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2009年2月

ディナーショー終了

熊本でのディナーショーが終了しました。当日の宴会場が午後2時30分
過ぎまで他のパーティーで使用中だったために、搬入は3時からになって
しまい、6時開場というスケジュールを考えれば、正味3時間で道具の組み
立てや音響・照明のチェック等の全てをこなさなければならないことに…。
完成したイリュージョンからリハーサルを開始、ステージ袖ではスタッフが
別の道具を組み立てながら、少しでも空いてる時間に鳥を飛ばすリハーサル
と照明合わせ、ふじいあきら氏到着後すぐにコラボマジックの打ち合わせ…
という慌ただしさのまま本番突入。

特にふじい氏とのコラボレーションは、以前NHKの番組で演じてはいるの
ですが、振り返るともっと面白い事が出来たのではないかとずっと思って
いたので、今回は彼のキャラクターをどう活かすかに重点を置きながら、
ギリギリまで悩んでいました。結局、本番直前に思いついた演出で大きな
リアクションを得ることが出来ました。
人間追いつめられるとなんとかなるものです。

とにかく大きなトラブルも無く、1時間20分のショーが盛況のうちに終了
したことにホッとしているのですが、もちろん観客には気付かれなくても
自分自身ではやっちまったなぁと感じる点があるのも事実ですし、逆に
自分では上手くいったと思っていても、後で映像を観るとガッカリという
ことも多々あります。思ったほどポーズがキマッてなかったり早口だったり
見えてはならない物が見えていたり…。
今回のディナーショーに備えて、昨年12月と今年1月のショーは出来るだけ
映像に残し、一部はマリック氏に観てもらうなどして完璧を期したのですが
なかなか納得するのは難しいようです。

ショーを終えて控え室に戻ったら、ふとマリック氏の言葉を思い出しました。
「自分が納得出来る完璧なショーなんて無いよ。今日も上手くいきました
なんていつも言ってるマジシャンは、反省どころか何も考えてないんだよ。」

ウケさえすれば良しとするならば気持ちは楽になるのでしょうが、余裕がある
時に改めて映像をチェックして反省する必要があります。ウケているシーンを
観て悦に入るのもマジシャンとしての楽しみかも知れないし、決して悪い事
とは思いませんが、それが映像を観る動機の大半を占めるようになった時は、
プロフェッショナルとしては潮時だと認識すべきでしょう。

今回はあいにくの雨の中、多くのお客様に(遠くは東京や千葉からも)来場
して頂き有難うございました。共演のふじい氏、弟子のKEIN、スタッフの
皆さん、手伝いに来てくれたYOHEY氏…お疲れ様でした。
そして主催の金芳氏に感謝致します。

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NEOバレエ 宮崎公演報告

西島千博氏(元宝塚の真矢みきさんとの結婚で話題のイケメンバレエ
ダンサーです。)主演の「NEOバレエ」宮崎公演に行って来ました。
18日のリハーサルに立ち会い、19日の初演を客席から観たのですが、
初演とは思えないほどの完成度の高さで、それはそれは美しいステージ
でした。少しだけですが、私がコンサルタントとして指導させて頂いた
イリュージョンのシーンも客席からどよめきが起こり、ホッと胸をなで下ろ
しました。
西島氏本人もさることながら、出現・消失するバレリーナもあれだけの
表現力と身体能力があれば、その辺のイリュージョニストではとてもかな
いっこないなあと思ってしまいます。

マジックの現象を調味料として自らのショーの中に取り入れようとする
エンターティナーは珍しくありません。しかしその調味料は刺激的で、クセ
が強い場合が多く、ややもすると主食の味をかき消してしまうことにもなり
かねません。今回の仕事を引き受けるにあたり、この点を最も心配していた
のですが、杞憂に終わりました。もったいつけずにさらりと演じ、主食の味
を際立たせる見事な演技でした。(マジシャンの方が、やっと手に入れた
イリュージョンをもったいつけて演じる場合が多いですね。)

またショー全体の演出をサポートしているハーフムーン・ヒデ氏の演出家
としてのセンスも随所で光っています。

出演者も裏方も妥協を許さぬプロ集団だからこそ創りあげることができた
素晴らしい2時間でした。今後更にイリュージョンを取り入れて、各都市
での公演を予定しているそうです。お近くの都市での公演が決まったら、
ぜひご覧になってはいかがでしょうか。

私にとっても、22日に迫ったディナーショーに向けての良い刺激になりま
した。

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臆病であること

臆病者…決して良い響きではありません。臆病者は何事に対しても
引っ込み思案で、進んで事を為す積極性が欠落しており、万事につけて
頼りなく、当てにすると必ず失望させられます。

マジシャンが臆病者であってはいけませんが、臆病な側面を持つのは、
決して恥ずべきことではないし、むしろ持つべきだと思います。
臆病であることは慎重であること、堅実であるとも言えるし、時と場合に
よっては知性すら感じさせる良い側面があると思います。
臆病なんて微塵も感じさせないぜ的なイケイケドンドンのイリュージョン
ショーなどは、その代わりに知性のかけらも感じません。良い意味で臆病
なマジシャンの演技は、たとえ大胆であっても裏ではきめ細かく丁寧で、
セットミスの可能性もほとんどありません。

