久しぶりのライヴ鑑賞

まずは寒波襲来の話題から…クリスマス寒波に続いて、またもや福岡でも
雪が降りました。
今回は冷え込みが強いために道路の凍結や水道管の破裂が懸念されていま
したが、蛇口から水をチョロチョロと出しっ放しにしておいたせいか凍結
は免れました。

どうしてもクルマで出かけなくてはならない用事があったのですが、さす
がにDBXを運転する気にはならず、セカンドカーで出かけました。
幸い道路も凍結しておらず、順調に走っていた時、フロントガラスの汚れ
が気になったので、ウォッシャー液を噴射してワイパーで拭き取ろうと
したところ、ウォッシャー液が凍っていたのか噴射口が凍結していたのか
わかりませんが、全く噴射できずに焦りました。
雪国の方でしたら珍しいことではないのかもしれませんが、私は初めての
体験だったので少々驚きました。

さらには門扉の取っ手の動きも悪くなったし、テレビの画面も変な映り方
をするという現象が出現しました。(井上陽水の「氷の世界」のようです)
テレビは元に戻りましたが、これも寒波のせいなのか気になるところです。

1月22日、東京国際フォーラムで開催された「スーパー4KマジックSHOW
Mr.マリック超魔術2023」を鑑賞。
私は前から5列目の席でしたが、振り向くと3階席まで埋まっているのを
見て、いやはや凄いなあと思った次第。

しかし、劇場の客席からしっかりとマリックさんのライヴを観たのは何年
ぶりでしょう…おそらく十数年ぶりのはずです。
共演することがほとんどだったし、その時は自分の出番の準備もあったり
で、常にステージ袖から観たり、お手伝いをした記憶しかありません。

ライヴの演目は割愛しますが、マリックさんにとっては孫世代にあたる
若手マジシャン達や他の分野のエンタメとの共演や東大生とのバトル等、
意欲的で斬新さと今後の可能性を感じる内容でした。
客席からのマギー司郎さんの飛び入り出演も盛り上がりました。
コラボに関しては、各演者を料理に例えれば、この料理をどうやって提供
するのだろう…なるほど、そうきましたかと感心することしきり。
個々に完成された料理の長所を相殺しないように、一枚の皿に美しく盛り
付けるのは実に難しいので、大変だっただろうなと察しました。
マリックさん、出演者の皆さん、お疲れ様でした。

開場までには時間があったので、GINZA SIXのフランクミュラーブティック
で目の保養をした後に東京国際フォーラムに向かいました。
さて、会場には多くのマジシャンの顔も見受けられ、終演後は総勢9人で
食事へ…有楽町から宿泊先の銀座方面まで歩いたのですが、日曜日という
こともあってビジネス街の飲食店の多くが閉まっており、なんとか見つけた
居酒屋の個室で閉店時間の午前1時まで盛り上がっておりました。
その後も数人でホテルの部屋飲みで、気がつくと午前4時…シャワーを浴
びて就寝、9時に起きて13時のフライトで福岡に戻りました。

しかし、ライヴも飲み会もあっという間に感じたということは、楽しかった
という証左なのでしょう…帰宅後も全く疲れを感じませんでした。
やはり、たまには「楽しむこと」は重要ですね。

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ペースダウンも大事

昨年のエントリーで紹介した本…「限りある時間の使い方」では、人生の時間
が限られていること、さらにその中の限られた範囲しかコントロールする
ことはできないと論じられています。
そしてその有限性を受け入れるためのツールの一つとして、ペースダウンを
をして「何もしない練習をする」ことが重要であるとしています。

私自身、何歳までにこれをやっておくという人生設計に沿って生きてきて、
長期のスパンではそれらをほぼ実現しつつあることで、この年齢になって、
ようやくですが一定の達成感を得ています。

ところが最近ではそれに満足できず、ペースダウンどころかワーカホリック
ではないかと感じるほどに、空いている時間があると何もしないことに耐え
切れず、何か有益なことをしたり知識のインプットをしなければならないと
いう強迫観念にとらわれがちです。
実際に休むための時間を確保しても、例えばこの文章を書き上げることに費
やしたりして、結局は何かをしないと、「このままでいいのだろうか、何かやり
残したことがあるのではないか」という焦燥感に苛まれてしまいます。

