い私がその点を諌めると、「でもズマちゃん、まずは信じないと始ま
らないじゃん」…と可愛いというか本当に純粋というか…。
彼が騙される度に私はいつも心の中で「またかよ! いい加減に免疫作れよ!」
と怒鳴っていました。

長所は皆さんが認めるように、その圧倒的なエンターテインメント性…彼が
マジシャンとして成功したのはマジシャンではなかったからなのです。
若くしてショーパブのトップとなった彼のマジシャンとしてのスタートは
かなり遅く、マジックの基本となるものはほとんど出来ていませんでした。
正確無比な技法を信条とするプロやマニアからすれば、彼のテクニックは
いまだに荒くて大雑把に見えるかもしれませんが、そんな粗を遥かに凌駕
するほどの明るさと演出のセンス…全国になんちゃってハーフムーンが続出
したのもうなずけます。(お気を確かに!というギャグが流行りましたが、
あれは私が銀座のクラブで使っていたのをヒデが使うようになって、全国の
マジックバーで当たり前のように浪費されるようになったのです。ただし、
ヒデは、「ズマちゃん、そのギャグ使っていい?」と仁義を切ってくれました)
この点こそマジックの技法のように練習すればなんとかなるということでは
済まない天性のものなのです。

かなり以前に私はヒデのことを「鬼に金棒」と表現しました。
エンターテイナーとしてのヒデはまさに鬼なのです。
素手でも強い鬼が、マジックという強力な金棒を手に入れたのですから、
もうウケるに決まっているのです。
世の大部分のマジシャン達は鬼になった気でいるだけで、自分が「ただの
人間」であることに気づいていません。
いや、あえて気づこうとしていないのかもしれません。
ただの人間には金棒を振り回す腕力はありません。
マジシャンにとっての「マジック用品カタログ」は「金棒のカタログ」なの
でしょうが、金棒を手にする前に鬼になることが焦眉の急なのです。
早い話が「普段面白くない奴が、マジックやるときだけ面白くなるわけが
ない」ってことですよ。

さて、銀座の鬼は沖縄へと旅立ちます。
きっと現地でも慕われてマジック界のシーサーとなる日も遠くないはずです。

ヒデ、ありがとうね。
あなたは日本のマジックバーの世界に、不滅の金字塔を打ち立てました。
そして、あのサインにまみれたハーフムーンの壁は、そのままファンの心の
壁紙となっていることでしょう。

ヒデそしてハーフムーンに栄光あれ!




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