客は意外と気付いてる!?
先日マリック氏から聞いた話です。
最近アメリカで認識のギャップを証明する番組(どっきり系?)が放送され
ました。100人の観客の前で、あるマジシャンが最も自信のある人体浮揚
を演じた後、観客にタネが解ったかをアンケートし、結果をマジシャンに
ぶつけるという企画だったようです。
司会者「何割の方が正解したと思いますか?」
マジシャン「う〜ん、1割? いや最近の客はするどいから2割かな。」
司会者「残念!その反対で8割の方が正解でした。」
マジシャン「…。」
司会者「このギャップはなんでしょう? どうしたら埋まると思いますか?」
マジシャン「…。」
あくまでバラエティー番組として面白く作られているのだとは思いますが、
我々が受ける観客の拍手の中には、「タネは解ったけど一応マナーで」
という優しさがあることは常に認識しておく必要があるでしょう。
マジシャンが雑なカップ&ボールを演じている時に、ロードするレモンが
何度もフラッシュしているにも関らず、苦笑いをしながらも一生懸命に
盛り上げようと拍手をしているけなげな観客を見たことがあります。
その優しさに包まれている自覚も無く、自慢げにレモンを出すマジシャン
の態度に、凄いギャップを感じました。
自分でパスが見えるのが怖くて、まばたきしたり一瞬顔を背けたりしても
客にはしっかり見えています。
私も時々ステージで「見破ろうとしないで楽しんで下さい。」とつい言って
しまうのですが、これなど観客に対してマナーを啓蒙しているようで実は
心理的に守りに入っているんだろうなあと自己分析しています。
あくまで観客に対しては冷静に、心の底では見破れるものなら見破って
みろという気概が少しくらいはあっていいのかも知れません。(ただし、
それを観客が感じ取ると嫌みなやつと思われるので注意は必要です。)
かなり前のエピソードです。
ある友人のマジシャンと飲みながらマジック談義をしていると、私達の話
が聞こえて興味を持ったのか、隣の席の客が話しかけて来ました。
(その客には何の悪気もありません。)
以下はその会話の一部です。
客「マジシャン各々に得意分野とかあるんですか?」
私「色々とレパートリーはありますが、得意なのは鳥を出すマジックです。」
客「しかしマジックで使う鳥って、よくおとなしく隠れていますよね?」
私「…。」 撃沈!
友人「私は空中から指先にカードを次々に出現させるマジックが得意です。」
客「ああ、それテレビで見たことあります。マジシャンってよくあれだけの
カードを手の甲に隠せますよね?」
友人「…。」 撃沈!
.
| 固定リンク
「マジック」カテゴリの記事
- 舐められるんだよなあ(2024.08.30)
- 持ち家派? 賃貸派? 3(2024.06.01)
- 持ち家派? 賃貸派? 2(2024.05.23)
- 持ち家派? 賃貸派? 1(2024.05.17)
- Mr.マリック超魔術団2024(2024.03.21)
最近のコメント