「人間の不幸はすべて、一人で部屋でじっとしていられないことに由来する」…
これは哲学者パスカルの言葉ですが、たった4000週間の人生であっても、
有意義に過ごすためには実は「何もしない」能力も欠かせないのです。
何もしないことに耐えられない場合、単に「何かしないと気が済まない」という
理由で、間違った時間の使い方を選んでしまいがちです。
急ぐ必要のないことを優先してストレスを感じたり、将来に役立つことを
やらなければと思い込んで「楽しみや満足」をいつまでも先送りにしてしまう
ことになります。

今の自分がこれに該当しており、特に昨年の夏以降は早々と仕事や用事を
パンパンに詰めてしまって、多くの楽しみを逃してしまいました。
テレビ出演のオファーも断らざる得なかったし、後輩のショーやリサイタル
にも駆けつけることができませんでした。
また、アストンマーティンDBX707のサーキットでの試乗会も、オーナー
ツーリングも、そして「新型レンジローバー試乗会&フランクミュラー最新
モデル展示販売会」も残念ながら参加できませんでした。
場所は福岡空港近くの「ジャガー・ランドローバー福岡」…ショールームの2F
でフランクミュラーの展示会が開催され、さらに新型車の試乗もできると
いう超魅力的なコラボイベントだったのです。(あー、新作時計を見て、新型
レンジローバーを試乗してみたかったなあ…あとディフェンダーも)

無駄な時間をなくそうと焦って生き急がないようにしないと、このように
多くの楽しみを逃すし、仕事の達成感はあっても、それに比例して疲れや
ストレスも溜まる年齢なのだと改めて自覚しましたね。
若い頃は、好きなことをやって、そこそこ稼いで太く短い人生を全うでき
れば満足だと思っていましたが、やはり健康に留意しながら、現状維持を
長く続けられることが理想なのかなあと思うようにもなりました。

今年からは少々ペースダウンを心がけて「何もしないこと」そして「楽しむこと」
も意識しながら過ごすようにしたいところですが、このせっかちな性格上
実践できるかは微妙です。(というわけで、このブログの更新も滞りそうです)

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2023年 始動

2023年、明けましておめでとうございます。
今年も平穏で充実した年になることを願っております。

元旦早々まずやったことは…電動歯ブラシを最新型(フィリップス ソニック
ケアー)に交換。
目が覚めるほどスッキリするし、何より気分が一新します。

この年末年始は、鳥と遊んだ後は猫を膝に乗せながら、ハードディスクに
録り溜めた特番や映画を消化することに専念しています。
特に真剣に観入ったのが、NHKの「未解決事件」シリーズ…テーマ曲である
川井憲次の「ラビリンス」が事件の深淵と番組の重厚感を増幅させます。
この曲は「映像の世紀」のテーマ曲である加古隆の「パリは燃えているか」に
匹敵する名曲だと思います。
それと「鎌倉殿の13人」の総集編も観ましたが、これら以外の番組は倍速視聴
しないと、とても消化しきれそうにありません。
(ウォーキングマシンで歩きながら倍速視聴するのが効率的です)

年末は、知人からリクエストされた昔のマジック特番の映像をダビングして
いたのですが、いつでも観れるはずなのに、ついつい観入ってしまいました。
(ある映画のDVDを持っているのに、たまたまテレビで放送されていると、
つい観てしまうってことありますよね)

1973年FISMパリ大会、1976年PCAM東京大会、1978年世界奇術大賞、
1979年FISMブリュッセル大会、1980年オランピア劇場特集、1981年
PCAMロサンゼルス大会、1984年名人劇場マジックオリンピック…。
改めて観ると、昔の番組はド直球でフル手順を放送しているものが多くて
素晴らしいですね。(決して倍速視聴する気にはなりません)
そしてその手順を細かく観察すると…あの先輩マジシャンの演技は、実は
この映像のここを参考にしているに違いないとか、コンテストの受賞歴等の
史実を知ることができます。

特に私が16歳の時に参加したホテルオークラにおける1978年世界奇術大賞
ビッグコンテストの出場権を賭けた日本代表を決める国内予選のフル映像が
レアで面白過ぎる…日本マジック界を背負ってきた現在60〜70代の大御所
クラスの多くが出場しています。
プロアマ問わず競った17組のコンテスタント…アマに敗れたプロの顔には
悲壮感が漂うほどの真剣勝負でした。
当然のことながら、皆さんお若い!
そしてその頃から現在のスタイルがほぼ完成している方が多いことに驚か
されます。(日本代表に選出されたのは酒匂正文、鈴木清司、佐野由典の
3名、本選の結果はオランダのトニー・バン・ドメルンが優勝、ハンガリー
のピーター・グロビンスキーが金賞、アメリカのポール・ガートナーが銀賞、
日本人の最高位は酒匂正文の銅賞でした)

