GWの読書レビュー 1
このGWを挟んで買いだめしていた十数冊(多くは政治と経済関連ですが)
を読みましたので、印象に残った4冊を2回に分けて紹介します。
・ 「父と私」 田中眞紀子 著 (日刊工業新聞社)
近年、故田中角栄元総理の功績が見直され、ベストセラーとなった「天才」
(石原慎太郎 著)を筆頭に、角栄関連本が書店で平積みされているのをよく
見かけるようになりました。
本書の著者は、角栄氏の娘にして自身も衆議院議員として外務大臣等を
歴任した眞紀子氏です。
氏は冒頭で、世の中で最も煩わしいのは「他人から父についてあれやこれ
やと聞かれること」と明かしていますが、それでもあえて筆をとったのは
最近の角栄関連本の多くに「揣摩臆測や伝聞、自己宣伝目的」を感じたため
だそうです。
本書では物心ついて父が亡くなるまでの47年間の出来事を丹念に追いな
がら、側近の裏切りや温情、特にテレビでロッキード事件の一報を見た時、
「これは何だ!!」と音量を上げさせたエピソード等、昭和政治の重い鼓動
を臨場感豊かに描写しています。
・ 「日本経済論講義」 小峰隆夫 著 (日経BP社)
副題に「ビジネスパーソンのたしなみとして」とあるように、経済のことを
「理解しているつもり」でいる人たちを対象に書かれたものです。
所謂ノウハウ本ではなく、政策や制度についての問題点に切り込んでおり、
財政再建と社会保障等、日本経済の重要テーマを丁寧に解説しています。
景気の予測、経済統計の注目点、民間予想の活用法等、知っておけば自分
なりの経済指標の見方を磨く上でかなり役立つでしょうね。
私も「ねんきん定期便」で知る将来の年金額の少なさに驚愕し、老後に備えて
資産の大半を投資で運用している現在、自らの金融リテラシーの知識の骨格
を補強する意味で大変参考になりました。
次回へ続く…
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