鳥の話 16
今回は鳥の話番外編として、鳥の移動手段のお話です。
多くの方々から「あれだけの鳥達と一緒にどうやって移動してるの?」
と聞かれます。
鳩ならば、よほど仲が悪くなければ複数の鳩を一つのケージに入れて
運ぶのですが、大型インコ・オウム、サイチョウの場合はそのサイズに
合わせて1羽づつ移動用のキャリーを用意しています。
キャリーは闘犬を運ぶ際に使用されるのと同様の頑丈なアルミ製です。
近隣のショーの場合は、道具や衣装と一緒の移動が普通ですが、少し
スケールの大きなショーであれば、近隣であってもイリュージョン等の
機材は前もって宅配便で発送しておき、当日は人間と鳥のみで移動する
ようにしています。
移動手段は車か飛行機のどちらかで、新幹線は利用しません。
新幹線は基本的にはペットの持ち込みは可能なようですが、ペット用の
車両やスペースがあるわけではないので、もし複数の大型鳥を持ち込ん
だら、周囲の乗客に多大な迷惑をかけることになるのは容易に想像でき
ます。鳥同士の呼び鳴きが始まったらもう手が付けられません。
同じ車両の乗客は、誰一人眠ることも会話することもできないでしょう。
飛行機の場合はペット料金が発生しますが、ペットを預かることを前提
としたサービスなので安心です。(ちなみに私はJALペットクラブに入会
しています。ポイントが貯まると1回のフライトが無料になります。)
料金は飛行距離によって違うようですが、福岡〜羽田間の場合ですと
1ケージが片道5千円ですので、テレビ収録で5羽連れて行くとしたら、
往復で5万円という計算になります。(いつも各地の空港ロビーでは注目
の的ですが…。)
数年前のあるエピソードを紹介しましょう。
石川県の小松空港で、鳥を預ける際にカウンター横にキャリーを置いた
ところ、1羽のコンゴウインコが「おはよう!こんにちは!」と喋り始め
ました。黙々と手続きの書類を確認している女性職員は、キャリーを一瞥
することもなく書類に視線を落としたまま、事務的かつ当たり前のように
質問してきました。
「お預けはワンちゃんですか?」
「はあ?」…これほど明瞭に話せる犬がいたら、私はその芸でテレビ出演
して、全国巡業で稼ぎまくっていることでしょう。
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