びっしりと録画された6枚のDVDを受け取った知人からは、中高生の頃に
観た映像を数十年ぶりに観ることができて感動していますとの連絡があり
ました。

私もつかの間のノスタルジーに浸ったのでありました。
(そんな年齢になったのだと自覚しております)

それでは今年も宜しくお願い致します。

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さらば2022年

まずはこの一年、心身ともに健康で過ごせたことにホッとしています。

ショッキングなニュースが次々に飛び込んで来た激動の年でしたが、それを
横目に全力で走り抜けた結果、自分としてはまだ伸び代を感じる充実した年
でもありました。
この師走も東京、大阪、名古屋と慌ただしく動き回りましたが、大雪による
飛行機の欠航や新幹線の停電による立ち往生といった類の交通トラブルも、
一日違いで運良く切り抜けられました。
コロナの行動制限もなく全国旅行支援の効果もあって、空港の保安検査場は
長蛇の列ができておりますが、こんな時こそJALグローバルクラブ会員の恩恵
を感じます。
会員専用の保安検査場でスムーズに通過後、ラウンジで休憩できるので、
疲れも少なく到着後の仕事のパフォーマンスの質がかなり違います。

さて、大掃除とまではいかないまでも、ある程度は家の掃除を済ませたので
すが、問題は雪による愛車DBXの汚れです。(この師走は福岡も降りました)
気候さえ良ければ、適度な運動にもなるので自分で洗車をするのですが、
さすがにこの汚れ具合と寒さがやる気を挫きます。

そんな時に便利なのが…出張洗車。
実は前車キャデラックの頃から利用しているのですが、会員登録を完了後、
PCやスマホで日時やコースを予約するだけで、スタッフが自宅まで来てく
れて、ピカピカに仕上げてくれます。(今回はホイール洗浄を含めたコース)
支払いはクレジットカードでOKです。

最初は自宅の水道を使うのかと思っていたら、汚れを浮かせる特殊溶剤を積
んだ車で現れ、手洗いで水浸しになることもありませんので、今後は近くの
月極駐車場に停めているセカンドカーもお願いしようかなと思っています。
指定した駐車場に出向いてくれるので立ち会う必要もなく、進捗状況は写真
と一緒にスマホに送ってくれるので安心です。
また、洗車をしても翌日が雨だとガッカリなのですが、天気予報で洗車翌日
の雨天確率が50%以上の場合は延期も提案してもらえます。

今年の汚れは今年のうちに…家も愛車も綺麗になって、清々しい気分で新年
を迎えられそうです。

それでは皆さんも良いお年をお迎えください。

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今年一推しの本

どんな本に感銘を受けるのか…その時の読む側の置かれた立場や境遇や年齢
によって様々であろうし、書店を訪れた際も、共感したかったり悩みを解決
へ導いてくれそうなタイトルの本に手が伸びるのではないかと思います。

先日、「50代までにしておくべきこと」的な本を手にして、「あ、遅すぎた」と
気づいて棚に戻しました。(たぶん、やるべきことは済ませていると信じて
おります)
今年も多くの本を読了しましたが、現時点で今年一推しの本を紹介します。

・ 「限りある時間の使い方」 オリバー・バーグマン 著 (かんき出版)

私のブログを読んでくださっている方はお気づきのように、今年4月に還暦を
迎えた私は、残された時間を砂時計の砂に例えて、それがいかに貴重である
かを度々書いてきましたし、アストンマーティンDBXのPVにおいて、なぜ
このクルマを選んだのか…その理由の一つとしても語らせてもらいました。

この本のタイトルを見た時に、「おっ、タイムリーだな」とは思ったものの、
そんなこと他人に指南されなくてもとっくに理解しているし、自分なりに
ストイックな時間の使い方をしているという自負があったので、軽い気持ち
で読み進めていくと…「貴重な時間を無駄なく使っているのに、どこか満たさ
れていないのはなぜだろう」という、内に秘めた疑問が氷解しました。

