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2016年5月

腕時計業界は強気

5月25日の日本経済新聞によると、節約志向も指摘される国内消費の
中で、高級腕時計の一部ブランドでは強気の値上げが続いているとの
こと…カールF・ブヘラが10%、ドゥグリソゴノが4%、オーデマ・
ピゲやオメガも一部モデルを値上げしました。(個人的にはブヘラの
エポテックビッグデイトブルーモデルがずっと気になっています)
値上げの理由としては、金属などの原材料が値上がりしていることと、
機械式時計は構造が複雑なため、時計職人の人件費が膨らむ傾向にあ
ることのようです。
財務省貿易統計によると、2015年のスイスからの腕時計輸入数は、
137万個(前年比3%増)、金額ベースでは2400億円(同18%増)、
腕時計の国内市場は9002億円(同18%増)…そりゃ強気になるわ。
(弱気でデフレが続くマジック業界とは真逆ですな…ああ、情けない)
 
ところで、愛用しているフランク・ミュラーブルームーンがオーバー
ホールから帰還しました。
外装も磨かれてピッカピカ…夏に向けてブルー系の小物や服に合わせ
やすくて重宝している時計なので、この夏もヘビロテ必至。
それと入れ替わるように、リシャール・ミルRM023がオーバーホール
に出向(約一ヶ月半のお別れ)…何度か夜のクラブ活動を我慢しなきゃ
ならない見積り額でしたが、機械式時計所有者の宿命でもあるし、出番
のないイリュージョンを購入して後悔するよりは有意義な出費だと自分
を納得させています。
 
フランク・ミュラーウォッチランド新作発表会である「WPHH JAPON
in TOKYO」が6月24日にシャングリ・ラ ホテル東京で開催されます。
同じくフランクオーナーである後輩マジシャン北原禎人氏と共に招待さ
れたので、一緒に行く予定です。
久しぶりに目の保養になりそうです。(ブルーべリーやアイボンよりも
効果があるのでは)
 
またこの前後には、怪しいメンバーで会食予定…深い話になること必至
なので、どうなることやら…。

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時代に抗う…車

米国に端を発し、費用負担が1兆円を超えるとされるタカタ製エアバッグ
リコール問題…対岸の火事だと思っていたら、我が愛車のエアバッグも
同社製品だったらしく、リコールのお知らせが届いたので、さっそく交換
してもらいましたよ。
これでエアバッグの破裂で殺されることはなさそうなので、ひとまずは
安心していますが、グローバル企業の問題は、一気に世界中に拡散するも
のだと改めて認識した次第。(燃費データ改ざん問題で揺れる三菱自動車
も日産が救済するようですが、どうなることやら…)
 
コンプライアンスや規制の強化を先読みして進化し続けている分野の代表
格が、自動車産業であることは論を俟たないでしょう。
メルセデスやBMWもプラグインハイブリッドに力を入れてますね。
当然といえば当然ですが、燃費の優れたエコカーの普及に反比例するかの
ように、全国的にガソリンスタンドが減少しているようです。
地方の高速道路では、百数十キロに渡って給油所がない区間があり、非常
用のガソリンの缶詰が売られているというニュースには驚きました。
携帯電話の普及と共に、街中から公衆電話が姿を消していったのを彷彿と
させますね。
 
さて、そんな時代にあえて抗うように颯爽と登場したのが、日本デビュー
も果たしたGMのキャデラックVシリーズ
格や価格帯の面からも、競合はメルセデスのAMG、BMWの7シリーズ、
マセラティあたりですね。
もちろんキャデラックにもCTSシリーズにハイブリッドモデルがあるので
すが、時代に抗うようにこんなアメリカンマッスルの塊のような車を作る
という心意気と遊び心がニクいじゃありませんか。
最近の、丸みを帯びたボディにちょっと吊り上がった目のブームに乗っか
った車達を、鼻でせせら笑うかのような直線で攻撃的なこのデザイン!
見た目だけではなくV8スーパーチャージド直憤エンジンは、停止時から
時速100kmに到達するまでの時間が、3.7秒という桁外れのパワー!
 
こういう話題になると必ず「日本の公道で、そこまでのパワーが必要なの
か?」という野暮なことを言う人が出て来るものですが…必要なのです!
無駄と思われるくらいのパワーがある方が無謀運転さえしなければ、追い
越しや危険回避の素早さでの安全性が高いことは事実だし、この手の車を
乗り継いできた人なら体感しているはず。
燃費は一昔前よりは改善されているとはいえ、このクラスの車に触手が動
く人達は、維持費に関しては全く気にしていないでしょう。
 
マジシャンでも、お手軽な似たり寄ったりの演技が跋扈する現在、他人の
常識なんかに影響されずに「えっ、そこまでやる!?」と思われるくらい
の方が、圧倒的なインパクトを残せるもの。
このVシリーズをマジックで例えたなら、コンプライアンスそっちのけで
火ボウボウ、動物バンバン、特効ドッカンドッカンって感じで、個人的に
「どストライク!」…マジックショーのコンプライアンスも緩かった時代
のノスタルジーを感じざる得ないんですよねえ。
 
今のうちに乗っとかないと絶滅危惧種(あっ、マジシャンとしての自分も
ですが)になるのは間違いなさそうですが、このVシリーズよりも気にな
るのが、今後のフラッグシップになるであろうElmiraj Concept…とにかく
このカッコ良さとインパクトはなんなんだ!
PVで、シートに座ってステアリングを握った男性が思わずニヤけるんだけ
ど、その気持ち…なんかわかるわ〜。
 
