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本の紹介

飛行機移動が多いせいか、必然的に読書量が増えています。
置き場に困るので基本的には読んだら捨てる派なのですが、最近読んだ
本の中で、本棚に残して何度も読み返したい3冊を紹介します。


「生命の未来を変えた男 山中伸弥 IPS細胞革命」
            NHKスペシャル取材班 編著 文藝春秋 刊

京都大学の山中教授の研究によって、いまやメディアにその言葉が登場
しない日はないほど注目されている「人工多能性幹細胞」について、
決して平坦ではなかった道のりと共に詳しく解説されている本です。
最もノーベル賞に近いと云われる山中教授がなぜ医者を目指したのか、
そして整形外科医になったものの、不器用であまりの手術の下手さに
病院内で「ジャマ中」と揶揄され挫折した等の意外なエピソードも盛り
込まれています。
またNHK「クローズアップ現代」キャスターの国谷裕子氏、「知の巨人」
ことジャーナリストの立花隆氏との対談も大変興味深い内容です。
私自身が勉強している美容・再生医療分野でも、幹細胞を用いた治療が
脚光を浴びています。
この分野の研究内容が本格的に実用化されたら、それはまさにリアルな
マジックそのものです。


「腕時計のこだわり」 並木浩一 著 ソフトバンク新書

世界のメジャーブランドの紹介や、SEIKOによる正確で安価なクオーツ
式時計の攻勢で、一時期は絶滅しかけたスイスの機械式時計が、手間が
かかって高価にもかかわらず、なぜ復興して世界的なブームに至ったの
かという歴史的考察等、対象は腕時計初心者からムーブメントに詳しい
マニアまであまねく網羅しています。(クオーツ式マジシャンと機械式
マジシャンに置き換えて読むとまた面白い)
また私がなぜ腕時計にシンパシーを抱くのか、他人に上手く説明出来ず
にモヤモヤしていたものが実に的確に表現されており「あー、そうそう
これなんだよ」って感じでスッキリしました。


「ウケる手品」 ゆうきとも 著 ちくま新書

著者は改めて紹介するまでもない「日本マジック界の知の巨人」ゆうき
とも氏です。
マジックに詳しい方がこの本をなにげにパラパラと見ただけならば、おそ
らくただの入門書かと思うことでしょう。
ゆるいタイトル(本人は不本意だそうですが…)とは裏腹に著者の意図
を汲み取れば、そこに紹介されているトリックという武器が決して木刀
ではなく、切れ味鋭い日本刀であることを再認識するはずです。
これまでの入門書との最大の相違点は、単に日本刀(トリック)を羅列
するだけではなく、その危険な刃物の特徴、用途、安全な取り扱い方や
効果的なぶった切り方の解説に重心を置いている点でしょう。
長年マジックをやっている人ほど、殺傷能力のある武器の危険性を忘れて
ややもすると玩具のように扱いがちです。
その強力な武器を扱う立場であるマジシャンならば、プロ・アマ問わず
必読の一冊です。


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