まずこの本は「人生は4000週間しかない」というこれまでにはなかった単位
で、我々の寿命の短さをダイレクトに突きつけます。
また人間の意志の弱さ…例えば、毎月の収入から余った分だけ貯金しよう
とすることは困難で、一定額を先に貯金した残りで生活をしない限りお金
は貯まらないことを引き合いにして、これは時間に関しても同じで、先に
確保しないとどんどん他のことに時間を使ってしまうと指摘しています。

これはまさにその通りで、私自身、時間ができたらあのマジックの練習を
しようと思っている程度では重い腰は上がらないし、いつか観るつもりで
録画した映画の数々は、随分前からハードディスクに放置されています。
時間ができたら洗車しようと思っていたら、クルマは汚れたままです。
空いた時間にやるのではなく、まずはそれを最優先にしないと何も動かな
いし、達成できないのです。

昔はこの世に存在しなかった家電類…例えば洗濯機や掃除機は、それらが
なかった頃なら丸一日かかっていた面倒な家事を短時間で済ませてくれる
ので、その間はのんびりと過ごせるはずなのですが、現代人は休むどころ
か、それで得た新たな時間で何かを成し遂げようとして、結局は達成でき
ずにストレスを溜めています。
やりたいリストの項目が多ければ多いほど、「一日は24時間」という太古の
昔から変わらない原則の中では絶対に解決できません。

本書では、人生の時間は限られていること、さらにその中の限られた範囲
しかコントロールできないと論じると同時に、私たちそれぞれの人生観や
価値観とは何か…何に時間を費やすべきかを投げかけています。

今年は、私自身にも大きな影響を与えてくれた方々が鬼籍に入られたので、
特にその想いを強くしているところです。

最後に…157ページの、時間の使い方を改めて考えさせられた小話を…

メキシコの漁師が一日に2〜3時間しか働かず、太陽の下でワインを飲んだ
り友達と楽器を演奏したりして過ごしている。それを見て愕然としたアメリカ
のビジネスマンは漁師に勝手なアドバイスをする。「もっとたくさん働きなさい、
そうすれば利益で大きな漁船をたくさん買って、他人を雇って漁をさせ、
何百万ドルも稼いで、さっさと引退することができる」
それを聞いた漁師は「引退して何をするっていうんだ?」と尋ねる。
ビジネスマンは答えて言う。「太陽の下でワインを飲んだり、友達と楽器を
演奏したりできるじゃないか」

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DBX707試乗

12月10日&11日はアストンマーティンDBX707の試乗会…さっそく試乗して
きました。
夏のサーキットでの試乗会には残念ながら参加できませんでしたが、幸いな
ことに本日10日はオフ日だったので、やっと実現しました。
今回はサーキットとはいきませんでしたが、高速道路も走ってみました。

私は自動車評論家でもモータージャーナリストでもないので的確な表現は
できませんが、現行DBXに丸一年以上乗っているからこそ、乗り比べること
によってDBX707のポテンシャルを垣間見れたことは貴重な体験でした。

ちょっと専門的になりますが、パワーアップした点を羅列すると…

最高出力:550ps → 707ps
最大トルク:700Nm → 900Nm
最高速度:291km/h → 310km/h
0〜100km/hのタイム:4.5秒 → 3.3秒
またエンジンの性能アップに合わせて、湿式の多板クラッチ式の9速オート
マチック・トランスミッションやカーボンセラミックブレーキが採用されて
います。

まさに最強・最速を自認するスーパーSUVにふさわしいスペックですが、
パワーアップしたとは言っても、まるで5ナンバーか軽自動車を操っている
ような運転のし易さはDBXと同等なので、「さらに洗練されたマッチョ」と
いうところでしょうか。

街乗り程度ならば、とても707psものエンジンが搭載されていることなど
微塵も感じないし、カチッとした剛性感はあるものの、その扱いに気難し
さやスパルタンな印象は全くありません。
高速道路でカーブにさしかかると、ステアリングの正確で忠実な手応えで
サスペンションには絶対的な安心感を抱きました。

そして一瞬のチャンスでしたが、モードを「スポーツプラス」に切り替えて、
アクセルを強く踏み込むと、痺れるような咆哮と同時に力強さが一気に
増したと思いきや、恐ろしいほどの加速のポテンシャルを感じました。
もうこれは「SUVの姿を纏ったスーパースポーツカー」ですね。
最強・最速の片鱗を垣間見ました。

DBXとDBX707…ベース価格は約600万違いますが、この存在の違いを
どう例えればいいのだろうと考えていて、やっと思いつきました。

中トロと大トロです。

私の年齢だと、もう大トロは胃もたれするので一貫で満足かなと。
(実際は中トロでも多少胃もたれしますが)
次回のクルマの乗り換えの頃は、さっぱりした赤身くらいがちょうど良く
なっているかもしれませんね。

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ヴァルハラ登場!

