それ、習慣でしょ
最近話題のデザイン盗作騒動…すでに多くの人がコメントを出しており、
その主張も概ね同じような感じですが、実は水面下にひた隠しにしてきた
「パクリの習慣」の一部が、たまたま露呈しただけのことなのでしょう。
五輪エンブレムの他にも次々にほじくり返されて…もうイメージボロボロ
だけど、エンブレムは変更せずにこのままやり過ごしそうですね。
実は私、サントリーのオールフリーが好みで晩酌用に箱買いしているほど
なので、例の景品のトートバックを申し込もうとしていた矢先のニュース
でした。(先日、応募ハガキは出しましたよ。希望したのは問題はないと
される黒猫のデザインですが、それもケチがついたという噂が…ちゃんと
届くのかなあ)
トートバックの件はデザイン事務所のスタッフがやらかしたことになって
いますが、それが事実なら、チェックの甘さも習慣になっていたのだろう
と容易に推測できます。
今後、真相は明らかになっていくと思いますが、以下のような本人の記憶
が曖昧なケースも。
隣国の女性ベストセラー作家が、三島由紀夫の「憂国」の一部を盗作した
というニュースが話題になりましたが、本人が盗作を認めた時のコメント
が面白過ぎて…「記憶をたどっても、憂国を読んだ記憶は出て来ないが、
今では自分の記憶が信じられない状況になった」(ケンチャナヨ?)
この作家も以前から何度も盗作疑惑を報じられているらしいので、これも
日頃の習慣が結実して大きな報道になったのでしょう。
マジック界でも、パクリ騒動は習慣というよりも年中行事(多分、太古の
昔から)のように繰り返されています。
例えば(書くと波風立つから、ちょっとだけよ)その内容も、某国の業者
がオリジナルイリュージョンを完コピ(コピーと知ってて使うプロが一番
みっともない)や、デザインのみを変更したり(縦とか斜めとか)、レク
チャーDVDや解説本から商業的無断引用したり、手順構成、演出、BGM、
衣装等を含めたキャラクターそのものの模倣(なんちゃって○○ですね)
等…まあ、様々。
パクられた側は怒り心頭でも、残念ながら業界自体がマイナーだからか、
五輪エンブレムのように、一般人が自分のことのように興味を喚起される
わけもなく、当事者同士のトラブルとして矮小化されて業界の話題にもな
らなくなり、パクリ側の実効支配が成就してうやむやになるんですよね。
ネガティブな事象が習慣化するのは良くないことですけどね。
ただし、パクりを指摘しても居直られたり、糊塗しようとする輩の不誠実
な態度に尊厳を傷つけられた場合は、損害賠償請求を度外視(どうせ払え
ないし)して謝罪のみを求めて、断固たる行動に出るのも有りですよ。
私の体験談ですが、その当時、自分としては結構な予算を投じて製作した
宣材のキャッチコピーを南九州の片田舎のバーマジシャンにパクられた時
、弁護士を通じて内容証明を送付し、本気で提訴の動きを見せるやいなや
速攻土下座謝罪されて拍子抜けしたこともありましたしね。
何処かに騒動を丸く治めてくれる権威ある組織があればいいのでしょうが
日本の業界は昔から習慣的にモメているのが実情のようで…組織をあげて
タネ明かし番組に抗議しても、テレビ局には軽くあしらわれるわ(組織の
マジシャンが暴露してたり、マスクを被ってでも出たい欲望が見透かされ
てるし)、いがみ合っていた者同士がくっついたり離れたり(ビジネスが
絡むと節操ないし)、八方美人は暗躍するわ、新興組織と老舗組織が反目
するわ、組織内の予算の奪い合いからパワーバランスが壊れるとやれ除名
だの脱退だの…ことほどさように、魑魅魍魎が跳梁跋扈するかまびすしい
業界ですから、最終的には専守防衛・個別的自衛権しかないでしょう。
その昔、日本の大御所マジシャンに十八番のフローティングバイオリンを
パクられたノーム・ニールセンが来日した折、朝駆けで自宅に押しかけて
謝罪させたことがありましたが(1983年 季刊 不思議8号 41ページ参照)
わざわざ招聘した大物外国人ゲストにこんなことをさせるなど、組織とし
ての自浄機能が壊死している証左そのものですよ。
また熟考が必要なのは、性善説からか、はたまた集団的自衛権を行使する
つもりなのか、真相や歴史を調べることもせずにパクリ騒動に首を突っ込
んだまではいいけれど、み〜んな(もちろん自分もね)多かれ少なかれ
脛に傷を持っているので(昔の映像を観ればそりゃあ…)、必要以上に
他人を責めるとブーメラン現象で自分に跳ね返りますから…みんなで一斉
にブーメランを投げたら、間違いなく自分のブーメランで大怪我します。
義勇心からの軽佻浮薄な行動は考えものですね。
まあ、ゼブラシルクくらい「白黒」がはっきりしてればいいんですけど。
お盆の前後でしたか、テレビで水族館の特集を観ていたら、水族館がブラ
ック企業のようなマジックバーチェーン店、魚達は経営者に搾取される
レギュラーマジシャンに思えてしまって…イルカやアシカのショーはさし
ずめジャグリングやイリュージョン?
厳しい自然の中で、捕食される危険性を覚悟して大海原で自由に泳ぐ道を
行くのか、エサはもちろん観客までも集めてもらって日々同じ水槽の中を
ぐるぐる泳ぎ続けるのか、そしてそれが「習慣」になった後、大海原に
出る勇気はあるのか…どちらがいいのかなあ?
えっ私?…もちろん観客になりたい! 次は鵜匠のようなブラック経営者!
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