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2016年1月

それぞれの戦略

アップルウォッチに触発されたのか、腕時計の有力ブランドであるタグホ
イヤーが開発したスマートウォッチ タグホイヤーCONNECTED…昨年アメ
リカと日本で先行発売された後も、世界中で売れ行き好調のようです。
メーカーが謳うその特徴とは…卓越した時計製造技術と最先端の技術革新
とが融合し、チタニウム、サファイア、さらに最高峰のタッチスクリーン
テクノロジーによって構成される技術的創意工夫の結晶であり、Google
Playストアにある4,000ものアプリがダウンロードできる最新バージョン
のAndroid Wearが搭載されており、iOSにも対応しているとのこと。
(う〜ん、凄いんだろうけど、腕時計は単なるファッションの一部として
コレクションしている自分にとっては、必要のない機能が満載ですな)
 
確かに、一見機械式腕時計の風貌で、タッチスクリーンによって文字盤の
デザインを変更できる点などは、ファッションの面からは画期的ですね。
伝統を尊重しながらも最新を追い求める戦略なのでしょうか。
 
一方、高級腕時計ブランドとして知られるオメガも強気のようで、直営と
提携企業によるフランチャイズの販売網357店を500店に増やす意向。
昨年末に発売開始した新モデル グローブマスターは、不具合発生の最も
多い原因とされる磁気帯びにめっぽう強く、MRI内部と同水準の1万5000
ガウスの環境にも耐えて誤作動を防ぐとか。
また、歴代作品で提携するスパイ映画「007」については、公開ごとに、
販売が10%以上伸びるとのこと。
古くは、宇宙飛行士が着用したまま月面着陸したことで有名になったブラ
ンドだけに、昔から堅牢でアクティブなイメージがありますね。
 
今後の戦略も保守的でタグホイヤーとは対極にあり、流行のスマートウォ
ッチとは距離を置くようです。
オメガ ウルクハート社長談:「スマートウォッチで新たな顧客を獲得でき
ても、ごく僅かにとどまるだろう。2年で廃れる技術なら、オメガを造り、
持ち続けることの意義に反する」
 
この二つの戦略…どちらが正しいということではなく、マジシャンとして
もブレない「戦略」が必要だと痛感した次第。
 
戦略無きマジシャンはキャラが固定せず、自称イリュージョニストと謳い
ながら、ものまねレベルのスプーン曲げで糊口を凌いだり、超魔術やスト
リートマジック等、その時々のブームに都合よく二番煎じで便乗し、最後
まで自らのブランドイメージを構築できずにいるもの。
カメレオン商法や二番手商法…ホント嫌悪感。(他山の石としましょう)
 
ところで、都内で6人のマジック関係者による討論会が行われるというこ
とで、ふじいあきら氏と共に参加してきました。(パネラーの一人である
銀座ハーフムーンのヒデ氏から熱心なお誘いを受けたので…)
討論のテーマは多岐に渡りましたが、ほとんどが説得力ある戦略どころか
不毛な価値観の押し付け合いで辟易。
唯一、斉川豊久氏の話が傾聴に値しましたね。
なぜなら、数十年に渡って豪華客船の専属マジシャンとして、氏のみが
体験し見て来た景色は全く違うから…そこに異論を挟む余地はなく、貴重
な話を拝聴できました。
 
映画「ブリッジ オブ スパイ」を鑑賞…米ソ冷戦下での綱渡り的戦略を細部
まで丁寧に描いています。
特に、冷戦下の古典的佇まいを抽出して映す美術効果は圧巻でしたね。
冒頭に、諜報活動の一部としてトリックコインを使用するシーンがありまし
たが、これが本来の使い方だったのかもしれませんね。
 
先日、4Kテレビ REGZA Z20X 65型を衝動買い(あぁ、また腕時計が遠のい
てしまった)…想像を超える美しい画面に息を呑みました。
最近は4Kどころか8Kも販売されている時代なので、巷間云われるように、
女性タレントが小ジワ対策の戦略に追われるのは当然ですが、マジシャンも
今後テレビに出るならば、○○が見えないように綿密な戦略を練る必要があ
りますな。(もう、蝶々飛ばしちゃダメよ!)

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風物詩?

毎年、デパートの初売りのニュースで、福袋のために早朝から並んで、
我先にとばかりに押しかける光景は、お正月の風物詩ですよね。
 
今年も福袋をゲットして喜んでいる方が、ここを読んでいるとしたら
水を差すようですが、福袋に入っていた物全てを愛用した経験がある
人なんて皆無なのでは?
 