アストンマーティン初のV8ミッドエンジン・ハイブリッドスーパーカーである
Valhalla(ヴァルハラ)が福岡上陸。
12月1日&2日はアストンマーティン福岡のショールーム、3日は福岡天神の
ソラリアゼファ広場で特別展示会が開催されたので、3日の夕刻に見てきま
した。
土曜日の夕刻とあって、多くの人が立ち止まって撮影していましたね。

夏には青山のショールームに展示されていたのですが、タイミングが合わな
かったので、今回は福岡で拝めることができてラッキーでした。
昨年大ヒットした映画「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」のワンシーンにも登場
して、静止状態ながらも異様な存在感を放っていたので、記憶に残っている
方も多いのではないでしょうか。

2021年3月に約60年ぶりにF1復帰を果たしたアストンマーティンですが(ちな
みに我が愛車DBXは、F1の公式メディカルカーとして採用されています)、
同じくハイパーカーValkrie(ヴァルキュリー)よりも公道走行向けにアレンジ
されているため、コクピットは広めに設計されて、利便性や乗降性が高めら
れていることから、ロードモデルとしての実用性が重視されていますね。

スペックとしては、2基の電気モーターが搭載された新しいV8エンジンが
生み出す最高速度は350km/hで、0〜100km/hの加速はわずか2.5秒で
達成します。
「速度制限があるのに、そんな性能は必要ないだろう」…などという野暮な
ツッコミすら置き去りにしそうです。(そのツッコむ方の自家用車でも最高
速度として180km/hや220km/h程度はスピードメーターに表示されて
いるはず…その速度だって出せないのなら必要ないのは一緒でしょうに)

実車を見た第一印象…そのエクステリアは、一目で「速い!」と感じさせるエア
ロダイナミクス重視の筋肉質な造形で、最小の重量で最大の剛性を実現する
カーボンファイバーで纏われたボディはアストンマーティングリーンのカラー
とも相まって、神々しいオーラを醸し出しておりました。
内部もボディと一体で形成されているので、運転席は固定されたカーボンの
基礎にクッションを装着して、リクライニング等の調節ができないために、
アクセルとブレーキのペダル類が前後に可動するシステムです。

いつか試乗できたとしたら、高揚感はハンパないでしょうね。
999台の限定生産で、価格は1億超…はたして日本では何台が受注されて、
実際に公道で見かけることはあるのでしょうか…それも楽しみです。

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スキミング戦略 8

最終回です…

これまで7回(番外編を含めると8回)に渡ってマジックビジネスにおける
スキミング戦略について書いてきました。

スキミング戦略を成就させる上で第一義とすべきものは何か…それは何度も
強調していますが、差別化をはっきりと標榜することに他なりません。
差別ではありません…「差別化」です。
世の中では当然のように差別化はまかり通っています。

飛行機に乗れば、ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスと
分けられているのが普通ですが、高額な料金を支払ったファーストクラスの
乗客が、「他のクラスの乗客よりも目的地に早く着く」わけではありません。
あくまでも優先搭乗や機内サービスの差別化であって、それぞれが支払った
対価によって、座席のグレードとサービス内容に差があることは周知されて
納得済みですから、そこに不平不満等のトラブルは発生しません。

翻ってマジシャンの場合、それなりの報酬を要求して「どんなマジックを見せ
てくれるのですか?」と問われた時に、はっきりとした差別化のために、腕に
自信のある人がつい強調したくなる「誰よりも巧く」は実は通用し辛いのです。
(そもそも質問と答えが噛み合っていませんし…)
なぜならタネがわからない以上、一定レベルを超えた巧さの価値は一般人
には理解し難いために、報酬には反映し辛くなるからです。(ですから、巧さ
を認められたいマジシャンは、同業者が賞賛してくれるコンテストに活路
を見出すわけです)
「誰よりも巧くやる」ではなく「誰もやっていないことをやる」あるいは「誰も
見たことがないものを見せる」と自信を持って売り込めるか否か、つまり
相場観に流されないことが重要な分水領となります。

