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この秋の読書レビュー

あっという間に師走、記憶が薄れる前にこの秋に読んだ本の中から3冊の
レビューを…

・ 「富裕層のNo.1投資戦略」  高岡壮一郎 著  (総合法令出版)

まずはこの事実…「日本で販売されている投信で過去10年以上年率10%
以上のファンドはゼロ」(私も複数の投信を所有していますが、たしかに
そんな年率のファンドはありませんね)
それを知った上で理想的なローリスクハイリターンを実現するためには、
世界の富裕層がそうしているように、ヘッジファンドに投資しましょうと
いうのが本書の主旨です。
ヘッジファンドと聞くと敷居が高くて、投資額は数億円以上が条件とかの
イメージがありますが、著者曰く1000万円程度からの投資も可能になって
いるとか…。
トップクラスのファンドマネジャーは資産が数千億円ではなくて、年収が
数千億円…つまり世界の富裕層は高い手数料を承知の上でヘッジファンド
を利用することで、トップクラスのエリート集団の頭脳を借りていると
いうことです。
リーマンショックで世界株式、不動産、金属、原油等が軒並み下落して、
国際分散投資が世界的金融危機には無力であることを露呈した時期でも、
ヘッジファンドが利益を出し続けたのは紛れもない事実ですからね。
本書はなにも富裕層にだけ役立つ本ではありません。
世の中、人それぞれの価値観があり、その優劣はないのですが、富裕層が
なぜヘッジファンドを利用するようになったのか…その背景や理由を知る
ことは、一個人投資家にとっても今後の利益を生み出す確率を、飛躍的に
高めることに繋がるでしょうね。

・ 「富山市議はなぜ14人も辞めたのか」 チューリップテレビ取材班(岩波書店)

2016年、政務活動費の不正受給をめぐって、14人もの富山市議会議員が
ドミノ辞職した事件の真相を綴ったドキュメントです。
北陸のローカルニュースでしたが、全国区のニュースで取り上げられたこ
とで、私もかなり興味を持って注目していた事件でした。
それまでも全国的にも最高レベルの報酬を支給されているにもかかわらず
「市議会のドン」といわれた自民党市議を中心に、議員報酬をさらに月額
10万円引き上げようとの動きを察知したテレビ取材班が、情報公開制度
を活用して政務活動費の領収書の開示請求を行ったことが、不正を暴く
重大な糸口となりました。
読み進めると、まあ腹の立つことばかりで…辞職した議員が政務活動費の
使途について記者会見の場で「まあ飲むのが好きなもんですから、誘われ
れば嫌と言えない性分で。ほとんど飲み代です」と告白していたニュース
映像に呆れたことを鮮明に覚えています。
ドミノ辞職の結果の補欠選挙と2017年4月の選挙を経ても、不正をした
者5人が再選されるとは…いかに富山が保守王国とはいえですよ、富山
市民の皆さん、それでいいんですかね?
いつぞやの号泣議員のニュースで、政務活動費の不正受給があれだけ注目
された後でのこれですからね。
早い話が政務活動費を前払いせずに、精査した領収書と引き換えに後払い
すればいいのに、実施しているのは一部の自治体のみで全国的に広がらな
いのはなぜなんでしょうね?
それにしても熊本の猛女、北口市議もインパクトありますねぇ。

・ 「中国絶望家族」   メイ・フォン 著   (草思社)

30年以上にも及ぶ「一人っ子政策」は中国をどう変えたのか…その人口
政策の矛盾を鋭く分析した一冊です。
2016年に二人目の出産を認め、一人っ子政策に一つの区切りをつけた
わけですが、その手法は共産党一党支配という強大な権力の下に、違反
者への罰金を徴収したり、子供の戸籍を与えなかったりという恣意性と
暴力性に満ちていたようです。
政策施行から30年以上経ち、経済発展のスピードが鈍化し高齢化が進め
ば当然のように年金が不足する一方で、親孝行の基準は国が作り出すわけ
ですが、財力が低下した親と向き合う余裕がない子供達は親孝行の概念を
崩壊させているという現実に警鐘を鳴らしています。
著者のメイ・フォン氏は妊娠、流産、不妊治療、出産と経験していますが、
このことが本書の力強い描写と鋭い分析に活かされているのでしょう。
親になるとは「新たな発見を繰り返しながら人間として成長する」ことな
のに…最後の言葉は重いです。
読了後の率直な感想…ああ、日本に生まれてよかった!

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