そもそも、なぜ「福袋」をつくるのか?…それは、見せると買っても
らえない売れ残りだからでしょう。
そんな売れ残りを隠してまとめて売りさばくのが実態である福袋を有
り難がって奪い合う光景を毎年見る度に、なんだかなあと複雑な気分
になります。(まあ、売買しているお互いが幸せならばウィンウィン
の関係だし、どうせ他人事ですからどうでもいいんですけどね)
 
アパレル業界の有名専門家が本に書いていましたが、ある都市伝説で
「宣伝効果を狙って良い品物を入れているブランドもある!」という
のもウソ…なぜなら「普段、定価で買っている客層」と「福袋を買う
客層」は異なるからだそうです。
つまり福袋を買う客は普段からそのショップを利用しておらず、定価
で買う常連客は、この時期にはすでに欲しいものは手に入れているわ
けで、わざわざ期待値の低い福袋を買う必要がないということ。
 
多くのショップやブランドは「普段は買わない客層」を舐めているか
らこそ福袋には「売れ残り」を詰め込むわけで、残酷ではあるけれど、
どうせ定価では買うつもりがないのですから、お得意様と区別されて
も仕方ありませんね。
 
ブランド品のセールも似たようなものです。
私も30%OFFセールの案内が届いて、その期間中に他に外出する用事
があって、ついでに立ち寄った際に、以前見て気になっていた服が運
良く残っていれば購入することはありますが、セールという理由だけ
で出かけることはまずありませんね。
はっきり言えば、セール品も定価では売れなかった余り物ですからね。
 
さらに、セールでも売れなかった品に70%OFFの赤札が付くことがあ
りますが、アパレルの原価は30%といわれているので、利益無しでも
在庫を抱えるくらいなら…と投げ売り状態なわけですよ。
なにしろ余り物の中の筋金入りの余り物で、全ての客からダメ出しを
食らったも同然のとびきりの余り物ですから、そんな服を着て気分が
高揚するわけがないし、絶対に買うべきではありませんね。
 
巷間、マジック道具でも、福袋やらセールやらと耳にすることがあり
ますが、売る側も買う側も一応表向きは「お客様に夢と感動を…」と
謳うマジシャンであるならば、その売買行動やそのマジックを見せら
れる客には夢があるのか否か…。
 
ましてや、売買される物がコピー商品であれば論外ですが、お互いに
分かっていながら取引きしているとすれば、ブラックなウィンウィン
関係…残念ながら現在のマジック界の風物詩なのかもしれませんね。

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2016年を迎えて

新年あけましておめでとうございます。
 
12月後半のトピックを少々…。
 
昨年末は慌ただし過ぎて、ついに一度も忘年会に参加することができませ
んでした。(主催者の方々、ごめんなさい)
しかし、様々な方々や久しぶりに会うマジシャン仲間と会食する機会は多
かったので、個別に忘年会をしたも同然だったかもしれませんが…。
で、お誘いのある新年会こそはと思ってはいるのですが、1月中旬までは
東京往復等、何かと所用が多くて夜のクラブ活動もままならない状態。
(同伴を約束していたおネエ様方、ごめんなさい)
 
忙しい中でも映画「杉原千畝」と「クリード チャンプを継ぐ男」を鑑賞。
どちらも感動的でしたが、特にクリードは良かったですね。
多くの評論家も絶賛していますが、ロッキーとクリードの人生に対する
丁寧な二焦点の作劇に、1970年代から続くシリーズの歴史の重みを巧み
に乗っからせて感動を倍増させる手法。
まさに、魂のバトンリレーですな。
 
腕時計に関しては、ロジェ デュブイ エクスカリバー42がオーバーホール
から帰還…巻き上げもスムーズになり、コンプリート仕上げでピカピカに
磨かれたローズゴールドケースは、実に美しくて惚れ直しました。
スイス本国に修理に出したドゥラクール ビクロノも今月中に帰還予定。
今年は腕時計のオーバーホールオンパレードが必至で、新たな一本を購入
するのも我慢の年になるのかなあ。
 
北陸でのマリック氏との共演…氏は直前までグアムに滞在されていたよう
なので、気温差にびっくりの様子でしたが、帰国後すぐに総理官邸に招か
れたそうです。
写真を見せて頂きましたが、安倍首相の手の平でコインの貫通を演じてい
るショットで、昭恵夫人の食い入るような表情が印象的でした。
 
さて、北陸でのショーですが、まずマリック氏がオープニングに2演目、
続いて私が3演目、そしてマリック氏が6演目という構成で、後半6演目中
4演目でコラボしました。(自分単独のパートよりも緊張しますね)
その中でも最も印象的だったのが、腕時計を使ったロシアンルーレット…
私が観客から借りた高級腕時計を6つの紙袋のうちの1つに入れて(5つは
ダミーの腕時計入り)シャフルし、指定された紙袋を1つずつ破壊して、
無事だった最後の1つに客の腕時計が入っているという演出。(いつぞや
の携帯電話の惨劇が頭をよぎりました…ああ、まさにデジャブ)
 
2つの紙袋が残ったクライマックス…不安げな顔の客を尻目に、ハンマー
を手にしたマリック氏が平然と言い放ちました…「あ、大丈夫です。もし
失敗したらお詫びとして、ZUMAが今着けている腕時計を差し上げます」
はあ!? なんですと!? (軽く殺意を覚えましたよ)
結果的には成功したから良かったけど、この巨大なダンプの左折に巻き込
まれた感じは何?…。
あの時、あの空間で、あの超魔術の成功を誰よりも願っていたのは、間違
いなく私だったでしょう。
 
まあ、そんなこんなで慌ただしい年末でしたが、移動の機中やホテルでも
少しずつ読書をしていたので、次回はまた面白かった本を紹介しますね。
 
とりあえず、本年も宜しくお願いします。
 

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