富裕層の顧客を獲得するという意味では、ブランディングの頂点とも言える
高級車のディーラーや高級腕時計販売のエキスパートに近い感覚も必要かと
思います。
単に「移動手段としての車」や「時間を知るための時計」という本来の機能だけ
を満たして事足りるのであれば、価格帯でもこれだけの差がある業界が成立
するわけがないのです。
「走るだけなのに、時間を知るだけなのに…なぜそんなに高額なのか?」と
懐疑的な人は、そもそもショールームやブティックを訪れません。
先に述べたように、飛行機において、到着時間は同じなのに料金は何倍も違
う座席のグレードの差別化が納得できない人は、ファーストクラスには座り
ません。
「特別な時間と体験を提供するマジシャン」であればこそスキミング戦略を採る
ことは、私は当然であると思っているし、もし実践するつもりがあるならば、
これらの業界の差別化がなぜ連綿と続いて圧倒的な支持をする顧客が絶えな
いのか…その理由を他人に説明して、ルサンチマンを論破できるレベルまで
理解するべきだと思います。

一定レベルのマジックの知識とスキルでマジシャンとしての武装をしている
ことは当然として、その上で身なりの清潔感、社会人としてのマナーと常識
(失礼ながら市井のマジシャンの中には、これが欠けた変な人を散見します)、
さらにある程度の語学力を身に付けておくことに越したことはないし、政治
経済の動向、一流ブランドやファッションのトレンドに幅広く精通した上で
さらに「聞き上手」であれば申し分ないでしょう。

最悪なのは、話題に事欠いて得意なマジックの話に強引に戻したり、客との
会話で無聊をかこって、無意識にカードやコインをいじり始めるタイプです。
マジック(武器)は主役ではなく、それを使わなくても豊富な話題と物怖じし
ないコミュニケーション能力(素手)で勝負できる「人間力」の方が重要です。

「只者ではない雰囲気を纏った常識人」であることが理想像かもしれません。

そこに気が付いたマジシャンにとっては、このフィールドはブルーオーシャン
に違いありません。

スキミング戦略…完





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スキミング戦略 7

前回からの続きです…

私自身、若手の頃は生活のために、あらゆる環境での仕事のオファー受けて
きましたが、ある考えからお祭りやショッピングセンター等の不特定多数の
観客が無料で観覧できる現場は極力避けるようになりました。
(その理由は2021年5月の「マジックと愛車遍歴番外編2」で詳しく書きました)
そしてスキミング戦略を基にした戦術を立て、自分なりにステータスを向上
させるために、かつ自己実現のために一瀉千里に駆け抜けてきたつもりです。

しかし、どこに到達すればゴールなのか…偉そうなことを書いておきながら、
現実には自己評価すら曖昧模糊としているので、方位磁石のないこの業界で、
自分が今現在どのポジションに立っているのかは定かではありません。
「ビジネスとしてのマジック」に主眼を置けば「本流」のつもりではいますが、
マジック界という特殊な村社会では「傍流」と見られているかもしれません。

そもそもスキミング戦略に否定的で、中にはルサンチマンの本領を発揮する
人も一定数存在します。
逆に興味のあるマジシャンも一定数おられるでしょうから、その方々のため
に自分の考えを一つ吐露すれば、マジックビジネスにおけるスキミング戦略
は一朝一夕で成就するものでもなければ「このマジックをこのスタイルでこの
シチュエーションで演じればそれでOK」という最大公約数的な模範解答も
ありません。

ただはっきりしているのは、人生を左右するあらゆる場面で当てはまること
ですが、「戦略のミスは戦術ではカバーできない」ということ。
身近な例として、マジシャンが陥穽にはまりがちな事象…とにかく仲間うち
(ニッチ市場)で認められたくて、主戦場をそこに設定してしまう(戦略)と、どれ
だけ凄いテクニックを誇示しよう(戦術)が、経済的にはなかなか機能しない
ために、大した対価は得られないということ。
通常、ニッチ市場を狙うのであれば、そこにはビジネスとしての大きな見返
りの確信があればこそなのですが、そもそもマジック界自体がニッチなのに、
さらに自己満足に等しいニッチな部分には、それを望むべくもありません。

ところで、マジシャン同士が見せ合うと、見せてくれた相手に同意を得る
ことも仁義を切ることもなく、「見せてくれた」あるいは「見破った」という事実
が即「教えてくれたのだ」とか「このまま演じていいのだ」(ギャグを含めて)
という勝手な解釈に脳内で都合良く変換されることは異常だと思います。
(お気を確かに!)