過去を振り返るとデカい車ばかり乗り継いで来たので、まだ暫くは運転は
大丈夫と思うけど、次の車は年齢も考慮して比較的小ぶりにするのが現実
的なのかなと感じているこの頃(街中のパーキングも狭いしね)…しかし
Elmiraj Conceptのような車と一緒に、いつまでも時代に抗っていたいもの
ですなあ。

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かっこ悪い

あれについてどう思う?…と結構質問されたので、書きましょう。
 
先日話題になったフランク・ミュラーのパクリ腕時計「フランク三浦」
問題…超一流ブランドの本家がこの程度のパクリにそんなに目くじら
を立てなくてもという意見もあるようですが、事の善悪は横に置いて、
何がかっこ悪いって、パクった側が商法登録するってことはですよ…
「俺はパクったけど、俺のをパクることは許さん!」と主張している
のと同義。
ホント、シャレ時計のくせにシャレにならんことするなってことです。
昨年プレゼントで頂きましたが、笑ってもらうのが目的の時計が笑え
ないことをするとなると、着ける意味は全くなくなりますな。
今回の案件が頭をよぎるだけで、話題がそっちに飛んで面倒くさいし。
まあ、そもそも本物を持っていないのにパロディ時計だけでウケを狙
うとすれば、その動機だけでも充分にセコくてかっこ悪いのですが…。
 
ついでに、マジック界にもかっこ悪い(どちらかと言えばこの業界は
セコい要素の方が強い)話は色々とあるもので…。
 
海外のオリジナル商品を、タイトルとデザインを少し変更して、さも
自社商品のように見せかけたり(昨年のエントリーで指摘したゼブラ
シルクはその一例)、最近の中国・韓国は、質を落として見かけだけ
を完コピして、解説のDVDだけ本物から複製したものを添付するなど、
時代と共に手法も狡猾で悪質化しているようです。(お金を頂く立場
であるプロマジシャンが、コピーイリュージョンと知りながら購入し
たり、営業が少ないからなのか生活のために自らコピー商品の製作・
販売を手掛けてアマチュアに売りつけるなど、かっこ悪さ、いやセコ
さ全開ですな)
 
以前読んだ本によると、同じコピーという行為にも中国人と韓国人の
間には、お国柄の違いがあるんだとか…中国人はコピーであることを
さほど隠そうとせず、いかに忠実に再現しているかを自慢し、本物を
買うよりは絶対に得だとセールスすることもあるが、韓国人は明らか
なコピーだとバレていても、徹頭徹尾これは本物だと主張して売りつ
けようとする傾向があるとのこと。
 
これ、中国人はコピーすることに対するハードルが低いというのか、
知的所有権を理解する神経回路や受容体が欠如している点で、文化的
教育の後進国であることは周知されているし、テーマパークのあの歪
なパクリ着ぐるみに象徴されるように、多くの人は「毎度、しょうが
ねえなあ」という、諦めに近い感情を抱くのではないでしょうか。
 
一方の韓国人は、既に先進国として認識されてはいるものの、実は
コンプレックスに苛まれ、勝ち負けに拘り(だからコンテストが大好
きなのよね)、学歴や外見の見栄を最重要視(だから整形大国なのよ
ね)、我が民族は世界一優秀ニダとばかりにプライドが高いせいか、
史実も自国に都合よく捏造して、嘘がバレても絶対に謝らないという
風潮(他人には公開謝罪させたがるのよね)は、たかがコピー商品を
作ったという事実は同じでも、タチが悪くて可愛げがありませんよね。
ちなみに韓国の犯罪において、どこの国でも多い窃盗などの軽犯罪を
除けば、最も多いのは偽証罪ですと…納得!
 
あ、先月から自身の誕生日プレゼントとして新たなリング購入で悩ん
でいましたが、ブシュロンはちょっとケバ過ぎて今回は却下。
結果、ダミアーニメトロポリタンドリームのブラウンゴールドに決定。
ゴールド系の腕時計との相性も良く、ピンキーサイズにしたのでクロ
ースアップショーのパフォーマンスの支障にもならず、内側の加工が
滑らかなおかげで、ロープ&リングも演じ易いことと、なによりその
美しさに大満足なので、今度こそ紛失に注意しなければ…。
 
この春も多くの本を読破しましたが、忙し過ぎてレビューを書く暇も
なく、時間の経過と共に内容の記憶も曖昧になるため、つい最近読み
終わって面白かった本を一冊だけ紹介します。
この本、私と同じく読書魔の後輩マジシャン・北原禎人からプッシュ
されて購入したものです。
 
  ニューカルマ  新庄 耕 著  (集英社)
 
所謂、健康食品や洗剤のネットワークビジネスにハマり、職場の同僚
や友人達、そして家族の信用までも失って堕ちていく若者の物語です。
親友を始めとする周囲の助けによって一度は立ち直るものの、再び新
たなネットワークビジネスに人生を絡みとられる恐ろしい様を、著者
独自の緻密な描写でぐいぐい引き込んで、一気に読ませるパワーには
驚きました。
皆さんの周囲にも一人はいませんでしたか?
どっぷりハマって誘って来る古い知り合い。
私の場合、過去三人いましたね。
「夢はありますか? それを叶えるために不労所得があったらいいと
思いませんか?」等、説明内容や説得の仕方が実によく似てるんです。
なにより、イッちゃってるのに澱んだ目は共通してて、友人を巻き込
んで上納金を徴収して、楽して生きて行こうという都合のいい夢を見
ている目でしたね。
ですから、顔も思い出せない程度の古い知り合いから久しぶりの連絡
があると、まずこの手のビジネスのお誘いか、タダ同然の出演依頼の
どちらかと思って間違いありませんね。
 
ネットワークビジネスで思い出しましたが、お金持ちのアマチュアに
媚びを売りながら群がるプロマジシャンが、一番かっこ悪いかも…。

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