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会話を楽しむ

年末はイリュージョンをメインにしたショーが続き、ちょっとした引っ越し
屋並みに大道具を運んだせいか、久しぶりに筋肉痛がひどく、毎晩
マッサージチェアーで寛いでいます。(倉庫の奥にしまって、めったに
出番のないイリュージョンよりは、よっぽど元がとれています。)

その昔キャバレー全盛時代、一晩に3〜4回15分程度の出演が普通
だったマジシャンは、BGMに乗って演じるアクトやイリュージョンを中心
にレパートリーを増やしていました。現在のパーティーやイベントでは
30分程度の出演を依頼されるのが一般的ではないでしょうか。
(私の場合は45分の構成を最も多く求められます。)
営業プロの皆さんであれば、持ち時間が長くなればなるほど必然的に
トークマジックの割合を多くせざる得ないと感じるのは異論の無い所
でしょう。しかし決してトークマジックは一朝一夕で上達するものでは
ありません。現在でこそ私は全体の3分の2をトークマジックで構成し
ていますが、若手の頃は観客をコントロールするのは大変で、できる
ものならずっとBGMに乗って演じたいくらいでした。(今でも騒がしい
立食パーティーで、観客の注意をトークで引っ張るのは大変です。)

私は時々自分のショーの映像をMr.マリック氏に送って見てもらってい
ます。自分では全く気付かなかった箇所を指摘してもらえるからです。
(マジシャンとしては、最高の人間ドックで無料で検査してもらってる
ようなものですから、有り難い事です。)
先日マリック氏から次のような指摘を受けました。
「あなたのトークは確かにウケてるかも知れないけど、観客との会話
は成立していないよ。自分に関心を持ってほしくて一方的に話すの
ではなく、あなたが客に関心を持って話しかけなきゃ。用意した話を
流暢に話せたからといって、それがトークが上手い事にはならない。」

確かに自分でも思い上がっていた心当たりが多々あります。例えば
ステージに招待した客の名前を尋ねるのを省いたり…等々。
マジックを演じるだけでもストレスなのに、主催の企業名や新郎新婦
の名前を覚えるのは意外と大変です。言い間違える恐れがさらに大
きなストレスとなって被さってきます。客に何かを質問して、意外な
受け答えをされると、気の利いたセリフを返せるかも不安です。
ですから、予定調和で無難に進行するように、自分の用意した話を
講演会のように一方的に語ってしまう傾向にあったのです。

そういえばクロースアップでも、会話をしているようで実は一方的に
話まくり、全く客に口を挟ませない演技をするマジシャンはよくいます。
例えば「このコインの上にカードを置いて見えなくすると、すでに
コインは無いんじゃないかと思いますよねぇ。でもほらまだあるんです。
さらに…」思いますよねぇと聞いといて、客には返事させる気は無いの
です。これも自分が順調に走っている線路の上に石ころを置かれるのを
恐れるあまり、会話を避けているのです。

マリック氏の説く、トークマジックで必要な3つの約束事です。
1. まず、しっかりした挨拶
2. 観客に対して関心を持ち、質問をする。
 (どこから来られたのですか?マジックはお好きなんですか?程度
  で十分だそうです。)
3. そして社交辞令

会話を楽しめる余裕を持つ事が来年の一つの課題になりました。

今回の考察は「会話」がキーワードでしたので、ここで皆さんの話の
ネタになる面白い「男と女の会話」をご紹介します。
しっかりと読んでみて下さい。

男 : やったー!待ちに待った日がようやく来たー!

女 : 後悔しそう。

男 : えー!今さら勘弁してよ!

女 : 私のこと愛してる?

男 : 当然だよ!

女 : 裏切ったりする?

男 : どうして君はいつもそんなこと言うのかな?

女 : キスして。

男 : もちろん、一度だけでなく何度でも。

女 : 私に暴力を振るう?

男 : そんなのありえないね!

女 : あなたを信じていいの?

読み終わりましたか?
なんてことはない若いカップルの会話ですが、今度は下から読んで
みて下さい。なんと破局直前のカップルの会話に早変わりします。
ジャンジャン。

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