閑話休題…

スキミング戦略のスタートは、まず業界の相場観に流されずに「ギャラを払う
側から見た時に、自分のショーはいくらが適正価格なのか」を考えることと、
「他のマジシャンと差別化できる売りとしての付加価値はあるのか」を確認
することです。
人間としての深みが醸成されないまま、パクリのジョークと凡庸なマジック
ばかりを演じてブランディングもできていない状態では、ギャラ交渉の際の
説得力に欠けることは言うまでもありません。
また「有名マジシャンのアレと同じことができます!」と売り込むのは、「売り」
ではなく「安売り」というレッテルを自ら貼った病的なほど下品なセールス
トークです。
(おだいじに!)

高価格帯を狙うスキミング戦略、低価格帯を狙うペネトレイティング戦略…
どちらのビジネスモデルを採るのかで生き様が投影されるのですが、どちら
でもない道…例えば、業界の相場に合わせて「クロースアップマジックから
イリュージョンまでの幅広いレパートリーで、あらゆる世代に夢と感動を
お届けします」…という中庸が一番無難なのかもしれません。

それも一つの生き様ではありますが…「記憶に残る幕の内弁当」はありません
から。

次回8(最終回)へ続く…


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スキミング戦略 6

前回からの続きです…

現在の市場を俯瞰した時に、この停滞した社会においては、リーズナブルな
マジシャンほど忙しいのでしょうか?…生活必需品ではなく嗜好品に近いと
も言えるマジックショーの場合は必ずしも当てはまりません。
世の中も幾分落ち着きを取り戻し、いわゆる営業出演も漸増しているようで
すが、あらゆる価格帯のマジシャンの仕事量が、コロナ禍以前に戻ったとは
まだ言えない状況ですし、第8波流行の兆しもあって予断を許しません。

また現在の日本経済はインフレが進行し、収入は増えないのに物価が上がる
というスタグフレーションに陥り、さらに歴史的な円安が追い打ちをかけて
います。
しかしどんな時代でも、景気に左右されない岩盤のような富裕層は一定数い
るもので、それが証拠に高級車や高級腕時計、宝飾品、絵画が売れまくって
います。

最近の日本経済新聞に「百貨店外商、40代以下に的」の見出しで主要な百貨店
が若い富裕層を取り込むことに注力しているとの記事が載っていました。
もともと外商は武家屋敷を回って注文を聞いた江戸時代の呉服屋にルーツが
あり、専任販売員が顧客宅まで通って、要望に手厚く応じるシステムです。

私はスキミング戦略の一環として、外商の顧客を対象としたマジックショーを
幾度となくやってきました。
その客層は一つの百貨店で概ね年間に一千万円以上の買い物をする人達で
すが、確かに近年は若い層が増えている印象でした。
それを裏付けるように記事によると、特に消費意欲の伸びが著しいのが30代
から40代の比較的若い層で、伊勢丹新宿本店の外商顧客のうち、44歳以下
の合計購入額はコロナ前の19年度比で5.4倍に増えたそうです。
実は驚くべきことに、ロールスロイスの購入者も40代が最も多いのです。
そして夫婦揃って高所得のパワーカップルが、タワーマンションを購入してい
ます。
ニューリッチとでも言うのでしょうか、この比較的若い富裕層が日本の経済
を回しているのです。

巷間、「失われた30年」と云われるように、年収水準が30年に渡って横ばいの
の日本は、中間層の消費力がほとんど成長していないわけですが、富裕層に
目を転じると状況は違っていて、仏コンサルティング会社キャップジェミニに
よると、日本で資産を100万ドル(約1億5000万円)以上保有する富裕層は
365万人で、米国に次いで2位で、3位にも2倍以上の差をつけています。

実はそれだけの富裕層がこの日本には存在しているのですが、野村総合研究所
では、日本の富裕層向けにサービスを提供するシステムやサービス(エンタメを
含めて)がまだまだ足りておらず、需給バランスのズレが生じているという
ことです。
富裕層の属性も多様化して、従来型の商品を入手するだけでは需要を満たせ
なくなり、自分達だけで「特別なものを体験する」という富裕層向けのコト消費
が必要となると言われています。

こんな千載一遇のチャンスに、スキミング戦略を採って積極的に富裕層にアプ
ローチするマジシャンがほとんど見当たらないのは勿体無いことなのです。

次回7へ続く…

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