鳥の話 20
一般的に多くの種類のインコやオウムは知能が高く、的確に人物の
区別ができます。
従って家族の中で特定の人にだけ馴れて、他の家族に対しては威嚇や
噛み付きなどの凶暴性を発揮することは珍しくありません。
私のショーでは特に大型鳥を使うために、観客や共演者に危害を加える
ことがないように細心の注意を払って調教しています。
自宅においては来客の腕にとまらせて記念写真を撮ったり、時には来客
自身に投げさせてその腕に戻って来させる等、誰に対してもフレンドリー
に接するように馴らしています。
鳥に限らず、愛玩用のペットの多くは人物の区別はできるものですが、
昔飼っていたコバタン(白色オウム)のケースを紹介します。
私の経験では、コバタンやコキサカなどの比較的小型の白色オウムは
大変臆病で用心深いという印象があります。
強い信頼関係を築いてからショーに登場させようと、時間をかけて毎日の
世話と調教をしていました。
半年以上経ち、そろそろ本番でも使えるかなと判断し、自宅リハーサル
のためにステージ衣装に着替えてケージに近づいた時のことです。
「ギャ〜!ギャ〜!グェ〜!」と、もの凄い雄叫びで怯え始めました。
どうやら、きらびやかで派手な衣装をまとった私を見るのが初めてらしく
相当ビビッているようでした。
他の鳥はどんな衣装で近づこうが全く平気で、顔や雰囲気でしっかりと
私を認識しているのに、この鳥だけは奇抜な衣装であればあるほど私を
天敵のごとく怯える日々が続きました。
(今振り返ると、燕尾服と暴走族の特攻服をミックスしてボタンをずらり
と並べた紫色の時代錯誤的衣装でした)
そういえば毎日毎日当たり前のように、パジャマやトレーナー等の地味
な部屋着で世話や調教をしていたので、すっかりその姿を見慣れていた
のでしょう。
でもまさかその鳥のためにパジャマでステージに立つことはできません。
どうやって解決したかというと…毎日派手なステージ衣装に着替えて、
馴れるまで世話を続けました。
宅配便が届いた際に、衣装のまま受け取る時は恥ずかしいのなんの。
.
| 固定リンク
« 環境に染まる | トップページ | イベントのご案内 »
最近のコメント