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2010年6月

あの時代は良かったのか?

いわゆる「バブル」が弾けて約20年が経ちました。
先日、日本の景気が良かった頃を知らない最近の若者は、彼等の親の
世代とは対照的に消費意欲が低く、デートも割り勘なら車もブランド品も
欲しがらないという特集番組を興味深く見てしまいました。

私の世代はバブル世代のど真ん中で、とりわけマジシャンにとっては
「バブル」と「Mr.マリック超魔術ブーム」が重なって、異常な化学反応
が起こったせいで、それはそれは忙しい時代でした。
一度は廃業したようなマジシャンが「なんちゃってマリック」で復活する
ゾンビ現象が起こるほどのブームでした。(当時の私はというと、大学
病院で研修医として忙殺されていたために、マジシャンとしてはあまり
ブームの恩恵を享受した記憶はありません)

そのために「あの頃」を感慨深く話す人(マジシャンを含めて)が多い
のがこの世代の特徴とも言えるでしょう。

ノスタルジーに浸ってあの頃に戻りたいというオッサンがいるものですが、
見る角度によっては、バブル期は今と比較したら大したことはないのでは
ないでしょうか。
まず通信手段では、携帯電話も無く公衆電話とポケベルだけだったし、
録画手段ではDVDやHDDは存在せず、VHSテープでした。
現在はデフレ不況だと言いながらもテクノロジーが発達しているのだから
バブル期でも手に入らなかったような高度な技術を、今の若者が手軽に
利用しているのは凄いことだと思います。
いくらバブル期に高層ホテルの最上階でおしゃれにワインを飲んでいても
現在、路上に腰掛けてノートパソコンやiPadを手にしている若者の方が
よっぽどリッチでしょう。

先輩・後輩、プロ・アマを問わず多くのマジシャンと付き合ってきましたが、
どんなに不況であろうが、苦境を時代に押し付けることなく今後の野心や
展望(営業では食えないから、バーやマジックショップ経営を始めるという
ありがちな意味ではありません)を語るマジシャンは確実に進歩しているし、
過去の栄光の自慢話(テレビ出演やコンテストの受賞歴)ばかり話すマジ
シャンは…それなりに停滞しています。

ある先輩マジシャンから昔のテレビ出演の話を、まるで昨日の事のように
何度も聞かされた時は、その先輩が、売店で買った発泡酒を片手に「あの
頃は毎晩のように銀座で飲んでたよ」と語りながら最終電車を待つオッサン
に見えて寂しくなるものです。

この世代には、再びバブルが来ると信じて疑わず、俺は大器晩成型だし
ピークはこれからとばかりに己を鼓舞し続ける人も多いそうです。

ある本で読んだ厳しい言葉を思い出しました。
「有能な者ほど褒められると不快に感じるし、大器晩成とは無能な者への
慰めに過ぎない」


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