鳥の話 18
1995年当時は、鳩15羽、孔雀鳩5羽、セキセイインコ4羽、大型インコ
やオウムは8羽ほど飼っていたでしょうか。とにかくあらゆるサイズの鳥の
アクトを作ろうとしていたのですが、行き詰まっていたのは孔雀鳩の手順
でした。単にサイズで分けるとすれば、鳩は小、孔雀鳩は中、オウムは大
ということになるのでしょうか。
鳩の演技の最後に孔雀鳩を出しても、クライマックスとしては弱いし、
孔雀鳩を数羽出した後にオウムを出したとしても、インパクトは薄まって
しまいます。やはり普通の鳩のラストにオウムという流れが最も収まりが
良いようです。
このために孔雀鳩は他の鳥とは併用せずに、単独での手順を作るつもりで、
友永天豊氏に孔雀鳩用のバニシングケージまで製作して頂くなどして構成
してみましたが、エネルギーはどうしてもインコやオウムの調教の方に
向けられて、遅々として進みませんでした。
この時期、広島から内田貴光氏が月に一度のペースで私の家に泊まりに
来ていました。1994年、大学生にしてFISM横浜大会マニピュレーション
部門のチャンピオンとなった彼は、プロ入りを決意して着々と準備をして
おり、私が依頼したリゾートホテルのレギュラー出演の都度に泊まって、
それこそ朝方までプロの仕事について熱心に質問していました。
プロになれば得意のカードアクトだけでなく、限られた予算の中から様々
なレパートリーを揃えることが必要となってきます。
それらの話の中で、彼は孔雀鳩に興味を示し、私も彼ならアクトを完成
させてくれるのではないかと思いました。ジャンボカードで注目された彼
ならば、鳩もジャンボな方が彼らしい…全ての孔雀鳩とバニシングケージ
を内田氏に引き渡して夢を託しました。
参考までにと孔雀鳩で有名なダーク・アーサーのビデオを渡そうとしたら
「見てしまうと影響を受けて、似た演技を作ってしまいそうなので遠慮して
おきます。」という彼の言葉が忘れられません。
それから3年後の1998年、Mr.マリック氏主催マジカルホテル・マジック
シャワー(NHK-BSで放映)において、連続3羽出しや分裂・消失を含む
素晴らしいアクトを披露してくれました…つづく。
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