発表会を観て
昨日、九州大学マジックサークルの発表会を観て来ました。
告知が遅れたせいか、観客の入りが悪いのがちょっと残念でしたが…。
さて演技の方ですが、自分が学生の頃を思い出し、どきどきしながら
それなりに楽しませて頂きました。
アンケート用紙が配られ、良かったパフォーマーの名前に○印をつける
ようにとのことで、直感的に3人の名前に印を付けました。
それぞれリング、ジャグリング、ビリヤードボール&シルクを演じたわけ
ですが、後から思い出すと、偶然にもリングやボールを落とす失敗を
してしまった3人でした。
物を落とすという失敗は、観客にもダイレクトに失敗したことが伝わる
もので、さぞヘコんだことでしょう。いずれも落とす可能性の少ない
比較的簡単な場面での落下だっただけに悔いが残るかもしれません。
フィギアスケートに置き換えれば分かり易いかもしれませんが、たとえ
転倒しても、その選手のポテンシャルや芸術性が全否定されるわけでは
ありません。全くのノーミスでも点が伸びない選手も多いものです。
私の好きな「戦術と戦略」の考え方をすれば、この3人は戦術的に簡単
なミスをしたに過ぎず、戦略的には決して間違っているとは思えません
でした。現に大きな拍手を得ていたような気がします。
プロ・アマ問わず深刻に考えなければならないのは、これといった失敗は
無かったのにウケないこと…これこそが戦略そのもののミスで、物を落と
そうが落とすまいが、演技そのものが失敗作だということでしょう。
病気に例えるならば、この3人が物を落としたことは、油断して転んで膝
を擦りむいた程度のことで、以後注意すれば解決できることです。
一方、ノーミスなのになぜかウケないのは、倦怠感がある、微熱が続く、
病院で検査しても異常が見つからない…という不気味な感じで、実は
重篤な疾患が隠れているかもしれないわけです。
プロの世界で例えれば、若くてそこそこのイケメンで、ノーミスの演技で
そこそこウケているのに、次第に仕事が減って衰弱していく…これを単に
「不景気」という病名で片付けたら、永遠に処方箋は無いような気がする
のは私だけでしょうか。
話題が暗くなってしまうので話を戻しますが、とにかくこの3人はきちんと
稽古したことがかいま見えたし、ヘコむ必要はありません。
関東や関西の歴史あるマジックサークルと比べると、迫力不足は否めま
せんが、これから九州大学ならではのカラーを構築していって下さい。
皆さんの演技からは、偏差値の高さが滲み出てましたよ。
来年は早めに告知して、あの会場を満席にして下さい。
第3回目の発表会を楽しみにしています。
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