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2011年3月

教えるということ

自らの考えや事象を正確に伝えるのは本当に難しいことで、ここに
書く考察も真意が理解されているのか心配になることもあります。

文才に恵まれて、伝える技術に優れた人を羨ましく感じるし、その
ノウハウをぜひ教えてほしいとも思います。

マジックの世界では「レクチャー」として有料でアイデアや演じ方
を教えるというイベントが日常的に行われていますが、映像でも
生のレクチャーでもマジシャンによって伝える技術にはピンキリが
あって、受け売りではない本人自身のしっかりとした理論に裏付け
された上でのレクチャーは、たとえ外国人マジシャンであっても
実に解り易く説得力があるものです。

私は商業的なレクチャーは行っておりませんが、友人や後輩等の
ごくプライベートな付き合いの範囲で教える機会は時々あります。

経験された方も多いと思いますが、教えるという行為は相手のみ
ならず自分にとっての確認や復習になったり、ある時は教えながら
新たな発見をしたり、良い手法を思いついたりという副産物を得る
こともあります。

いつの頃からでしょうか…レクチャーと称して特定のマジック道具
を買わせるのが目的なのか、その使い方を延々と説明して「今日は
この道具を特別価格で…」などとディーラーショーとしか思えない
ことをやるマジシャンが増えているのは残念なことです。

最近はイリュージョンの演じ方を解説したDVDまで発売される時代
ですし、それを必要としている人が自ら購入する場合は問題ありま
せんが、カード、コイン、シルク等、マジック愛好家なら一応は
持っている材料ならともかく、高額な特定の道具を買わないと始ま
らないマジックを教えるのは「個人レッスン」として行うべきで、
一般的なレクチャーとは言えないのではないでしょうか。

あるコンベンションで、ディーラーショーとクロースアップショー
とレクチャーの内容が全て同じというマジシャンを観て呆れたことが
あります。よほどその道具を売りたかったのでしょうが、愛好家を
喰いものにするプロの典型例と言えるでしょう。

途上国支援で大切なのは、釣った魚をあげるのではなく、釣り方を
教えること。

水が欲しい人には井戸を掘ってあげるのではなく、井戸堀りの技術
を教えなければ、その後の人生には役立たないのです。


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