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消えゆくもの

先日、某ブランドショップの財布売り場での話ですが…世界の一流ブランド
が、これだけの種類の財布を製作して輸出しているのは日本だけになりつつ
あるとか。
なぜなのか…それは世界でも日本人が断トツの現金主義だから。(そういえば
どのブランドの財布も日本の紙幣にピッタリサイズで作られていますからね)

北欧を中心に世界で進むキャッシュレス…なんとデンマークでは2016年末
をもって、中央銀行がコインと紙幣を作るのをやめたそうです。
スウェーデンでは現金を出すと、一発で観光客だとバレるのだとか…。

韓国を筆頭にアジアにもその波は及んでおり、電子マネーが急速に普及して
いる中国人にとっては、日本の観光地で電子マネーを使える店が少ないのが
不満になっているようです。
裏を返せば、ニセ札が横行して自国通貨を信用していない中国人が電子マネー
に流れるのは自明の理であるし、自国通貨を信頼する日本人はタンス預金に
勤しむ…実に対照的ですね。
それと現金には匿名性がある一方、電子決済だと誰かにトレースされてしまう
リスクがあるわけで、タンス預金が好きな日本人の気質としては、その辺り
にも電子マネーに対する抵抗感があるのでしょうね。
いずれにせよ、現金を必要としないグローバル社会がそこまで来ているのは
論を俟ちません。
現金主義の日本も、この流れには抗えないでしょう。

そこで私が危惧しているのが、近未来、キャッシュレスの世の中になったら、
コインや紙幣のマジック、ワレットを使ったマジック等が消えゆくのではない
かということ。
もしもこの世から現物の通貨がなくなれば、紙幣のtorn&restoreや紙幣プロ
ダクション、マイザーズドリーム、さらには数々の名作コインマジックやワレッ
トのマジックが消えゆくわけで、マジシャンにとっては相当な痛手でしょうが、
これらの現象が見れなくなる観客にとっても不幸なこと。
まあ心配性な私の杞憂で終わるでしょうが…。

そういえば1996年でしたか、オーストラリアのメルボルンのコンベンション
に参加した際、現地の紙幣がプラスチック製であることを知って、これは
torn&restoreが演じづらいだろうなと思った記憶があります。(破れないので
ハサミで切るしかありませんからね)
今でもプラスチック製なのかなあ。

次回に続く…。

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