私はというと以前の考察でも述べたように、マジシャンという職業自体が
ギャンブルであるという認識から、石橋を叩いてもなかなか渡らないほど
臆病で慎重な生き方をしているつもりです。(そろそろ知性などが滲み出
てほしいのですが…。)それゆえプロデビューも30代という遅めでした。
もちろん大学病院を辞める踏ん切りがつかなかったという理由もありまし
たが、それよりも当時のマジックの実力や知識、レパートリーで果たして
やっていけるのかという不安の方が大きかった気がします。
ですから近年のブームの影響で、簡単にプロ宣言する若者を見ると他人事
ながら心配してしまいます。とりあえずプロになっちゃって、それから
色々と勉強しますという若者と話した時は唖然としました。
彼等の辞書には臆病という単語は載って無いはずです。
(とりあえず医者になってから勉強…なんてありえないし怖いでしょ。)

他のマジシャンの内面を覗き見る事は出来ませんが、これまでは不安だ
という声はあまり聞こえて来ませんでした。マジシャン同士が集まっても
見せ合いっこばかりで、職業としての将来像や不安感について語り合う
機会は少なかったようです。(実は不安なのに見栄っ張りが多いのか、
本当に能天気なのか、私が必要以上に臆病なのか…。)
しかしブームも過ぎ去り、不況の追い打ちもあってか、マジックのお店の
閉店・撤退が始まった現在、ちらほらと不安な声が聞こえて来ます。

マジシャンである限り(限らなくても)将来の不安が付きまとうのは覚悟
しなければなりません。しかし将来がどうなるか分からないということは
幸せでもあるということ、それはまた挑戦する余地が残ってるということ。
つまり不安の材料ではなく、幸せの材料が残っていると認識すべきなので
しょう。

バブルはいつか弾けるからバブル。
ブームはいつか去るからブーム。
レギュラー出演はいつかなくなるからレギュラーなのです。

臆病であることは大切だと思います。
木陰のカサッという音で危機を察知して、脱兎のごとく駆け出す鹿はきっと
長生き出来ます。能天気に草を食べ続ける鹿は、天敵に襲われるか、猟銃
で撃ち殺されるのです。


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完売御礼

2月22日熊本にて開催予定の「Dr.ZUMAディナーショー」は、200名様分
完売致しました。有難うございました。

また翌23日福岡にて開催予定の「ふじいあきらレクチャー」も、早々に定員
に達しております。合わせて御礼申し上げます。

それでは当日お客様とお会いするのを楽しみにしています。

Dr.ZUMA

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ギャンブル

カードマジック(特にポーカーデモンストレーション等)を演じると、
冗談でしょうが、たまに言われる事があります。
「ギャンブル強いでしょ。ラスベガスで大儲け出来るんじゃない?」
意外と思われるかも知れませんが、私はポーカーの正確なルールを
知らないどころか、パチンコ、競輪、競馬等の一切のギャンブルをした事が
ありません。(ラスベガスのスロットマシンで、貯まり過ぎたコインを
遊びがてら処理する事はありますが…。)

年に1回程度、競艇場での仕事を頂いた際にいつも思うのですが、失礼
ながら観客の顔はあまり幸せそうには見えません。勝負事が意識の大半
を占め、ショーに集中出来ない方も多いようです。(しかし、予言やお札
のマジックを演じると食いつきがいいようです…当然か。)

もちろんお金に対する価値観や余暇をどのように楽しむかは個人の自由
ですし、他人に迷惑をかけていないのに関わらず何か意見されるのは余計な
お世話でしょうが、一日が24時間であるのは皆平等なのに、いい大人が
一日中パチンコに興じているのはもったいないなあと思ってしまうのです。

以前マリック氏が言っていました。
「人を楽しませる仕事をしているマジシャンがパチンコなんかで楽しんで
いるようではダメだよね。ギャンブルする暇があったらマジックに関わる
生産性のある事に時間とお金を使わなきゃ。」

昨今の深刻な景気後退で、不安げな顔の人が増えたような気がします。
私がよく歩く通りに面してパチンコ店があるのですが、ギャンブルに興じて
いる客の顔は、勝っていようが負けていようが一様に殺伐として、何か
不安げに見えました。

ところが、ふとガラスに写った自分の顔を見ると、同様に不安げな表情を
している事に気が付きました。
なぜかって?…それはマジシャンという職業を選択した時点で、すでに
大きなギャンブルがスタートしているからです。


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ディナーショー in 熊本

   PARANOIA 15周年記念
  「Dr.ZUMAディナーショー」
ゲストマジシャン : ふじいあきら・KEIN

会場 : 熊本ホテルキャッスル
日時 : 2009年2月22日(日)
     PM 6:00 開場
     PM 6:30 パーティースタート
     PM 8:00 ショースタート
料金 : 18.000円(税込み)
お問い合わせ : パラノイア 096−352−5415(金芳まで)

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