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盛況でした!…パラノイア20周年

8月25日、北部九州はとんでもない豪雨に見舞われて、最悪の事態が
頭をよぎりました…「羽田ー熊本便が欠航になったりして」…前日の
夜にマリック氏から冗談めかして「もし行けなくなったら代わりに演
っといて」と言われたことが現実になるかもと焦りに焦ったのでした。
(主催の金芳氏はもっと焦っていたと思いますが)
 
結局は交通網の乱れは無く、マリック氏も私も300名の観客の皆さん
も無事に到着し、タイトル通りに盛況なディナーショーとなりました。
 
私の乾杯の挨拶でパーティーはスタートしたものの、ショーの冒頭の
重要な伏線を張る役をマリック氏から仰せつかって、再度ステージに
登場することになったので、お酒も食事もすんなりと喉を通りません
でした。
始まってみればその伏線は上手くハマッたので、その後はグラスを傾
けながらゆっくりと楽しみました。
 
ところでステージショーの場合、対象となる観客は数十人〜数百人、
あるいは千人単位のこともありますが、この「規模」というのが演目
を決定する際に最も重要視されがちです。
「今日は小規模なパーティーだからテーブル浮かす程度で充分だろう」
とか「来週は大ホールだからイリュージョンを何台か持って行くか」…
てな感じですね。
 
だって大ホールで小さな出し物演ったって、見えなきゃ意味無いじゃん
という意見もあるでしょう…ごもっとも。
 
しかし経験豊富なマジシャンであれば、こんな経験はありませんか?
小規模パーティーにわざわざイリュージョンを持ち込んで、充分に見え
る状態であるのに、演じている自分の目と鼻の先で客同士ビールを注ぎ
あったり、名刺交換するなどして無視に近い状況に置かれた苦い思い出
は必ずあるはず(もちろん私も)です。
トークマジックで誰もこちらを観ていない時、こんな惨めなことはあり
ません。(今日は客が悪かったと自分を慰めることになるのです)
 
特に観客を参加させる演目の際に、私が重要だと感じるのは「出し物の
大小」よりも「客同士の相関関係」です。
 
例えば一般的なディナーショーや劇場公演の場合は、カップルだったり
友人同士やファミリーといった数人の集合体で参加するので、自分が属
する集合体以外はほぼ他人です。
企業の忘年会では、客のほぼ全員が顔見知りという場合が多いでしょう。
結婚披露宴では、一部の円卓だけが知り合い同士だったり、会社の同僚
同士の結婚ならば親族以外はほぼ顔見知りという場合もあるでしょう。
 
私の演目を例にすると…最もお気に入りのギロチンを演じる時、不特定
多数の観客が集った場よりも、観客全員が知り合い同士の方が圧倒的に
ウケるのです。
自分と相関関係が無い赤の他人よりも、自分の会社の社長や同僚が指名
されてステージに上がってギロチンに怯えている姿は、それは滑稽で食
いつきが違います。
 
ですからテレビで演じる際も、誰もが知っている人気タレントに手伝っ
てもらうことがウケるための絶対条件となるのです。
もしもタレントではなくスタジオ見学に来ていた一般客と演じたならば、
視聴者にとっては「タレントとファン」という相関関係が存在しないた
めに、感情移入がしづらくなるわけです。
 
 
さて、今回のパラノイア20周年ディナーショーの観客にはどのような
相関関係があるのでしょう…数人単位の不特定の集合体が300名集った
わけですが、そこにはパラノイアあるいは金芳幸博氏のファンであると
いう絶対的最大公約数に基づいた相関関係があるのですね。(もちろん
生マリックが観たくて常連客に連れて来てもらった人もいるでしょうが)
 
この集合体に対して、あのMr.マリックがその膨大なレパートリーの中
から何を選抜したのか、お馴染みの演目でもどのようにアレンジしてく
るのか…そういう視線でショーを観ていました。
 
具体的な演目の紹介は割愛させていただきますが、随所にこの日のため
に用意された演出がちりばめられていました…マリック氏と金芳氏と私
が実は16年前に共演していたと紹介する映像、パラノイアという店名や
金芳氏を使った演出、常連客が連れて来た子供達への配慮…顔を会わせた
ことはなくても、パラノイアのファンであるという相関関係を持つ300名
の集合体を、一夜にして旧知の同僚のように感じさせてしまうほどの見事
なショーでした。
車に道具を積みっぱなしにして、環境やイベントの主旨などおかまい無し
にマンネリな営業ネタを繰り返す「営業ズレ」したマジシャンには絶対に
なるべきではありません。
一夜限りのオーダーメイドの贅沢さを改めて体感した夜なのでした。
 
ところで金芳氏が挨拶で「40周年くらいまでは頑張ります!」って宣言
してたけど、お互いマジックをやっていることがリハビリに見えないよう
に気を付けなきゃね。
 
 
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